今週の【早わかり株式市況】小幅続伸、底堅さ発揮も米コロナ新規感染者最多が重し
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週連続の上昇、日々不安定な動きも週末上昇で小幅プラス圏
2.米国での新型コロナ感染拡大で経済活動が停滞することへの懸念が売り材料に
3.ナバロ米大統領補佐官の発言で米中関係悪化を警戒する売りに押される場面も
4.日経平均は米株市場横にらみながら底堅さ発揮、IPO再開など明るい材料も
5.売買代金は盛り上がらず週初に1兆6000億円台と超閑散、週末も低調商い
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比33円(0.15%)高の2万2512円と2週連続の上昇となった。
今週は米国で新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を記録するなどで経済再生の動きがストップすることへの警戒感が強まった。米国株市場は波乱含みの動きとなったが、東京株式市場は底堅さを発揮、結局週間では小幅ながら前週終値を上回って引けた。
週明け22日(月)は売りに押される展開となった。前週末の米国株市場でNYダウが軟調だったことで、買い手控えられ日経平均は上値の重い展開を強いられた。売買代金は1兆6000億円台と超閑散だった。23日(火)は前日にナスダック総合指数が過去最高値を更新したことがポジティブ材料となったものの、取引時間中に米中関係悪化を示唆するナバロ大統領補佐官の発言に振り回される格好に。一時日経平均はマイナス圏に沈んだもののその後再び切り返した。24日(水)は売り買い交錯で方向感は定まらず、結局わずかにマイナス圏で着地。東証マザーズではこの日約2ヵ月半ぶりにIPOが再開し人気となった。25日(木)は前日の欧米株が大きく下げたことを嫌気して日経平均は270円あまりの下げに。米国での新型コロナ新規感染者数が過去最大となり、経済活動が停滞することへの懸念が売りに反映された。そして26日(金)は、前日の米国株市場で主要株指数が切り返しに転じたことを受け買い戻しが優勢となった。この日に250円あまり上昇したことで週間でもプラス圏に浮上した。ただ売買代金は2兆円をわずかに上回る水準にとどまり、市場参加者不足を映している。先駆した中小型材料株に利食いが目立つ展開だった。
■来週のポイント
米国など新型コロナ新規感染者の再拡大で経済活動が再び停滞するとの警戒感が強まっており、来週も上値の重い展開になりそうだ。
重要イベントとしては、国内では30日朝に発表される5月の完全失業率と鉱工業生産、7月1日朝に発表される日銀短観が注目される。海外では30日発表の中国6月製造業PMIや7月1日発表の米国6月ISM製造業景況指数のほか、2日に発表される米国の6月雇用統計と5月貿易収支に注視が必要だろう。
■日々の動き(6月22日~6月26日)
【↓】 6月22日(月)―― 反落、新型コロナ感染拡大懸念で買い手控え
日経平均 22437.27( -41.52) 売買高 9億3621万株 売買代金 1兆6539億円
【↑】 6月23日(火)―― 反発、一時マイナス圏も自動車株など買われ再浮上
日経平均 22549.05( +111.78) 売買高11億9280万株 売買代金 2兆2716億円
【↓】 6月24日(水)―― 小反落、手掛かり材料難で方向感つかめず
日経平均 22534.32( -14.73) 売買高11億6942万株 売買代金 2兆0337億円
【↓】 6月25日(木)―― 米国でのコロナ感染拡大を嫌気し売り優勢
日経平均 22259.79( -274.53) 売買高13億0537万株 売買代金 2兆2608億円
【↑】 6月26日(金)―― 3日ぶり反発、メガバンクや5G関連に買いが流入
日経平均 22512.08( +252.29) 売買高11億3795万株 売買代金 2兆0386億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、8業種が上昇
(2)精密機器が値上がり率トップ、オリンパス <7733> が牽引
(3)三井不 <8801> など不動産、JT <2914> など食品といった内需株は総じて軟調も
KDDI <9433> など情報・通信、三菱倉 <9301> など倉庫・運輸は買われた
(4)日産自 <7201> 、ホンダ <7267> など自動車株は低調
(5)金融株は野村 <8604> など証券、日本取引所 <8697> などその他金融が底堅い展開も
三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険はさえない
(6)郵船 <9101> など海運、日本製鉄 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株は売られた
(7)JAL <9201> 、ANAHD <9202> など空運業が値下がり率トップ
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) デジタルトランスフォーメーション(DX)
2(3) 5G
3(2) SaaS
4(7) コロナウイルス ─ コロナ対策で急浮上「産業用AR」に熱視線
5(6) 人工知能(AI)
※カッコは前週の順位
株探ニュース