28日の米国市場ダイジェスト:まちまち、投資家の不安が強まる

市況
2020年3月2日 8時00分

■NY株式:まちまち、投資家の不安が強まる

28日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は357.28ドル安の25409.36、ナスダックは0.89ポイント高の8567.37で取引を終了した。ニュージーランドやナイジェリアでも新型コロナウィルスの感染者が発見され、売りが先行。投資家のリスク選好姿勢が大きく後退するなか、安全資産として米国債を選好する動きから国債利回りが大きく低下しており、金融株を中心に軟調推移となった。しかし、引けにかけて急速に買い戻す動きが広がり、ナスダックは上昇に転じた。セクター別では、半導体・半導体製造装置やエネルギーが上昇する一方で公益事業や保険が下落した。

デルタ航空(DAL)やアメリカン航空(AAL)、ユナイテッド・コンチネンタル(UAL)は、世界的な旅行需要の後退を背景に軒並み下落。米長期金利の低下でシティ・グループ(C)、バンクオブアメリカ(BAC)、JPモルガン(JPM)など金融各社が軟調推移。代替肉食品メーカーであるビヨンド・ミート(BYND)は、決算内容が嫌気され、急落した。

セントルイス連銀総裁は、新型コロナウィルスがパンデミック(世界的流行)に発展した場合は、利下げを支持するとの認識を示した。

■NY為替:米利下げを織り込むドル売り加速

28日のニューヨーク外為市場でドル・円は108円74銭から107円51銭まで下落して108円00銭で引けた。新型肺炎の感染が世界中で広がり景気や企業収益を圧迫するとの懸念にリスク回避の円買いに拍車がかかった。パウエルFRB議長が緊急声明を発表し、「新型肺炎の動向を監視し状況次第で手段を用いて適切な措置をとる」と断固とした方針を表明すると追加利下げ観測が一段と強まり、ドル売りに拍車がかかった。

ユーロ・ドルは、1.0951ドルまで下落後、1.1046ドルまで上昇して1.1035ドルで引けた。ユーロ・円は119円47銭から118円39銭まで下落した。ポンド・ドルは1.2877ドルから1.2726ドルまで下落した。英国中銀の早期利下げ観測を受けたポンド売りが加速。ドル・スイスは0.9692フランまで上昇後、0.9632フランへ下落した。

■NY原油:大幅続落、米国株式の大幅続落を嫌気した売りが入る

28日のNY原油先物4月限は大幅続落(NYMEX原油4月限終値:44.76 ↓2.33 )。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比-2.33ドルの44.76ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは43.85ドル-47.03ドル。米国株式の大幅続落を嫌って通常取引の時間帯で43.85ドルまで売られたが、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が「新型肺炎による株市場の下落は過剰」、「CDCやFDAは新型肺炎の治療薬の承認を加速している」、「主要なサプライチェーンの混乱の証拠はない」などの見解を伝えたことから、株安は一服し、原油先物は通常取引終了後の時間外取引で45ドル台前半まで戻している。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 28.50ドル -0.63ドル(-2.16%)

モルガン・スタンレー(MS) 45.03ドル -0.38ドル(-0.84%)

ゴールドマン・サックス(GS)200.77ドル -3.67ドル(-1.80%)

インテル(INTC) 55.52ドル -0.31ドル(-0.56%)

アップル(AAPL) 273.36ドル -0.16ドル(-0.06%)

アルファベット(GOOG) 1339.33ドル +21.24ドル(+1.61%)

フェイスブック(FB) 192.47ドル +2.72ドル(+1.43%)

キャタピラー(CAT) 124.24ドル +0.97ドル(+0.79%)

アルコア(AA) 13.87ドル +0.41ドル(+3.05%)

ウォルマート(WMT) 107.68ドル -2.72ドル(-2.46%)

スプリント(S) 9.19ドル -0.11ドル(-1.18%)

《SF》

提供:フィスコ

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