27日の米国市場ダイジェスト:NYダウ453ドル安、コロナウィルスへの懸念続く
■NY株式:NYダウ453ドル安、コロナウィルスへの懸念続く
米国株式相場は下落。ダウ平均は453.93ドル安の28535.80、ナスダックは175.60ポイント安の9139.31で取引を終了した。コロナウィルスによる新型肺炎の感染拡大を受けて世界経済鈍化への懸念が強まり、大きく下落して始まった。欧州株価も全面安となるなど投資家心理が悪化しており、終日軟調となった。セクター別では食品・生活必需品小売を除いて全面安となり、特に半導体・半導体製造装置やテクノロジー・ハード・機器の下落が目立った。
コロナウィルスによる旅行や観光需要の後退懸念で、アメリカン航空(AAL)やユナイテッド航空(UAL)など航空会社各社が下落。カジノ・ホテル運営のウィン・リゾーツ(WYNN)、旅行予約サイトのブッキング・ホールディングス(BKNG)も軟調推移。一方で、非鉄金属のアーコニック(ARNC)は、決算内容が堅調となり堅調推移。ワクチン開発への期待からノババックス(NVAX)やイノビオファーマシューティカルズ(INO)など、医薬品開発企業の上昇が目立った。
原油相場は供給過多である状況に加えて、コロナウィルスの感染拡大による需要後退を予想する見方が強まり、約3か月ぶりの安値となった。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:
27日のニューヨーク外為市場でドル・円は108円85銭まで下落後、109円10銭まで反発も上値重く、引けた。米国の12月新築住宅販売件数が予想を下回ったことや、新型肺炎の感染拡大により世界経済の見通しが悪化したため米国債利回りの低下に伴うドル売りやリスク回避の円買いが優勢となった。
ユーロ・ドルは、1.1032ドルから1.1010ドルまで下落して引けた。ドイツの1月IFO企業景況指数の低調な結果に加え、バルニエEU首席交渉官が離脱する英国との貿易摩擦の可能性を警告するなど一段の成長リスクが警戒されユーロ売りが加速。ユーロ・円は、120円29銭から119円91銭まで下落。ポンド・ドルは、1.3076ドルから1.3040ドルまで下落した。英国中銀による利下げの可能性や、バルニエEU首席交渉官が英国との貿易摩擦の可能性を警告したため成長に悲観的見通しが広がりポンド売りが加速。ドル・スイスは、0.9682フランまで下落後、0.9707フランまで上昇した。
■NY原油:続落で53.14ドル、需要鈍化懸念が台頭、新型肺炎の感染拡大で世界経済の見通し悪化
NY原油先物3月限は反落(NYMEX原油3月限終値:53.14↓1.05)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比-1.05ドルの53.14ドルで通常取引を終えた。
需要鈍化懸念が台頭した。新型肺炎の感染拡大で世界経済の見通しが悪化。北京でも1名の死者がでたと報じられた。米国務省は助言で、中国全土への旅行を再検討するよう推奨するなど、事態収拾のめどはたっていない。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 32.85ドル -0.69ドル(-2.06%)
モルガン・スタンレー(MS) 53.11ドル -1.44ドル(-2.64%)
ゴールドマン・サックス(GS)238.14ドル -3.78ドル(-1.56%)
インテル(INTC) 65.69ドル -2.78ドル(-4.06%)
アップル(AAPL) 308.95ドル -9.36ドル(-2.94%)
アルファベット(GOOG) 1433.90ドル -32.81ドル(-2.24%)
フェイスブック(FB) 214.87ドル -3.07ドル(-1.41%)
キャタピラー(CAT) 135.73ドル -4.65ドル(-3.31%)
アルコア(AA) 14.87ドル -0.64ドル(-4.13%)
ウォルマート(WMT) 115.86ドル +1.49ドル(+1.30%)
スプリント(S) 4.63ドル -0.20ドル(-4.14%)
《SF》
提供:フィスコ