利益成長【青天井】銘柄リスト〔3-5月期〕 25社選出 <成長株特集>
2月期決算企業を中心とする20年3-5月期(3ヵ月決算)の決算発表がほぼ出そろった。本特集では、3-5月期に過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益成長“青天井”状況になっている銘柄にスポットライトを当てた(7月17日現在)。
下表では、時価総額50億円以上の銘柄の中から、本決算月にかかわらず、20年3-5月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益を上回る見通しを示している25社を選び出し、3-5月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはアレンザホールディングス <3546> 。3-5月期(第1四半期)は新型コロナウイルス感染拡大の影響でマスクや除菌関連商品、衛生用品が好調だったほか、外出自粛要請が続く生活環境のなか、DIY関連商品やペット関連商品の販売も大きく伸びた。また、チラシなどの販促活動自粛による広告宣伝費の減少や経費削減を進めたことも寄与し、経常利益は過去最高を2.5倍も上回る28.4億円に拡大して着地。上期計画の26億円をすでに上回っており、業績上振れが濃厚視される。株価は約1年7ヵ月ぶりの高値圏を快走する展開が続く。
選出リストでは、アレンザHDを筆頭に、ホームセンターや食品スーパー、ドラッグストア、ディスカウントストアなど、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり消費などの恩恵を受けた小売業が半数以上を占めた。株価も上値を追うケースが多く見られ、コーナン商事 <7516> 、リテールパートナーズ <8167> 、大黒天物産 <2791> 、ライフコーポレーション <8194> 、コスモス薬品 <3349> 、ニトリホールディングス <9843> 、クスリのアオキホールディングス <3549> はいずれも決算発表後に上場来高値をつけている。
小売業以外に目を移すと、10位のPR TIMES <3922> は主力のプレスリリース配信サイトの新規利用企業数が大幅に増加し、3-5月期(第1四半期)は過去最高だった前年同期を38.5%上回る2.7億円に膨らんだ。上期計画の2.4億円をすでに超過しており、業績上振れは有力とみられる。決算と同時に、8月4日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことも好感され、株価は連日のストップ高を演じ約2年ぶりに上場来高値を更新している。
12位に入ったクリーク・アンド・リバー社 <4763> の3-5月期(第1四半期)は、国内クリエイティブ分野で主力のテレビ、ゲーム、Webの派遣・請負事業に加え、YouTubeや電子書籍などのライツ事業が伸びた。韓国のテレビ局向け派遣事業を今期から再連結化した効果も売上高を押し上げた。また、新規事業が着実な進展により損益が改善したほか、働き方の見直しや徹底的な無駄の排除による販管費の抑制も大幅増益につながった。
続く13位にリストアップされたのは電子書籍取り次ぎ最大手のメディアドゥ <3678> 。3-5月期(第1四半期)は外出自粛に伴う巣ごもり需要の増加や紙本から電子書籍への移行の進展を追い風に、主力の電子書籍流通事業の収益が大きく伸び、売上高202億円(前年同期比31.3%増)、経常利益7.3億円(同61.0%増)と業績高変化をみせ、いずれも過去最高を大きく塗り替えた。
19位にリスト入りした漬け物業界トップのピックルスコーポレーション <2925> は内食需要や健康志向の高まるなか、キムチがテレビ番組で取り上げられたことなどを受け、主力の「ご飯がススムキムチ」などキムチ製品を中心に販売が大きく伸びた。天候不順で原料価格が上昇したものの、増収効果や生産アイテムの集約化による生産効率化などで吸収し、3-5月期(第1四半期)は前年同期比で2ケタ増収増益を達成している。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 3-5月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3546> アレンザHD 152 2848 1132 6.0 4000 3773 15.9
<3080> ジェーソン 92.1 536 279 33.1 1050 789 16.6
<7516> コーナン 68.5 10307 6116 1.5 19200 18919 10.1
<7818> トランザク 66.8 1111 666 10.2 2283 2072 18.9
<8167> リテールPA 63.1 3129 1918 13.3 7000 6181 21.5
<3050> DCM 57.7 11672 7401 0.5 20200 20107 13.9
<2791> 大黒天 52.7 2728 1786 2.4 6295 6149 22.1
<8194> ライフコーポ 51.2 8829 5839 16.8 17000 14558 21.2
<8203> MrMax 42.2 1361 957 8.7 3216 2959 12.3
<3922> PRTIME 38.5 277 200 34.5 753 560 33.0
<9842> アークランド 36.3 4187 3072 3.3 11000 10647 14.5
<4763> C&R 34.4 1062 790 23.6 2600 2103 17.5
<3678> メディアドゥ 33.9 734 548 13.6 2000 1761 69.3
<9974> ベルク 28.1 4485 3500 6.8 11832 11077 20.1
<3349> コスモス薬品 28.1 10361 8091 0.1 31600 31562 33.7
<3194> キリン堂HD 22.1 1716 1405 11.8 4150 3711 14.6
<9843> ニトリHD 21.6 37361 30722 3.4 113300 109522 33.4
<3549> クスリアオキ 21.2 5483 4523 0.4 16900 16829 25.8
<2925> ピックルス 19.5 937 784 2.8 2028 1973 12.9
<9740> CSP 18.3 1498 1266 3.5 4800 4639 18.3
<4397> チムスピ 16.7 112 96 7.8 263 244 290
<2742> ハローズ 12.0 1907 1703 1.7 5400 5312 19.6
<2471> エスプール 6.6 599 562 22.3 1988 1626 43.7
<2303> ドーン 3.7 139 134 5.0 333 317 31.8
<6199> セラク 1.7 301 296 5.8 780 737 38.1
※ 2019年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業、最終赤字を見込む企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース