クイック---20/3期は営業利益が13.5%増、人材サービス事業が順調に業績拡大

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2020年5月19日 18時40分

クイック<4318>は15日、2020年3月期(19年4月-20年3月)連結決算を発表した。売上高が前期比9.7%増の210.35億円、営業利益が同13.5%増の29.30億円、経常利益が同6.8%増の30.09億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.5%増の20.74億円となった。

人材サービス事業の売上高は前期比14.9%増の132.17億円、営業利益は同25.4%増の24.87億円となった。人材紹介は、注力分野の絞り込みや営業強化による選択と集中の取り組みが奏功し、一般企業向け専門職・技術職の人材紹介の業績が堅調に拡大した。また、病院や介護施設等を対象とした看護師紹介は、効果的なプロモーションや運営サイトのコンテンツ充実、きめ細かな登録者対応、クリニックをはじめとする新規顧客開拓等を進めたことで、堅調に推移した。人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等は、登録者獲得のための効果的なプロモーション等の施策が奏功し、看護師派遣及び保育士派遣とも伸びた。また、パートタイム派遣も、新型コロナウイルスの影響により派遣スタッフの稼働数が減少傾向となったものの、雇用情勢の改善により正社員の採用やフルタイム派遣スタッフの確保が難しいなか、勤務日数や勤務時間の少ないパートタイム派遣の活用が企業にも浸透してきたことで、専門性の高いIT・Web関連職種やオフィスワーク等を中心に業績が拡大した。

リクルーティング事業の売上高は前期比5.7%減の37.34億円、営業利益は同10.1%減の9.01億円となった。新卒採用領域は当初インターンシップサイトへの広告の取り扱い等が順調に推移した。しかし、第4四半期に入り、新型コロナウイルスの影響により合同企業説明会等の3月の取り扱いイベントが全て中止となったこと等に伴い、売上高が減少した。また、中途採用領域も人手不足の深刻化を背景に、前期より本格的に開始したIndeedの取り扱いは大きく拡大したが、新型コロナウイルスの影響に伴う顧客企業の採用活動の中断、延期等に伴い、正社員及びアルバイト・パートの求人広告の取り扱いは、期末にかけて減速傾向となった。なお、派遣登録スタッフ募集のための一部メディアについて、2018年12月より契約形態が代理店形態から販売委託形態に変更され、取扱手数料のみの売上計上となり、前期と比較して売上高が減少したが、仕入原価の広告掲載費を差し引いた粗利は堅調に拡大した。

情報出版事業の売上高は前年同期比.5.7%増の20.93億円、営業利益は同10.4%増の1.96億円となった。生活情報誌及び住宅情報誌「家づくりナビ」の業績がほぼ横ばいとなった。2019年3月期下期にスタートしたIndeedの取り扱いは、人手不足に伴う採用ニーズを背景に堅調に推移した。また、折り込みチラシ等のポスティングサービスが堅調だったものの、新型コロナウイルスの影響により3月に入ってからの業績は鈍化傾向となった。一方、「ココカラ。」ブランドで展開するコンシェルジュサービスは、転職・家づくり・ブライダルの全領域とも業績が堅調に推移した。

その他の売上高は前年同期比14.9%増の19.90億円、営業利益は同18.5%減の1.79億円となった。IT・ネット関連事業は、人事・労務に関する情報ポータルサイト「日本の人事部」の広告収入が堅調に推移した。また、子会社化のクロノスは、システムの受託開発やAI関連の研修の受注等により売上高が拡大。海外事業では、北中米(米国及びメキシコ)において、人材紹介が堅調に推移した。米国での人材派遣は年末にかけて業績は拡大傾向となったが、求職者の正社員志向の高まりもあり、前期業績には及ばなかった。アジア(中国・ベトナム)は、現地日系企業への日本人及びベトナム人の人材採用コンサルティングが好調だった。また、中国では上海市に人材紹介を展開する上海クイック人材サービス有限公司を新たに設立。英国は、英国国内企業への人材紹介に加え、英国から欧州企業への転職をサポートする国際間の人材紹介が順調に拡大した。

2021年3月期通期の連結業績予想については、新型コロナウイルスによる影響を合理的に算定することが困難なことから、現時点では未定としている。今後、新型コロナウイルスの動向を見極めながら、合理的な業績予想の算定が可能となった時点で、速やかに開示するという。

《SF》

提供:フィスコ

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