話題株ピックアップ【夕刊】(2):パンパシHD、トレンド、SBG
■パンパシHD <7532> 2,510円 +188 円 (+8.1%) 本日終値
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>が前日比11.7%高の2594円まで上値を伸ばし、上場来高値を更新した。12日の取引終了後、21年6月期の連結経常利益は前期比1.1%増の760億円と12期連続で過去最高益を更新する見通しだと発表しており、これを好感する買いが入った。今期は国内でファミリー向け総合ディスカウントストアを主軸に店舗開発するとともに、ドン・キホーテとユニーのダブルネーム業態転換を進める。また、海外では米国と東南アジアを中心に積極出店する計画で、訪日外国人客の減少による免税売上高の急減を補う。業績好調を踏まえ、今期の年間配当は前期比1円増の16円と17期連続の増配を見込む。なお、同時に発表した20年6月期の経常利益は前の期比10.2%増の751億7300万円だった。
■光通信 <9435> 25,220円 +1,810 円 (+7.7%) 本日終値
光通信<9435>が後場急動意し、一時1900円を超える大幅高に買われる場面があった。同社は中小企業向けを中心とした光回線サービスのほか、個人向けウォーターサーバーなども展開している。きょう前場取引終了後に20年4~6月期の決算を発表、営業利益は前年同期比8.6%減の224億8100万円と減益だった。しかし、市場では「今第1四半期の減益は織り込み済み、しかも事前のコンセンサスを大幅に上回ったことから、仕掛け的な買いが流入した」(国内証券アナリスト)という。信用買い残は枯れ切った状態で、実需の売り圧力も乏しく上値の軽さが際立っている。
■日本新薬 <4516> 8,780円 +560 円 (+6.8%) 本日終値
日本新薬<4516>が大幅高。同社はきょう、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「ビルテプソ」について、米国食品医薬品局(FDA)から販売承認を受けたと発表しており、これが材料視されたようだ。デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、筋肉細胞を支えるジストロフィンタンパク質の遺伝子変異により、正常なジストロフィンタンパク質が産生されず筋力が低下する進行性の遺伝性筋疾患。ビルテプソは日本国内では今年3月に厚生労働省から製造販売承認され、5月から販売及び情報提供活動を開始している。
■シノケングループ <8909> 946円 +60 円 (+6.8%) 本日終値
シノケングループ<8909>が大幅高で3日続伸。12日の取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の1.1%にあたる37万5000株または3億円を上限に自社株買いを実施すると発表しており、株主還元の拡充を好感する買いが入ったようだ。同時に20年12月期上期(1~6月)の連結業績を発表。売上高461億5100万円(前年同期比9.1%減)、経常利益39億1100万円(同29.7%減)となり、7月31日に業績修正した数値とほぼ同じ内容で着地した。下期は上期に予定していた私募REIT組成に伴う組み入れ物件を売却する計画としており、通期業績予想は据え置いている。
■パーソルHD <2181> 1,739円 +105 円 (+6.4%) 本日終値
パーソルホールディングス<2181>は大幅続伸し、一時前日比11.1%高の1815円に買われた。12日の取引終了後、第1四半期連結決算を発表しており、売上高2382億2200万円(前年同期比1.3%増)、営業利益91億1500万円(同9.4%減)、純利益46億7000万円(同14.6%減)と増収減益となったが、従来予想の営業利益15億~30億円に対しては大幅に上振れて着地したことが好感された。人材派遣事業で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による休業対象者が想定より大幅に減少したことや、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)領域における受託案件が増加したことが寄与した。なお、従来未定としていた21年3月期通期業績予想は、売上高9134億~9458億円(前期比5.9%~2.6%減)、営業利益180億~220億円(同53.9%~43.7%減)、純利益83億~111億円(同9.0%~45.8%増)の見通しを示した。
■バローホールディングス <9956> 2,563円 +141 円 (+5.8%) 本日終値
バローホールディングス<9956>が後場一段高となり、年初来高値を更新した。同社はきょう午後1時頃に、21年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比2.8倍の90億3800万円となり、上半期計画77億円を超過した。営業収益は同11.0%増の1830億200万円で着地。マスク・除菌関連商品や巣ごもり需要の拡大を背景に、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターの主要3事業が好調だった。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■サンドラッグ <9989> 3,945円 +195 円 (+5.2%) 本日終値
12日に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は12%増益で着地」が好感された。
サンドラッグ <9989> が8月12日大引け後(15:00)に決算を発表。21年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比11.8%増の108億円に伸び、4-9月期(上期)計画の155億円に対する進捗率は70.0%に達し、5年平均の49.8%も上回った。
■トレンドマイクロ <4704> 6,520円 +320 円 (+5.2%) 本日終値
12日に発表した「0.57%を上限に自社株買いを実施」が買い材料。
発行済み株式数(自社株を除く)の0.57%にあたる80万株(金額で50億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は8月13日から9月30日まで。
■ロート製薬 <4527> 3,555円 +155 円 (+4.6%) 本日終値
ロート製薬<4527>が3日続伸。大和証券は12日、同社株の投資判断を「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」へ引き上げた。目標株価は4100円(従来3480円)に見直した。11日に発表された第1四半期(4~6月)の連結営業利益は38億7800万円(前年同期比0.4%増)と同証券予想(23億5000万円)を大きく上回った。A&P費用(マーケティング費用)などが減少したことが、利益を押し上げたとみている。同証券では、「国内で高採算な付加価値品が継続的に伸長していることや、構造改革効果も含めた収益性の改善」を評価。21年3月期の連結営業利益は会社予想218億円(前期比5.6%減)に対して223億円への増額修正を見込んでいる。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,423円 +231 円 (+3.7%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が商いを伴い買いが優勢、7日ぶりの反発となった。売買代金は上場企業のなかで全市場を通じトップ。8月4日に7077円と実質約20年ぶりの高値をつけたが、その後は次第安の展開で今週は25日移動平均線を下回っていた。しかし、きょうは全体相場が先物を絡め大きく上昇するなか、インデックス買いなどを足場に久々に切り返しに転じた。目先調整一巡感からリバウンドを狙った個人投資家の買いも観測された。同社は保有株売却で現金化を進めているが、投資運用会社を立ち上げ上場株投資を始めると一部で報じられており、これも株価刺激材料となったようだ。株式需給面では、信用取組で直近買い残が増加し、売り残が減少しているが、信用倍率は1.1倍台と依然として拮抗した状態で買い戻し誘発となれば一段高も視野に入る。
株探ニュース