富田隆弥の【CHART CLUB】 「1000ポイントに迫る東証マザーズ」
◆ ナスダックが20日に高値を9392ポイント(ザラバ値、以下同)に伸ばし、コロナショックの下げ幅(3207ポイント)を86%取り戻し、2月19日の最高値9838ポイントまでおよそ440ポイントに迫ってきた。
◆ご承知のように、日米欧の過剰流動性であふれたマネーが米国市場に流入している。大手IT銘柄(GAFAM)への資金流入は顕著で、また各国でさらなる追加景気対策が計画されていることから、ナスダックの全値戻りは現実味を増している。2月に果たせなかった1万ポイント乗せ挑戦も改めて注目されよう。
◆そのナスダックに負けていない指数が日本にある。東証マザーズ指数だ。同指数は21日現在、高値928.32ポイントと1年1カ月ぶりの高値をつけている。5月8日に2月13日高値858.84ポイントを奪回、その後、少しもたついたが18日から再び上昇ピッチを早めてきた。
◆東証マザーズにはバイオベンチャーや小型IT関連企業、アフターコロナのテーマに沿う銘柄が多く、いま見直し機運を強めている。小型株で値動きが軽いことから個人投資家の注目度も高く、大台の「1000ポイント」乗せの声を聞くことになるのもそう遠くなさそうだ。
◆ただ、注意しておきたいのは、相場が過熱を帯びてきていること。東証マザーズは3月13日安値(527.30ポイント)から76%も上昇し、週足(13週、26週)のRCIやRSI、移動平均カイ離などテクニカル指標には過熱信号を灯すものが少なくない。
◆なお、東証マザーズは指数先物がある。先物は3月SQ(3月13日)に503ポイントで底打ちしており、次のSQである6月12日近辺がポイントになる可能性もある。
◆いつも触れていることだが、強い相場ではあっても過熱の漂う水準では日足チャートに下値抵抗線を引くなどして、調整入りの兆しにも気を配りながら対応していきたい。
(5月21日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース