来週の相場で注目すべき3つのポイント:パウエルFRB議長発言、米中対立リスク、インターファクトリーIPO
■株式相場見通し
予想レンジ:上限23500-下限22500円
来週の日経平均は、上値の重さと手掛かり難が意識されつつも堅調な展開が見込まれる。米国の経済指標は強弱感が対立しており、日米市場ともに方向感がつかみにくくなっている。27日に米4-6月期国内総生産(GDP)改定値と「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演、28日に米7月個人所得・個人支出が予定されているが、為替の円高につながることになると、日経平均は一時的にせよ調整色を強めそうだ。
また、18日の日銀による上場投資信託(ETF)買い入れ額が803億円と前回5日の1003億円から減っていることも気掛かりだ。停滞する米追加財政政策の協議、実体経済の重石となる米中の対立、第2波が懸念される日本と欧州での新型コロナ感染拡大といった警戒材料は引き続き横たわっている。
ただ、日経平均の日足チャートを見ると、19日に75日移動平均線が200日線を上抜けるゴールデンクロスを示現し、これでチャートは長期の200日線を最下に75日移動平均線、25日移動平均線、そして5日移動平均線の順で並んで、テクニカル的には右肩上がりとなる理想的な形となっている。また、夏休みモードとなっていた海外勢が市場に戻ってくることが見込まれ、減退していた市場エネルギーも回復することが期待され、大幅な調整は想定しにくい。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。米国での新型コロナウイルスの感染流行が短期間で終息に向かう可能性は低いとみられており、持続的な景気回復への期待は低下しつつあることから、市場参加者の間では「連邦準備制度理事会(FRB)はいずれ追加の金融緩和策を検討する」との見方が根強い。19日に公表されたFOMC議事要旨(7月28-29日開催分)では、積極的な刺激策が従来見通しよりも長期間にわたり堅持される可能性が示されている。
米金融政策の見通しについて、市場参加者の関心は一段と高まっているが、27-28日に開催されるカンザスシティ地区連銀主催の年次経済シンポジウムにおいて、パウエルFRB議長は金融政策に関する講演を27日に予定しており、有力な手掛かり材料となりそうだ。7月開催のFOMC議事要旨にはイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)に否定的な見解が盛り込まれ、市場の金利低下期待は後退している。パウエルFRB議長の講演が金利低下につながる内容ではなかった場合、ドル売り圧力は弱まる可能性がある。
米国株式の上昇基調もドルの支援材料となろう。NY株式市場では、S&P500種やナスダック総合指数が過去最高値を更新する強気相場となり、株高がこの先も続けばドル売り・円買いを弱める要因となりそうだ。27日発表予定の4-6月期国内総生産(GDP)改定値は若干の上方修正が予想されており、市場予想とおおむね一致すれば、株買い・ドル買いに振れる展開もあり得る。
なお、米中両国は第1段階の通商合意を確認するための実務者レベルの会合が近く開かれる見通し。米政府関係筋によると、トランプ政権は米企業による中国国内でのWeChatの利用を承認するとみられており、米中関係悪化への懸念は和らぎつつあることから、リスク回避的な円買いは後退しそうだ。
■来週の注目スケジュール
8月24日(月):米・共和党全国大会(27日まで)など
8月25日(火):日・インターファクトリーが東証マザーズに新規上場、独・IFO企業景況感指数(8月)、米・消費者信頼感指数(8月)など
8月26日(水):米・耐久財受注(7月)など
8月27日(木):日・工作機械受注(7月)、米・GDP改定値(4-6月)、米・カンザスシティー連銀年次シンポジウム(28日まで)など
8月28日(金):米・個人所得(7月)、米・個人消費支出(7月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(8月)など
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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200822-00934012-fisf-market
米国株式市場見通し:パウエルFRB議長の講演に注目(8/22)
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200822-00934017-fisf-market
新興市場見通し:成長期待と好需給でマザーズ活況、IPOではインタファクトリ(8/22)
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200822-00933001-fisf-bus_all
注目の経済指標:4-6月期米GDP改定値は若干の上方修正か(8/22)
《YN》