PSSが急落、20年6月期営業損益は計画下振れで赤字に転落
プレシジョン・システム・サイエンス<7707>が急落している。先週末28日の取引終了後に発表した20年6月期連結決算が、売上高50億6700万円(前の期比15.7%増)、営業損益8200万円の赤字(前の期1億6300万円の黒字)、最終損益1億1400万円の赤字(同1億3000万円の黒字)となり、従来予想の営業利益3000万円を下回って着地したことが嫌気されている。
世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、全自動PCR検査装置やDNA自動抽出装置とそれらに付属する消耗品などの販売が好調に推移し、売上高は従来予想の46億円を上回った。ただ、 試薬量産コストダウンの積極的な設備投資により減価償却費が増加したことや全自動PCR検査システムの開発費用などがかさみ、営業赤字転落となった。
なお、21年6月期業績予想は、売上高77億円(前期比52.0%増)、営業利益5億円、最終利益4億円を見込む。全自動PCR検査システムやDNA自動抽出装置が引き続き牽引役となる見通し。一方で、積極的な設備投資に伴う償却費負担などが膨らむものの、売上高の増加で吸収する見通しだ。
同時に23年6月期を最終年度とする中期事業計画を発表しており、売上高100億円、営業利益10億円を目指すとした。製品製造拡大のための大館第2工場の設立に加えて、PCR試薬事業の推進などで目標達成を狙う。