話題株ピックアップ【夕刊】(2):国際石開帝石、三菱UFJ、武田

注目
2020年6月29日 15時21分

■ハローズ <2742>  3,515円  -170 円 (-4.6%)  本日終値

ハローズ<2742>は大幅反落。前週末26日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)単独決算は、売上高380億3500万円(前年同期比17.6%増)、営業利益19億1300万円(同74.9%増)、純利益13億2600万円(同82.9%増)と大幅増益となったものの、23日に年初来高値3780円を付けるなど直近上昇基調にあったことや目先の材料出尽くし感から売り優勢となった。食料品を中心とした在宅用消費が増加したことに加えて、4月に徳島県小松島市へ大林店を出店したことなどが寄与した。なお、21年2月期通期業績予想は、売上高1420億円(前期比5.5%増)、営業利益54億4000万円(同2.8%増)、純利益35億8000万円(同1.0%増)の従来見通しを据え置いている。

■日経レバ <1570>  18,510円  -870 円 (-4.5%)  本日終値

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が一時930円安の1万8450円まで売り込まれた。米国では新型コロナ感染拡大に歯止めがかからず経済再生期待が後退しており、前週末にNYダウなど主要株指数が急落、その影響を受けて週明けの東京株式市場は日経平均が500円を超える下げをみせた。日経レバは日経平均に連動するETFで変動率は日経平均の2倍に基本設定されており、全体が波乱相場になると個人投資家などの短期資金が集結し活況商いとなる傾向がある。きょうは全市場を通じ2位以下に大差をつけて売買代金をこなした。

■国際石油開発帝石 <1605>  659.6円  -25.4 円 (-3.7%)  本日終値

国際石油開発帝石<1605>が6日続落と下値模索の動きを強めたほか、NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブル ETN<2038>も5%を超える反落となった。米国で一部経済活動再開の動きが休止されるなど新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済低迷が再び警戒された。原油需要の先行き不透明感から、前日のWTI原油先物価格は反落したが、きょう午前の中東産ドバイ原油の価格も下落基調にある。米シェール開発大手のチェサピーク・エナジーの破綻も懸念されている状況だ。

■コスモHD <5021>  1,538円  -50 円 (-3.2%)  本日終値

コスモエネルギーホールディングス<5021>が4日続落。29日付の毎日新聞朝刊が「石油元売り3位のコスモ石油が『スーパーマグナム』のブランドで販売するハイオクガソリンについて、エンジンの汚れを取り除く添加剤が入っていないのに10年以上、『使い続けるほどにきれいにしてくれる』と虚偽の性能を公式ホームページ(HP)に記載していたことが判明した」と報じており、これが嫌気されたようだ。記事によると、同紙の指摘により、会社側は4月にHPを修正したという。ただ、景品表示法違反に該当する可能性があるとも報じており、業績への影響なども警戒された。

■三菱UFJ <8306>  422.5円  -9.8 円 (-2.3%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など生保株が軟調展開を強いられた。前週末の米国株市場では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い経済再生の動きにストップがかかるとの懸念が高まり全体指数が大幅安となったが、そのなか米10年債利回りが0.65%を割り込む水準まで急低下、ゴールドマン・サックスが8.6%あまりの急落となったのをはじめ大手金融株が軒並み大幅安となった。東京市場でもこの流れを引き継ぎ、米国事業を展開するメガバンクや生保株には売り圧力が強まった。

■武田薬品工業 <4502>  3,882円  -88 円 (-2.2%)  本日終値

武田薬品工業<4502>が後場下げ幅を拡大。正午ごろ、ノバルティス社が欧州におけるドライアイ治療薬「Xiidra」の販売許可申請の取り下げに伴い、特定の販売実績に基づくマイルストンを受領する見込みが低下したと発表しており、これを嫌気した売りが出た。なお、これに伴い、21年3月期第1四半期において、約2億ドルの営業利益に対する損失影響の発生を見込み、純利益に対する損失影響は約1億5000万ドルを予想しているという。

■ダイキン工業 <6367>  16,925円  -250 円 (-1.5%)  本日終値

ダイキン工業<6367>に強気評価。SMBC日興証券は26日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価は1万8000円から2万円に引き上げた。新型コロナウイルスによる販売減少の影響は大きく、特に21年3月期の欧州空調事業とアジア(中国除く)空調事業の売上高を大きく下方修正した。しかし、欧州やアジア・オセアニアは第2波リスクがあるものの、足もとでの経済活動再開に向けた動きが強くなっている。同証券では第1四半期(4~6月)の営業利益は334億円と予想しており、会社側の上期計画の同利益400億円に対する進捗率はかなり高いとみている。

■オークワ <8217>  1,695円  -14 円 (-0.8%)  本日終値

オークワ<8217>は朝高スタートの後利益確定売りに押され反落。前週末26日の取引終了後、21年2月期の連結業績予想について、売上高を2680億円から2740億円(前期比3.2%増)へ、営業利益を37億円から44億5000万円(同29.0%増)へ、最終利益を15億円から20億円(同39.9%増)へ上方修正し、これを好感する動きでスタートしたが、株価は直近で上昇基調にあっただけに、目先の材料出尽くし感から利益確定売りに押されたようだ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う内食需要の高まりが、主力のスーパーマーケット事業の売り上げを押し上げることが要因としている。なお、同時に発表した第1四半期(2月21日~5月20日)決算は、売上高687億2000万円(前年同期比8.8%増)、営業利益20億1100万円(前年同期2300万円の赤字)、最終利益11億6800万円(同2400万円の赤字)だった。

■小島鉄工所 <6112>  476円  +80 円 (+20.2%) ストップ高買い気配   本日終値

小島鉄工所<6112>がストップ高買い気配のまま取引を終了した。26日の取引終了後、MBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表。同社の児玉正蔵会長ら4氏が設立した児玉本社が1株570円でTOB(株式公開買い付け)を行うという。買い付け価格は26日終値を43.9%上回る水準で、きょうの株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。なお、買い付け期間は6月29日から8月12日までとし、TOBが成立した場合は上場廃止となる予定としている。

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