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米国株
2020年3月13日 11時15分
特集

この暴落で減るボーナスなら、元々ない方がまし!? ⇒ 外発性モチベーション


大槻奈那の「だからあなたは損をする~心理バイアスの罠にはまらない技」

大槻奈那(Nana Otsuki)
マネックス証券・執行役員チーフアナリスト
大槻奈那東京大学卒業。英ロンドン・ビジネス・スクールにて経営学修士(MBA)を取得。格付け会社スタンダード&プアーズ、UBS証券、メリルリンチ日本証券にてアナリスト業務に従事。2016年1月より現職。名古屋商科大学大学院教授、二松学舎大学客員教授を兼務しつつ、一橋大学大学院・経営管理研究科(一橋ビジネススクール)の博士課程に在籍。ロンドン証券取引所アドバイザリーグループ・メンバー。財務省財政制度等審議会委員、規制改革推進会議委員。最近の趣味は落語鑑賞と旅行、そして不動産実査で宅地建物取引士の資格も保有する。

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ボラティリティー(株価の変動率)が極めて高い日々が続きます。マーケットは動きがある分、チャンスも生まれるのですが、これだけ目まぐるしいと…。でもこのような時こそ、目先の動きに翻弄されず、企業の収益力をじっくり分析することが欠かせませんね。

では収益分析のお手本である証券アナリストの予想はどのようになっているでしょうか。もちろんプロですから、荒れ相場であろうがなかろうがしっかり行っている、と言いたいところですが、彼らも人間です。「やる気」が出る時もあれば、落ちてしまう時もあります。

半分以上は自社株で支給のボーナスが出た直後に、今回のショック襲来

アナリストのやる気に大きく影響する可能性を持つのが、ボーナスです。何もアナリストに限らずほとんどすべての人は、報酬が増えればやる気がアップし、減らされればダウンしてしまいますね。このボーナスの"ボラ"が非常に高くなりがちなのが、外資系金融機関に所属するアナリストです。金額は、ゼロから固定給のウン倍まで、ものすごくバラツキがあります。

彼らの報酬に占めるボーナスの存在はとりわけ大きいですから、その多寡は仕事のやる気に大きな影響を与えがち。ここで重要なのは、一般的に彼らのボーナスが2月から3月初頭に支払われ、半分以上が自社株で支払われることです。そう、つい最近に自社株でボーナスを受け取ったアナリストが多くいるのです。

支払われたばかりの頃は、所属する金融機関の業績や株価に新型コロナウイルスの与える影響は、まだはっきり表れていなかった時期です。しかし、それからまもなくして、相場が大きく急落しました。自社株の下落はボーナスの実質的な目減りとなってしまいます。果たして、このことはアナリストのやる気にどの程度の影響を与えてしまうのでしょうか。


一旦もらった金銭報酬が下がると、元々報酬0円よりもやる気がダウン

行動経済学の世界では、一旦金銭報酬を与えた後にその金額を減らしてしまうと、元々無報酬で働いていた場合に比べて、一層のやる気をなくしてしまうという研究結果があります。

例えば、報酬を払わずにゲームをやらせたチームと、報酬を与えたチームに分け、途中で報酬を下げてしまった場合、パフォーマンスが無報酬のチーム以下になった、などという実験もあります。「外発性モチベーション」つまり、外から与えられる動機付けは、自分から進んでやるという「内発性モチベーション」よりもダウンサイドに弱い、ということです。

では、足元で実質的な報酬が目減りしているであろう外資系のアナリストと、無報酬で予想をしている「みんかぶ予想」を比べると、どうなっているのでしょうか。今回は、業種別で過去1カ月間の価格下落率が最も低い情報通信セクターに注目してみました。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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