話題株ピックアップ【夕刊】(2):東エレク、ITbook、クロスプラス
■東京エレクトロン <8035> 26,400円 -1,010 円 (-3.7%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>が続落。米国株市場ではこれまで相場を牽引していたハイテク株に利益確定の動きが広がっている。半導体関連も前週末はアプライドマテリアルズが続落となるなど下値を探る動きで、フィラデルフィア半導体株指数も続落した。東エレクは半導体製造装置の国内トップメーカーとして、東京市場で同関連の象徴株的位置づけで買われてきたが、足もとは変調な米国株市場を横目に中長期波動の分水嶺である75日移動平均線近辺まで水準を切り下げており、正念場を迎えている。
■カナモト <9678> 2,263円 -74 円 (-3.2%) 本日終値
カナモト<9678>が反落。前週末4日の取引終了後、20年10月期の連結業績予想について、売上高を1827億円から1779億円(前期比1.5%減)へ、営業利益を161億円から137億円(同23.2%減)へ、純利益を99億円から80億円(同30.0%減)へ下方修正したことが嫌気された。公共投資は堅調に推移することが見込まれる一方、民間建設投資は工事の中止や延期などが顕在化し、本格的な建設機械のレンタル需要の回復にはやや時間がかかると予想されることが要因。また、人財投資や災害復旧向けに追加した設備投資の増加に伴う減価償却費の負担増も影響するとしている。なお、同時に発表した第3四半期累計(19年11月~20年7月)決算は、売上高1329億6100万円(前年同期比0.6%減)、営業利益106億5800万円(同19.4%減)、純利益61億4300万円(同28.1%減)だった。
■国際石油開発帝石 <1605> 640.1円 -4.8 円 (-0.7%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>など資源開発関連株が軟調。前日の米国株市場では主要株価指数が続落したほか、リスク回避の流れが原油市況にも波及し、WTI原油先物価格は1ドル60セント安と急落、1バレル=39ドル77セントとフシ目の40ドル大台を割り込んだ。これを受けて米国株市場ではシェブロンが続落、エクソンモービルは5日続落と下落基調を強めており、東京市場でもこの流れを引き継いで原油価格と株価連動性の高いセクターに売りがかさんだ。
■パートナーエージェント <6181> 235円 +50 円 (+27.0%) ストップ高 本日終値
パートナーエージェント<6181>がストップ高。前週末4日の取引終了後、SKE48の古畑奈和さん・熊崎晴香さん・高畑結希さんと人気ゲーム実況者の加藤純一さんを起用したスペシャルムービーの総再生回数が100万回を突破したと発表しており、これが好材料視された。公開された全10本の動画では、SKE48の3人が同社の成婚コンシェルジュに弟子入りし、結婚相談所サービスを紹介。また、YouTubeチャンネル登録者数約60万人の人気ゲーム実況者である加藤純一さんも登場し、同社のサービスを体験し、本気の婚活に挑戦している様子を見ることができるという。同スペシャルムービーで、これまで婚活サービスや結婚相談所を知らなかった人々からの好評の声や、来店や資料請求を受けたという声もあるといい、会員増などが期待されている。
■ITbook <1447> 630円 +100 円 (+18.9%) ストップ高 本日終値
ITbookホールディングス<1447>がストップ高に買われたほか、クロスキャット<2307>も一時17%高と急騰、政府が注力するマイナンバー関連株に集中的に買いが集まった。自民党の次期総裁として有力視される菅官房長官はデジタル化による地方への都市機能の移転などを主張、自治体に強いITソリューション関連株に改めて注目が集まっているほか、安倍政権が力を入れマイナポイント事業スタートなどで普及本格化を目指すマイナンバー関連でも、ITbookをはじめ一部の銘柄に商機が膨らむとの見方が投資マネーを誘導している。
■クロスプラス <3320> 753円 +100 円 (+15.3%) ストップ高 本日終値
クロスプラス<3320>がストップ高。前週末4日の取引終了後、21年1月期の連結業績予想について、売上高を495億円から570億円(前期比2.6%減)へ、営業損益を10億円の赤字から4億円の黒字(同23.2%減)へ、最終損益を11億円の赤字から3億円の黒字(同51.8%減)へ上方修正したことが好感された。衣料品の消費動向の回復は見通しづらいものの、企画力を生かした衣料品でのイエナカ需要の取り込みや、ファッションマスクや生活雑貨などのウィズコロナ関連商品の販売を強化することが業績を押し上げる見通し。また、業績予想の修正に伴い、従来は中間・期末各4円の年8円を予定していた配当予想を中間・期末各6円の年12円にするとあわせて発表したことも好材料視された。
■北日本紡績 <3409> 758円 +100 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値
北日本紡績<3409>がストップ高。4日の取引終了、新型コロナウイルス感染拡大防止対策の取り組みとして、抗菌・抗ウイルス糸の研究開発を開始したと発表しており、これが好材料視された。当面は高選択光触媒による抗菌・抗ウイルス機能を有する紡績糸の開発に注力し、次のステップとして編、織、染の段階を北陸3県の地元企業とタイアップし、看護服、インナーウェア、タオル類、カーシートなどの最終製品化を目指すとしている。あわせて、新たな事業としてプラスチック製品のリサイクル事業を開始するとも発表しており、これも好材料視された。使用済みペットボトルをポリエステル短繊維に加工し、糸製品を製造販売するほか、ストレッチフィルム(ポリエステル)をPET製品に再生する。更に、自動車解体時に出る自動車用エアバッグ、エアバックメーカーから出る廃材・端材などをナイロン製品に再生するとしている。同時に、株主割り当てによる新株発行を実施する。所有株式1株につき1株を交付し、発行価格は1株につき70円。調達資金約6億3000万円は、テキスタイル事業の原材料の調達やヘルスケア事業のマスク製造設備の投資及び原材料の調達、リサイクル事業の立ち上げ、紡績糸の研究開発費用及び運転資金に当てるとしている。
■ジオスター <5282> 366円 +33 円 (+9.9%) 本日終値
ジオスター<5282>が6日続伸。前週末4日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を308億円から309億円(前期比11.0%増)へ、営業利益を8億円から11億円(同21.6%減)へ、純利益を5億円から7億4000万円(同40.2%増)へ上方修正したことが好感された。プロジェクト構成などで売上高が上振れる見通しのほか、徹底したコスト削減を行っていることが要因としている。なお、未定としていた配当予想については、中間配当は前年同期同様に無配とし、期末配当は引き続き未定としている。
■パイプドHD <3919> 1,718円 +126 円 (+7.9%) 本日終値
パイプドHD<3919>が全体下げ相場に逆行して急反発。顧客情報管理ソフトをクラウドで提供するが、主力の「スパイラル」は大企業から中小企業に至るまで幅広くユーザー層を獲得しており収益を牽引、このスパイラルを軸に各種アプリケーションも開発し業容を広げている。新型コロナウイルスの感染拡大が警戒されるなか、バーチャル株主総会システムなども手掛け株価の刺激材料となっている。なお、21年2月期の最終利益は非上場株式の売却に伴い従来予想から増額し一転して増益見込み。レンジ予想で前期比2~16%増の7~8億円を予想している。
株探ニュース