伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 7月19日版
NYダウ、日経平均とも週明け後に上昇なら月末まで上げの流れ継続の可能性が出てくる
1.NYダウ、7月の値動きの特徴と本年7月の動き方
図1は、 NYダウの月ごとの値動きの傾向を示しています。陽線確率は、月足が陽線引けした確率です。確率が高い方が上げやすい月になります。4月、7月、11月、12月が陽線確率73.3%となっており、上げやすい月であることがわかります。
陽線の上ヒゲは、高値から終値までの値幅の平均値です。上昇した後、月末へ向けて上値を抑えられている値幅を示しています。陽線の下ヒゲは、始値から安値までの値幅の平均値です。月初に下降した後、月中で下値を支えられるまでの値幅を示しています。
実体は、始値から終値までの値幅の平均値です。その月の上げ幅を示しています。
陰線の上ヒゲは、高値から始値までの値幅、陰線の下ヒゲは、終値から安値までの値幅になります。
上昇幅は、始値から高値までの値幅、下降幅が始値から安値までの値幅になります。
4月と11月の値動きは、下げ幅よりも上げ幅の方が大きくなりやすく、陽線の上ヒゲ、下ヒゲよりも実体の値幅が大きく、月初から月末まで上昇の流れができやすいことがわかります。
7月の値動きは、下げ方向にも振れ幅があるので、4月、11月ほどはっきりとした流れを作っていないことがわかります。
12月の値動きは、上げることの多い月ですが、下げの流れを作る場合、値幅が大きくなりやすいことがわかります。
図1 NYダウ、月ごとの値動きの傾向
図2は、NYダウの7月の値動きのパターンです。90年以降のすべての年で、7月の実際の値動きを調べると、7月は「前半に上昇、後半に下降」「前半に上昇、後半に上昇」「前半に下降、後半に上昇」「横ばい」の4つパターンに絞られます。
月足が陰線引けする動きは、「前半に上昇、後半に下降」のパターンで、前半の上げ幅が限られるときに表れるか、または「前半に下降、後半に上昇」のパターンで、前半の下げ幅が大きくなるときに表れています。
前半の上げ幅が大きくなる場合、陽線引けすることが多く、陰線引けするとしても、月初の安値付近が月末の値位置となります。
図2 NYダウ、7月の値動きのパターン
図3は、NYダウ日足と7月の想定できる展開を示しています。7月は月末まで上げの流れを継続するか、前半に上昇して後半に下降するパターンになるかのどちらかが考えられます。
後者の場合、7月15日の高値2万7071ドルが戻り高値となって、月末へ向けた下げの流れへ入ると考えられます。前半に上昇して上げ幅が大きくなっているため、月末の値位置は、7月9日の安値2万5523ドル付近か、1日の始値2万5879ドル以上になると考えられます。