話題株ピックアップ【夕刊】(1):郵船、アンジェス、BASE

注目
2020年9月9日 15時12分

■アレンザHD <3546>  1,411円  +121 円 (+9.4%)  本日終値  東証1部 上昇率5位

アレンザホールディングス<3546>が大幅反発。8日の取引終了後に発表した8月度の既存店売上高は前年同月比15.1%増となり、7カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数が同8.6%増となったほか、客単価は同5.9%増と4カ月連続で伸びた。なお、全店ベースの売上高も同17.7%増と好調を維持し、中間期(3~8月)の全店売上高は前年同期比14.9%増となった。

■アミューズ <4301>  2,538円  +111 円 (+4.6%)  本日終値

アミューズ<4301>やエイベックス<7860>が後場上げ幅を拡大。複数のメディアで、「政府が新型コロナウイルス対策として行っているイベント開催の人数制限について、9月末まで継続する予定だったが19日にも前倒しで緩和する方向で検討していることがわかった」と伝えられており、ライブエンターテインメントの開催がしやすくなるとの期待感から買われたようだ。

■日本郵船 <9101>  1,777円  +59 円 (+3.4%)  本日終値

日本郵船<9101>や商船三井<9104>、川崎汽船<9107>といった海運株が逆行高。野村証券は8日、国内海運大手3社のレーティングや目標株価といった投資評価を引き上げた。郵船のレーティングは「ニュートラル」から「バイ」に引き上げ、目標株価は1700円から2300円に見直した。商船三井は「バイ」を継続するとともに同株価を2600円から3100円に引き上げた。川崎汽は「リデュース」から「ニュートラル」とし、同株価を810円から1100円に見直した。郵船の投資評価見直しの要因として、(1)コンテナ業界が合従連衡の成果で柔軟な需給調整が可能となり、コンテナ船会社「ONE」が安定的に利益を創出できる体質へ変貌した(2)航空輸送事業は貨物スペースの減少による需給逼迫で赤字になった前3月期のようなリスクはなくなった――ことを挙げている。

■バローホールディングス <9956>  2,637円  +60 円 (+2.3%)  本日終値

バローホールディングス<9956>が4日ぶりに反発。午後1時ごろに発表した8月度の月次営業情報で、主力のスーパーマーケット既存店売上高が前年同月比10.5%増と2ケタ増となり、2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数は同1.1%減と苦戦したが、客単価が同11.7%増と上昇が続いた。なお、8月のドラッグストア既存店売上高は同6.7%増、ホームセンター既存店売上高は同13.2%増といずれも高い伸びとなった。

■アンジェス <4563>  1,522円  +26 円 (+1.7%)  本日終値

アンジェス<4563>が続伸。8日の取引終了後、新型コロナウイルス感染症向けDNAワクチンについて、大阪大学医学部附属病院での第1/2相臨床試験を予定通り開始したと発表しており、これが好材料視された。同試験は、ワクチンとして最適な接種間隔及び接種回数などを検討するのが目的で、接種完了後、経過観察を経て、大阪市立大学医学部附属病院及び大阪大学医学部附属病院での第1/2相臨床試験成績を総合的に判断する速報結果を第4四半期に発表するという。また同社は、米ブリッケル・バイオテック社(コロラド州)と新型コロナウイルス感染症DNAワクチンの共同開発契約を締結したと発表した。なお、20年12月期業績への影響は軽微としている。

■沖電気工業 <6703>  1,024円  +16 円 (+1.6%)  本日終値

沖電気工業<6703>は朝安スタートも切り返す展開。この日、画面に触れることなくタッチパネルを操作することを可能にする「ハイジニックタッチパネル」を開発したと発表しており、これが好感された。「ハイジニックタッチパネル」は、OKIのセンシング技術を活用し、従来は画面に指を触れていたタッチパネル操作を非接触で行えるようにしたもの。端末の操作画面に実装した特殊なタッチセンサーにより、利用者は画面の数センチメートル上に指をかざすことで操作ができるため、画面に触れずに取引を行うことが可能となる。また、利用者が誤って画面に触ってしまった場合への対策として、操作画面に抗菌フィルムを貼り付けることも可能としているという。非接触での画面操作を可能としたことで、ATM、自動チェックイン機、券売機、電子マネーチャージ機などさまざまな端末において、ウィズコロナ時代に適応した安心・安全なサービスを実現するとしている。

■BASE <4477>  9,980円  +50 円 (+0.5%)  本日終値

BASE<4477>がしっかり。岩井コスモ証券は8日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は1万1100円に設定した。同社は個人や小さなチーム向けの電子商取引(EC)ショップを作成できるBASEを運営。無料のBASEをテコに決済や金融サービスによって収益を得ている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府による4月の緊急事態宣言を契機にECショップ開設者が急増、月間GMV(流通取引総額)も急拡大した。同証券では、20年12月期の連結営業損益は、会社予想の0~5億円の黒字に対して11億5000万円の黒字(前期は4億4100万円の赤字)、21年12月期の同利益は21億円を予想している。

■マクロミル <3978>  809円  -54 円 (-6.3%)  本日終値

マクロミル<3978>が大幅反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8日付で、投資判断を「ニュートラル」から「アンダーウエート」へ、目標株価を800円から600円へ引き下げたことが嫌気された。同証券では、事業別の人的生産性(1人当たり売上収益)や従業員数の想定などから、売上収益と営業利益共に、中期(22年6月期~25年6月期)での前期比1ケタ増を予想しており、バリュエーションの切り上げは難しいと判断。また、21年6月期の営業利益予想を63億円から43億円へ、22年6月期を同68億円から45億円へ引き下げている。

■PCデポ <7618>  631円  -40 円 (-6.0%)  本日終値

ピーシーデポコーポレーション<7618>が4日続落。8日の取引終了後に発表した8月度の月次報告で、全店売上高が前年同月比1.8%減と5カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。オンライン学習、遠隔コミュニケーションに関連した商品やサービスニーズが継続的にあったものの、前年8月に消費増税前の駆け込み需要やWindows7サポート終了に伴うパソコン需要があった反動もあり伸び悩んだ。

■国際石油開発帝石 <1605>  627.7円  -19.8 円 (-3.1%)  本日終値

国際石油開発帝石<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>といった石油関連株が安い。8日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の10月限が前日比3.01ドル安の1バレル=36.76ドルと急落。一時、36.13ドルと6月中旬以来、約3カ月ぶり安値に売られた。サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコによるアジア向け原油販売価格引き下げなどが警戒された。原油価格の下落による業績悪化懸念で、この日は石油関連株への売りが先行している。

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