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伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 5月24日版

市況
2020年5月24日 8時04分

中国が通貨安・株安でも、NYダウ・日経平均は下値堅い公算

1.来週以降、勢いの強い人民元安場面へ入る可能性がある

図1は、1月26日の本欄で掲載した人民元・ドルの月足チャートです(以前に掲載したままの図になります)。上方へ向かう動きが人民元安の流れになります。

1月26日の本欄では、このチャートを使って人民元の季節性と本年の推測できる展開を紹介しました(詳細は記事をご覧下さい)。要約すると、人民元・ドルは、5~8月の期間のどこかで人民元安が加速する傾向があり、本年1月以降、人民元安が始まる準備が整ったということです。

図1 ドル人民元月足

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図2は、1月以降の人民元・ドル日足です。これを見ると、4月2日に戻り高値をつけた後、上値を抑えられる動きを経過してきましたが、4月中旬頃からのジグザグに上値、下値を切り上げる動きを経過して、いよいよ人民元安に勢いがつく可能性のある状態へ入っていると見ることができます。本年の人民元・ドルが積極的に元安へ向かうとするなら、週明け後は、まさに元安が加速する可能性があると推測できます。

図2 ドル人民元日足

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2.ハンセン指数が積極的な下げの流れへ入る可能性が出てきた

図3は、1987年から2019年までの期間で、ハンセン指数が最高値をつけた月、最安値をつけた月の回数と確率を示しています。表の上段が、年初の値位置よりも年末の値位置の方が高かった年の高値、安値の出現場所です。

表の下段が、年末の値位置よりも年初の値位置の方が高かった年の高値、安値の出現場所です。

年間が強気に推移する場合、1月~3月の期間で年間の最安値をつけて、11月から12月の期間に年間の最高値をつけていることがわかります(それぞれ60%程度の確率になっています)。

年間が弱気に推移する場合、1月~4月の期間で年間の最高値をつけて、9月から10月の期間に年間の最安値をつけていることがわかります(それぞれ60%程度の確率になっています)。

図3 ハンセン指数年間の高安出現確率(1987-2019)

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図4は、2000~2019年の期間でのハンセン指数の月ごとの陰線確率(月足が陰線引けする確率)と、月足が陰線になったときの平均的な下げ幅(「高値ー安値」の値幅)を示しています。

4月は陰線引けする確率が20%となっていて、ほとんど上げていることがわかります。そのほか30%となっている3月、10月も、比較的上げやすい時期になっています。5月は、4月の反動からか、70%の確率で陰線引けする展開となっています。下げ幅が大きくなりやすい月は、8月~11月です。

図4 ハンセン指数の陰線確率と下げ幅の大きさ

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図3、図4の傾向から、ハンセン指数は価格が下げる場合、4月頃までに戻り高値を確認して、5月~10月頃までの時期に下げの流れを作っていることがわかります。

5月22日のハンセン指数は、それまでのもみ合いレンジを下放れて、大陰線をつけて引けています。本年が値幅を伴った下げ場面になると見るなら、目先は一気に下げが勢いづくと考えられます。

3.中国の株安・通貨安のNYダウへの影響は小さい

さて、長々と人民元安、株安が勢いづく可能性について書いた理由は、 NYダウがその流れを映す展開になるかについて書きたかったからです。結論を先に書くと、今回は影響はあるものの、値幅は大きくならないと見ています。

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