株価指数先物【引け後コメント】CTAの売りを日銀ETF買い入れで吸収できず、ショートスタンスに向かいやすい

市況
2020年7月29日 17時47分

大証9月限

日経225 22340 -270 (-1.19%)

TOPIX 1546.0 -20.0 (-1.27%)

日経225先物は、前日比270円安(-1.19%)の2万2340円で取引を終了。ハイテク株主導による米国市場の下落に加え、為替市場の円高が重荷となり、寄り付きは2万2530円とシカゴ先物清算値(2万2515円)にサヤ寄せして始まった。現物の寄り付き直後に2万2550円を付けた後は弱含みの展開となり、前場半ばには2万2430円まで下げ幅を広げた。

前引けのTOPIXが0.86%の下落となり、日銀のETF買い入れによる需給面での下支えが期待されたが、決算が評価されていた東京エレクトロン<8035>が下げに転じたほか、ファナック<6954>や信越化学工業<4063>、キヤノン<7751>などが決算を受けて弱含みの展開となり、日経平均株価の重荷となった。後場に入ってもじり安基調が続き、2万2340円と本日の安値で取引を終えた。

東京エレクトロンの買い一巡後の弱い値動きについてはある程度想定されていたが、米民主党下院議長のペロシ氏が共和党の経済対策法案は上院を通過しない見通しを示したと伝わったこと、さらに格付け会社フィッチが日本の格付け見通しを安定的から弱含みに変更したことも模様眺めムードを強めている。

また、テクニカル面では支持線として意識されていた25日移動平均線を明確に割り込んできたことで、日銀のETF買い入れによる需給を上回るポジション圧縮に押された格好だろう。テクニカル面ではこれまでのボトム水準である2万2200円のほか、200日移動平均線が位置している2万2000円処が意識されてくる。ボトム水準では押し目を狙うスタンスとなろうが、それまでは戻り売りスタンスに向かわせよう。

また、決算発表が本格化する中、主要企業の決算反応がさえないため、アク抜け感が出にくい。米国ではFANG銘柄の決算を控えていることもあり、決算反応次第ではグロース株からの資金流出が意識されてくる流れとなり、調整色が強まる相場展開が警戒されやすい。

なお、手口面では、日経225先物はクレディスイスが1900枚、野村が840枚程度の売り越し。対してABNアムロが1180枚程度の買い越し。TOPIX先物はクレディスイスが1740枚、ドイツが990枚程度の売り越し。一方で大和が4460枚程度の買い越しだった。大和から日銀のETFに絡んだ買いが入る一方で、日経225先物、TOPIX先物ともにクレディスイスの売りが目立っており、CTA経由と観測される。

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