来週の株式相場戦略=“波乱の8月相場”のアノマリー警戒も
来週の東京株式市場は、下げ渋りながらも軟調な展開か。予想レンジは2万1300~2万2100円。
31日の日経平均株価は前日比629円安の2万1710円と約1カ月ぶりに2万2000円を割り込んだ。為替の円高や、新型コロナウイルス感染者数の増加を嫌気する売りが膨らんだ。特に、「海外勢などが東京市場でヘッジ売りを出したことも下げ幅を拡大させたようだ」(市場関係者)との見方も出ている。
来週からは8月相場が始まる。ただ、「8月は1年のうちで日本株のパフォーマンスが最も良くない月」(アナリスト)だという。特に過去10年間、海外投資家の売り越しが続いているほか、円高基調となることも多い“特異月”だ。外国人売りによる「株安・円高」というアノマリー(経験則)が意識されるなか、波乱展開が続くことが警戒されている。
ただ、8月の波乱相場は前倒しされて、7月下旬からすでに始まっているとの見方もある。日経平均株価は直近の下落で、騰落レシオは75に低下し過熱感はなく、むしろ買い余地が出ている。日経平均株価は「6月安値の2万1500円を下値、同月高値の2万3000円を上値とする往来相場」にあり、いまはその下限を確かめている状況ともいえる。
その意味で、来週末の7日に予定されている米7月雇用統計は注目される。その結果が悪ければ、本格的な8月の円高と株安があるかもしれない。来週は、国内新型コロナ感染者数と3日に発表される米7月ISM製造業景況感指数を含め、米景気指標などが関心を集めそうだ。また、米国の追加経済対策が成立するかも要注目だ。
来週の決算発表では、4日のソニー<6758>や5日のレーザーテック<6920>、6日のトヨタ自動車<7203>などが注目されている。3日にモダリス<4883>、7日にティアンドエス<4055>が、ともに東証マザーズに新規上場する。
(岡里英幸)