注目銘柄ダイジェスト(前場):ジンズメイト、KDDI、カイオムなど

市況
2020年3月4日 12時07分

ラクオリア創薬<4579>:1073円(+33円)

大幅に反発。選択的ナトリウムチャネル遮断薬の物質特許の一つであるピロロピリジノン誘導体が韓国から特許査定の連絡を受けたと発表している。日本、米国、欧州、中国などに続く知的財産権の強化。今回の遮断薬は副作用の少ない画期的新薬として、さまざまな疼痛状態に対する未充足の医療ニーズに応えることが期待されているという。ラクオリア創薬は、今後も多くの治療用途を有するイオンチャネル創薬を進めるとしている。

東洋紡<3101>:1374円(+36円)

大幅反発。新型ウイルスの検査試薬の大幅増産に乗り出したと報じられている。月産量を従来の20倍の数十万検体分に高めており、中国を中心に日本の検査機関にも出荷する。生産量は現状の約5倍にできる余力もあるという。ウイルスの遺伝子を増幅する試薬で検査で一般的な「PCR検査」に使うようだ。依然として新型ウイルスの感染拡大が続く中、活躍余地は大きいとの見方が優勢になっている。

ジンズメイト<7448>:271円(+61円)

急騰。前日に2月の月次動向を発表している。既存店売上高は前年同月比6.0%増となり、6カ月ぶりのプラス転換となっている。客単価は同2.2%低下したが、客数が同8.4%増加した。うるう年効果に加えて、セール訴求の強化によって店頭の集客が高まったようだ。比較的、月次動向に注目が高まりやすい銘柄でもあり、短期資金の関心が集まる展開になっている。

KDDI<9433>:3205円(+155円)

大幅反発。前日に楽天モバイルでは、4月開始のキャリアサービス新料金プランを発表した。ネットワークエリア内ではデータ無制限の月額2980 円の1プラン、300万名まで1年間無料としている。300万契約は早期に達成する可能性が高く、同社のローミング収入拡大にとってポジティブと捉えられている。一方、大容量ユーザーなどでは割安感も薄れるとみられ、既存キャリアからの本格シフトや競争激化は限定的との見方にもなっている。

三菱UFJ<8306>:509.5円(-10.6円)

大幅続落。メガバンクは軒並み売り優勢の展開になっている。新型ウイルス感染拡大による景気の先行き不安抑制を狙い、米FRBでは昨晩緊急利下げを実施、政策金利を0.5%引き下げている。臨時会合を開いて利下げを決定するのは2008年10月以来となる。今後は日銀でも協調的な金融緩和策が実施される可能性が意識され、銀行株にとっては利ザヤ改善のタイミングはさらにずれ込むとの見方が優勢になっている。

ファーストリテ<9983>:54200円(+1360円)

大幅反発。前日に2月の月次動向を発表している。既存店売上高は前年同月比0.8%増となり、6カ月ぶりのプラス転換となっている。客数が同0.1%減少した一方、客単価が同0.8%上昇した。春物商品が順調に立ち上がったことが背景。前年比で祝日が1日多かったほか、うるう年効果もあったとみられるものの、株価が安値圏にある中で、国内販売の底打ち期待が出てきたことをポジティブに捉える動きが先行している。

カイオム<4583>:215円(+7円)

大幅に3日ぶり反発。小野薬品工業<4528>との新規抗体作製及び抗原・タンパク質調製等に関わる業務委受託契約を2年延長し、22年3月末までにすると発表している。今後も継続的に取引が発生することが見込まれるため。カイオム・バイオサイエンスが受託する業務の規模も以前より拡大する。契約延長が中長期的な利益拡大につながるとの期待から買い優勢となっている。

桜井製<7255>:510円(+12円)

大幅に続伸。上限10万株(0.50億円)の自社株買いを実施すると発表している。発行済株式総数(自社株を除く)に対する割合は2.6%。取得期間は4日から21年3月3日まで。資本効率の向上に加え、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行することが目的。自社株買いに加え、2月28日に昨年来安値(459円)を付けており、下げすぎとの見方が出ていることも買い戻しにつながっているようだ。

《ST》

提供:フィスコ

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