話題株ピックアップ【夕刊】(1):菱洋エレク、鹿島、パンパシHD
■菱洋エレクトロ <8068> 1,955円 +245 円 (+14.3%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
菱洋エレクトロ <8068> が急騰。10日大引け後に発表した20年1月期の連結経常利益は前の期比48.4%増の21.8億円に拡大し、従来予想の19億円を上回って着地。続く21年1月期は前期比0.6%増の22億円とほぼ横ばい見通しとなったことが買い材料視された。前期は「Windows7」のサポート終了に伴うパソコンの買い換え需要やテレビ向け半導体の販売増加で2ケタ増収増益を達成した。今期はパソコン買い替え需要の反動減で減収を見込むものの、売上構成の良化や高付加価値型のソリューションビジネスの拡大で増益を確保する計画だ。併せて、今期の年間配当は前期比100円増の180円に大幅増配する方針としたことも買いに拍車を掛けた。目標純資産配当率を5%に引き上げることに伴い、普通配当を40円増額するほか、設立60周年記念配当60円を実施する。
■スギホールディングス <7649> 5,310円 +210 円 (+4.1%) 本日終値
スギホールディングス<7649>が4日ぶりに反発。10日の取引終了後に発表した2月度の月次速報で、全社ベースの既存店売上高が前年同月比20.9%増と大幅増となり、4カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、マスクやトイレットペーパーなどの売り上げが増え、既存店売上高の増収につながったようだ。
■鹿島 <1812> 1,055円 +17 円 (+1.6%) 本日終値
鹿島<1812>が続伸。SMBC日興証券は10日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は1750円で継続した。株価の下落で大手ゼネコン内での割安感が強まったことから、投資評価を見直している。同証券では20年3月期の連結営業利益を従来予想の1290億円から1230億円へ減額修正しているが、21年3月期の同利益は1330億円への増益を見込んでいる。来期の予想EPSは181円と試算しており、足もとの株価は来期予想PER6倍前後と割安感が強い。同社が発表する期初計画は例年保守的であり、21年3月期も減益予想が打ち出される可能性があるが、その5月の決算発表時に自己株式取得などの株主還元策が打ち出されることを期待している。
■パンパシHD <7532> 1,873円 +30 円 (+1.6%) 本日終値
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>が続伸。10日の取引終了後に発表した2月度の月別販売高状況で、ドン・キホーテの既存店売上高が前年同月比1.2%増と5カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。新型コロナウイルスの拡大の影響で、保存性食品や衛生用品、紙製品などの日用雑貨品が牽引した。なかでもマスクや除菌シート、トイレットペーパーなどのニーズが急速に高まり、免税売り上げの落ち込みをカバーした。
■三菱UFJ <8306> 442.6円 +2.9 円 (+0.7%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが続伸と全般不安定な相場のなかで強さをみせている。前日の米国株市場ではゴールドマン・サックス、JPモルガン、シティグループなど大手金融株が軒並み急伸、全体相場の戻りを牽引したが、これは米長期債利回りの急反発を好感したものだ。トランプ米政権が減税などの景気対策を検討していることが伝わり債券が売られ、米10年債利回りは終値ベースで前日比0.24%上昇し0.8%台まで急上昇した。米国事業を展開するメガバンクにとっても運用環境の改善につながることで買い材料となっている。
■SMC <6273> 40,090円 +210 円 (+0.5%) 本日終値
SMC<6273>、ファナック<6954>などFA関連の一角に買われるものが目立つ。全体相場は引き続き波乱含みの展開となっているが、中国向け業績依存度の高い銘柄として売り込まれてきたFA関連は目先買い戻しの動きが観測される。世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が続いているが、発生元の中国では収束の動きがみられていることで、中国関連株は新型コロナのピークアウトを見込んだ買いを誘導している。
■ブラザー工業 <6448> 1,698円 +8 円 (+0.5%) 本日終値
ブラザー工業<6448>が4日ぶりに反発。10日の取引終了後、国内販売子会社のブラザー販売が刺しゅうデータ自動変換ソフトウェアサービスを開発し、ワークマン<7564>が16日にリニューアルする新サイト向けに提供すると発表しており、これが好感された。ワークマンは、作業服の名入れサービス用途でブラザーの業務用刺しゅうミシンをオンラインストアに導入しており、今回のサービス提供により、専用のソフトを使った刺しゅうデータ作成作業が不要となるという。これにより、従来発生していた入力作業時間や人的ミスを削減し、刺しゅう加工の効率化に貢献するとしている。
■マクセルHD <6810> 1,082円 -82 円 (-7.0%) 本日終値
マクセルホールディングス<6810>が反落。10日の取引終了後、20年3月期の連結業績予想について、売上高を1490億円から1450億円(前期比3.7%減)へ、営業損益を20億円の黒字から7億円の赤字(前期54億2400万円の黒字)へ、最終損益を17億円の黒字から45億円の赤字(同53億1100万円の黒字)へ下方修正したことが嫌気された。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、民生用リチウムイオン電池、プロジェクター、理美容製品などの中国工場の操業度が低下していることや、各事業における中国からの製品・部品の調達の停滞、中国向け販売の減少などに影響が出ていることが要因。また、民生用リチウムイオン電池などの事業計画見直しに伴う生産設備などの処分費用や、最近の株価下落に伴う有価証券の減損などの特別損失、個々のグループ会社の事業損益の見通しから、一部繰延税金資産の回収可能性が低下している会社が存在することなども織り込んだとしている。同時に、従来18円を予定していた期末配当を無配にすると発表しており、これも売り材料視されている。なお、年間配当は268円となる予定だ。
■JR東海 <9022> 16,330円 -610 円 (-3.6%) 本日終値
JR東海<9022>が冴えない。10日の取引終了後に月次利用状況を発表しており、2月の東海道新幹線の利用が前年同月比8%減、3月1~9日が前年同期比56%減になったとした。新型コロナウイルスの感染拡大で、企業の出張需要や観光客の利用が減少したとみられ、業績への影響が懸念されている。
株探ニュース