27日の米国市場ダイジェスト:NYダウ160ドル高、 FRBのインフレ目標変更で低金利の長期化期待強まる

市況
2020年8月28日 8時05分

■NY株式:NYダウ160ドル高、 FRBのインフレ目標変更で低金利の長期化期待強まる

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は160.35ドル高の28492.27ドル、ナスダックは39.72ポイント安の11625.34ポイントで取引を終了した。注目されたパウエルFRB議長の講演ではインフレ目標変更で物価2%超も容認する新指針が発表され、長期にわたる低金利維持の思惑がさらに強まり、大きく上昇して寄り付いた。その後、一時伸び悩む局面もあったが、トランプ政権がアボットが開発したウイルス検査キットを1.5億個購入すると発表、ウイルス検査の拡大期待が強まり、引けにかけて再び上昇幅を拡大する展開となった。一方、ハイテク株は利益確定売りにおされた。セクター別では食・生活必需品小売りや銀行が上昇した一方で、メディア娯楽が売られた。

米医療機器大手アボット・ラボラトリーズ(ABT)は、同社開発の新型コロナウイルスの検査キットが米食品医薬品局(FDA)の緊急承認を得たと発表し急伸。小売り大手ウォルマート(WMT)はソフトウエアのマイクロソフト(MSFT)と中国の動画投稿アプリ、ティックトック米国事業の共同買収を目指す計画を発表し、両社とも上昇。一方で、同社買収の検討が報じられていたオラクル(ORCL)は下落した。台所・家庭用品小売のウィリアムソノマ(WSM)は、決算が予想を上回ったものの見通しを示さず下落した。

追加財政策を巡りトランプ政権は規模を縮小し、失業者や中小企業を支援する5000億ドル規模の案を提示したものの、民主党のペロシ下院議長は共和党案には屈しないとしており、合意にいたる兆候はまだ見られない。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:米長期金利上昇でドル買い強まる

27日のニューヨーク外為市場でドル・円は105円61銭へ下落後、106円70銭まで上昇して106円58銭で引けた。パウエルFRB議長は米カンザスシティ連銀主催の経済シンポジウムで講演を行い、FRBの物価2%超も容認する新指針を発表した。長期にわたるゼロ金利維持の思惑が一段と強まり米債利回りの低下に伴うドル売りが先行したが、インフレ上昇の思惑で債券利回りは上昇に転じたことから、ドル買いが再燃した。

ユーロ・ドルは、1.1901ドルまで上昇後、1.1763ドルへ反落して1.1821ドルで引けた。ユーロ・円は、125円14銭から126円09銭まで上昇。リスク選好の円売りが強まった。ポンド・ドルは、1.3284ドルまで上昇後、1.3162ドルへ下落。ドル・スイスは、0.9036フランまで下落後、0.9124フランまで上昇した。

■NY原油:下落で43.04ドル、ユーロ安を意識した売りが入る

NY原油先物10月限は下落(NYMEX原油10月限終値:43.04 ↓0.35)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は、前営業日比-0.35ドルの1バレル=43.04ドルで取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは42.36ドル-43.50ドル。27日のアジア市場で43.50ドルまで買われた後は弱含み。ニューヨーク市場ではユーロ安を意識して日中安値の42.36ドルまで下落した。ただ、原油需要増大の思惑が浮上したことから、時間外取引で43.11ドルまで反発。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 26.05ドル +0.49ドル(+1.92%)

モルガン・スタンレー(MS) 52.61ドル +0.90ドル(+1.74%)

ゴールドマン・サックス(GS)210.15ドル +2.93ドル(+1.41%)

インテル(INTC) 49.40ドル -0.15ドル(-0.30%)

アップル(AAPL) 500.04ドル -6.05ドル(-1.20%)

アルファベット(GOOG) 1634.33ドル -18.05ドル(-1.09%)

フェイスブック(FB) 293.22ドル -10.69ドル(-3.52%)

キャタピラー(CAT) 143.37ドル +1.54ドル(+1.09%)

アルコア(AA) 14.84ドル -0.23ドル(-1.53%)

ウォルマート(WMT) 136.63ドル +5.93ドル(+4.54%)

《ST》

提供:フィスコ

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