ファーストリテが指数のけん引役に/オープニングコメント
3日の日本株市場は、米株高の流れを引き継ぐ格好から、買い優勢の相場展開が期待される。2日の米国市場ではNYダウが267ドル高だった。経済活動の再開で見通しが改善したことが下支えとなった。全米抗議デモの激化や米中対立がリスクとなり、一時上値を抑えたが、引けにかけては上げ幅を拡大した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比280円高の22650円。円相場は1ドル108円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップスタートになりそうである。為替相場の円安傾向や原油先物相場の上昇なども材料視されやすく、インデックスに絡んだ資金流入が意識されやすい。また、指数インパクトの大きいファーストリテ<9983>が2日発表した「ユニクロ」の5月既存店売上高は、前年同期比18.1%減で3カ月連続のマイナスだった。ただし、4月(56.5%減)より減少幅が縮小しているほか、客単価は19.1%増えて4カ月連続のプラスとなっており、好材料視される可能性から、指数のけん引役になりそうである。
また、過熱感が警戒されているが、出来高は膨れておらず、足元の価格帯は真空地帯でもあるため、トレンドが出やすい水準。そのため、指数の上昇ほど過熱感はなく、反対にリスクオンの流れから海外勢の資金流入が観測されてきており、トレンド追随になろう。また、調整局面においても年金資金とみられるインデックス型の資金流入が継続しており、売り方は仕掛けづらく、ショートポジションは避けたいところであろう。
また、TOPIX先物は1600ポイントを回復してきている。2月下旬以来の水準を回復してきており、経済活動再開に伴う景気回復期待により、新型コロナウイルス感染拡大による下落部分を吸収する流れも意識されやすいだろう。本日はインデックスに絡んだ資金流入が中心になりやすく指数インパクトの大きい銘柄がけん引する格好になりそうだが、新型コロナの影響から大きく売り込まれていたセクターや銘柄への見直しも循環物色としてみられよう。
《AK》