BCHとBSVのハッシュレートは回復するのか【フィスコ・ビットコインニュース】

通貨
2020年4月21日 13時09分

4月8日にビットコインキャッシュ(BCH)、4月10日にはビットコインSV(BSV)が半減期を通過した。BCHとBSVは、ともにビットコイン(BTC)から派生した暗号資産(仮想通貨)だが、両者の半減期はビットコインの価格やマイニング(新規発行に必要な計算作業)の参加者の増減に大きな影響を与えることがなかったようだ。

半減期とは、マイニングの報酬という形で市場に新規供給されるコインの量が半減するタイミングの事を指す。BCHとBSVはビットコイン(BTC)から派生した仮想通貨であるため、マイニング従事者はBTC、BCH、BSVの中からより利益率が高いコインを選んでマイニングできる。このため、BCHとBSVの半減期後にはそれぞれのハッシュレート(マイニングの処理能力を表す計算速度のこと)は大幅に減少した。しかし、BTCのハッシュレートには大きな影響が出なかった。また、BCHとBSVの価格は半減期後に下落したが、BTC価格には特段の影響は見られていない。

具体的な数値を見てみると、半減期通過前の4/7比でBCH価格は5%下落、取引量は17%、日次期間平均のハッシュレートは54%減少した。また、半減期通過前の4/9比でBSV価格は14%下落し、取引量は37%、日次期間平均のハッシュレートは53%減少した(BCH・BSVともに4/21時点、価格・取引量はCoinMarketcap、ハッシュレートはBitinfochartsより)。BCH、BSVともに半減期後にハッシュレートが半減した。BTCをマイニングする比率を高めた従事者が増加したことが原因だが、もともとBTCのハッシュレートは他の二つの30~100倍と大きな水準で推移していたため、BTCのハッシュレートは4/7比で9%の上昇にとどまっている(4/21時点)。また、BTC価格には目立った上昇は見られなかった。

前回のBTCの半減期(16年7/9)を参考にすれば、BCHとBSVのハッシュレートは1ヵ月ほどで元の水準まで戻る可能性はある。5/11に控えるBTCの半減期がきっかけとなって、BCHとBSVのハッシュレートが回復するということもあり得る。ただし、前回のBTCの半減期ではハッシュレートは最大で18%程度しか減少しなかったが、BCHとBSVのハッシュレートは50%以上減少しており、そもそも半減期前の水準まで回復できるのか懸念される。BCHとBSVではマイニングに参加するマイニングプール(集団でマイニングを行う企業)の数も一貫して減少傾向にあり(4/21時点、Coin Danceより)、このままハッシュレートとマイニング参加者が減少し続けていくとネットワークの安全性に綻びが出る可能性もあるので注意したい。

《SI》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.