【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 先駆して舞い上がる上放れ銘柄に着目!
「先駆して舞い上がる上放れ銘柄に着目!」
●外国人投資家の買い越しが意味するもの
このところ私は、ひたすらあるものを待っている。必ず来ると信じているのだが、残念ながらなかなか姿を表さないのだ。チラッと見えたような気がすることもあるのだが、目を凝らすと違っていた。こうなっているのが現状。そのため、辛抱強く待ち続けている。
昔「シェーン」という映画があり、ラストの「シェーン・カムバック」という名台詞がいまも忘れられないが、シェーンは二度と戻らなかった。でも、私の期待が裏切られることはない、と信じている。
私が待っているのは、“日経平均の上放れ”だ。
日経平均株価が保ち合いに入ってすでに1ヵ月が過ぎた。途中3回上放れの兆しを見せたのだが、果たせなかった。新型コロナウイルスの感染拡大に足を引っ張られてしまったためだ。経済はすでに動きはじめていて、観光業支援のGo Toキャンペーンも東京都を除外するという不十分な形ながらスタートする。
東京都の感染者はこの原稿を書いている時点でも1日293人を記録しているほど。これでは正直、投資に二の足を踏む人が増えるのもやむを得ないのが実際だ。
しかし、ここで注目したいのは、7月第2週にそれまで売り越しだった外国人投資家が1108億円の買い越しに転じたことだ。彼らは、6月4週には4852億円も売り越していたのだ。
ところが、7月に入ると第1週に売り越し額は1086億円に急減、そして第2週は前述したように買い越しに転じている。しかも、その時の投資環境は決して好ましいとはいえなかった。そんな中での買い越しは東京市場の底固さに着目し、中長期投資の観点から魅力ありと判断したと見てよい。海外から見ると、東京の新型コロナ感染増は危機的との判断にはならないからだ(神奈川に住む私には十分に危機的に感じられるが)。
●保ち合い上放れは市場の“抗体獲得”待ちか
こんな状況を考えると、保ち合い放れは新型コロナ感染者数の増加に市場が抗体を持ち始めるにつれて訪れる。こう考えるのが自然であり、ここはなおしばらく辛抱といったところだ。
ただ、投資はあくまで個別銘柄勝負。全体はなかなか上放れなくても、個別にはすでに上放れた銘柄があるので、それらへの投資に取り組みたい。
具体的には、まずは日本電産 <6594> になる。精密小型モーターで世界首位である上に、近年では中大型分野にも進出。着々と実績を積み上げている。とはいえ、新型コロナの影響でさすがに目先、需要は落ちている。しかし、永守会長が陣頭指揮をとりコロナ禍の克服を公約した。これが心強い。危機的状況でトップが前面に出てくると安心感が違う。
この観点からはすでに数回取り上げているが、ソフトバンクグループ <9984> もなお魅力的だ。
新型コロナの感染拡大がなかなか終息しないことを考えると、医療関係者にとって治療薬、ワクチン開発を待つだけでなく、様々な関連データを調べることが先になる。そんなニーズに応えるのがメディカル・データ・ビジョン <3902> だ。
新型コロナの感染拡大前から利用者が増加していたが、最近ますます需要が高まっているのがWi-Fiサービス。在宅勤務の増加でマンション向けなどの需要が伸びており、今後もそれが続くと見てよい。ファイバーゲート <9450> を。
ただ、ネット活用が盛んになればなるほど心配になるのがセキュリティ。訳の分からないウイルスが侵入するのではないか、と正直私も不安になるが、こんな状況を背景にニーズ増の恩恵を受けているのがデジタルアーツ <2326> 。株価は高値圏ながら浅い押しはあると見てよく、そこで拾っておきたい。
最後にマサーズ銘柄にも目を向けおくと、企業再生やM&Aに強いフロンティア・マネジメント <7038> [東証M]だ。
2020年7月17日 記
株探ニュース