話題株ピックアップ【夕刊】(2):ファストリ、帝人、東洋紡
■東洋紡 <3101> 1,362円 +24 円 (+1.8%) 本日終値
東洋紡<3101>が反発。4日付の日本経済新聞で「東洋紡は新型コロナウイルスの検査試薬の大幅増産に乗り出した。月産量を従来の20倍の数十万検体分に高めた。日本や中国の検査機関に出荷する」と報じており、これを手掛かり材料に買いを呼び込む形となった。
■ファーストリテイリング <9983> 54,140円 +620 円 (+1.2%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が反発。3日の取引終了後に発表した2月の国内ユニクロ事業の売上速報で、既存店及びEコマース売上高は前年同月比0.8%増と6カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。春物商品が順調に立ち上がったことが牽引した。また、うるう年で例年より1日多かったことや、祝日が1日増えたことも貢献した。既存店の内訳では、客数は同0.1%減となったものの、客単価が同0.8%増と伸長した。
■帝人 <3401> 1,875円 +19 円 (+1.0%) 本日終値
帝人<3401>が続伸。日本感染症学会のウェブサイトが2日、新型コロナウイルス感染症の初期から中期の患者3人に対して、喘息治療剤「シクレソニド」(商品名「オルベスコ」)を投与したところ、良好な結果を得たとの報告書を掲載。これを多くのメディアが取り上げたことで、「オルベスコ」を展開する帝人ファーマを子会社に持つ同社には、引き続き思惑的な買いが入ったようだ。
■サカタインクス <4633> 948円 +7 円 (+0.7%) 本日終値
サカタインクス<4633>が高い。岩井コスモ証券は3日同社株の投資判断「A」と目標株価1500円を継続した。印刷インキ大手である同社の19年12月期連結営業利益は前の期比21.8%増の62億2500万円で着地。米州およびアジアを中心にパッケージ関連の印刷インキの拡販が進んだことなどが寄与した。20年12月期も同利益は前期比20.5%増の75億円と連続大幅増益が予想されている。中期的には、同社が強みを持つ環境配慮型製品やインクジェットインキの拡販などに期待している。
■三井不動産 <8801> 2,488円 +15 円 (+0.6%) 本日終値
三井不動産<8801>、三菱地所<8802>など大手をはじめ不動産株が総じて強い動きをみせた。業種別騰落では、東証1部33業種中で「不動産」は値上がり率トップとなった。前日にFRBは緊急利下げを発表、米10年債利回りは初めて1%台を下回るなど金利低下が加速、国内でも日銀黒田総裁が金融市場調節や資産買い入れといった緩和的措置に取り組む可能性を示唆しており、世界的な協調緩和の動きのなか、有利子負債負担の緩和や資金調達コストの低下などでメリットを受ける不動産株には追い風が意識されている。
■イーエムシステムズ <4820> 840円 +3 円 (+0.4%) 本日終値
イーエムシステムズ<4820>が反発。3日の取引終了後、インターネットインフィニティー<6545>と業務提携契約を締結したと発表しており、これが好感された。EMシステムズが介護/福祉サービス施設・事業所に向けシステムと、IIFが提供する日本最大級のケアマネージャー専門サイト「ケアマネジメント・オンライン」がサービス連携することで、ソリューションの価値向上を図り、介護/福祉システムの拡販につなげるのが狙いとしている。
■USENHD <9418> 1,476円 -98 円 (-6.2%) 本日終値 東証1部 下落率2位
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>が3日ぶりに反落。同社は先月25日に株式売り出しを発表した。きょうからは、売り出し価格決定期間に入っているため、警戒感からの売りが膨らんだようだ。同社社長で筆頭株主である宇野康秀氏とUNO―HOLDINGSの保有株870万株が売り出される。同時にオーバーアロットメントによる上限130万株の売り出しも実施する。
■三菱UFJ <8306> 508.4円 -11.7 円 (-2.3%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が寄り付きウリ気配で始まるなどメガバンクが安く、第一生命ホールディングス<8750>など生保株も売りに押される展開。前日にFRBが政策金利の0.50%の緊急利下げを発表したが、ここ米10年債利回りは急低下が続いており、前日はついに1%台を下回り過去最低を記録した。米国株市場でゴールドマン・サックスやJPモルガンなどは運用環境悪化を嫌気され軒並み売られたが、東京市場でも米国事業を展開する大手金融機関にとって株価のネガティブ材料となっている。
■ユナイテッドアローズ <7606> 2,410円 -39 円 (-1.6%) 本日終値
ユナイテッドアローズ<7606>は続落。3日の取引終了後に発表した2月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高は前年同月比1.8%増と3カ月ぶりに前年実績を上回ったが、市場の反応は限定的のようだ。新型コロナウイルス感染症の拡大による小売り売り上げへのマイナス影響はあったものの、冬物最終セールの拡大や中軽衣料を中心に春物の動きがみられたことが寄与した。全社売上高は同2.5%増だった。なお、前年に比べて営業日数が1日、休日が2日多かったことが、既存店売上高を6.0%程度押し上げたとしており、実態は弱いとの見方もあるようだ。
■アダストリア <2685> 1,733円 -22 円 (-1.3%) 本日終値
アダストリア<2685>は続落。3日の取引終了後に発表した2月度の月次売上高で、既存店売上高は前年同月比0.8%減と5カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。気温が平年よりも暖かく推移したことで、春物を中心に売り上げを伸ばしたものの、新型コロナウイルス感染症の影響などで客数が伸び悩み、全店売上高も同1.1%減だった。なお、20年2月期通期では既存店売上高は前年同期比1.0%増だった。
株探ニュース