【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 国策のGo Toイート関連に乗れ!
「国策のGo Toイート関連に乗れ!」
●果たされる約束、安倍政権が残した課題への挑戦
誕生近い菅政権は、どんな政権になるのだろうか。安倍首相が突然辞任を表明した直後は、ポスト安倍は石破氏が有力との見方が圧倒的だったが、ご承知のように状況は急変した。
菅官房長官が自民党総裁候補に名乗りをあげた直後、私はすぐにそのキャリアを調べたが(作家の大下英治氏の著書を読んだだけだが…)、そこですぐに思ったのは、この人なら長期政権もあり得る、だった。
特に共感を覚えたのは、その履歴。秋田県の農家の長男として生まれ、高校卒業とともに上京し、段ボール工場で働きはじめたものの、このままでは未来が開けないと大学進学を決意。2年遅れで法政大学の二部に入学、魚河岸、新聞社の原稿運びなどのアルバイトをしながら卒業したという。
こんな「苦学生」生活を送った若者が当時は多数いて、特に菅氏が苦労したことにはならないだろう。しかし、鹿児島の田舎出身の私は素直に共感してしまい、正直冷静な判断力を失っているのかもしれない。
それでも、これまで安倍首相のサポート役として実績を積んで来たことと考え合わせると、菅氏の実務能力は相当に高く、目先コロナ禍を克服したら、安倍政権がやり残した規制緩和を中心に日本経済の再生に尽力してくれると見てよい。
すでに菅氏自身、安倍政権が推進してきた政策を継承すると明確に表明しているので、約束は果たすだろう。
●「Go Toトラベル」に続く注目テーマはやはり「Go To…」
率直なところ、アベノミクスは数年前に流行った歌のように、もう古いヒットソングになっている。そこで菅氏が掲げはじめたのが、デジタル庁の設置。これは5GやIoTなどの活用を含むDX(デジタルトランスフォーメーション)などの普及促進を推進、サポートする機関。それを設置して、世界に立ち遅れているこの分野を強化して行く、ということになる。
もちろん、それはぜひ取り組むべきことであり、首相に就任したらあまり時間を置くことなくデジタル庁を設置、実務に取り組んでほしいものだ。ただ、このような新事業への注力は、投資の対象としては取り扱いが非常に難しい。
中身がよく分からないからだ。そこで、投資対象としては引き続きGo Toトラベル関連株が取り組みやすい。しかし、この分野については、すでに数回取り上げてしまっているので、他に目を向けると飲食店や食品関連株がある。
農水省は飲食業界を支援する「Go Toイート」を推進する方向だ。国交省がGo Toトラベルキャンペーンの推進で注目を集めているのに対し、遅れを取っていると考えたかどうかは分からないが、事業内容は「ぐるなび」などのグルメサイトで予約してから食事をすると、1回につきランチでは500円分、ディナーでは1000円分のポイントがもらえる方式となる。
今後、参加する飲食店の登録を始めることになるだろうが、正直効果のほどは予測困難だ。それでも何もしないよりは飲食店、食品業界にとってはプラスになると見てよい。
そこで注目は、まずはカゴメ <2811> になる。「野菜生活シリーズ」の需要は好調だったものの、業務用が不振に陥っていた。しかし、今後はGo To イートのサポートにより販売増が見込める。
同じ観点からユニカフェ <2597> になる。レギュラーコーヒーの焙煎、加工に強く、今後カフェチャーン向け出荷が回復するだろう。
宝ホールディングス <2531> も、「焼酎」の家飲み需要が好調だったものの、業務用は不振に陥っていたが、今後復調はほぼ間違いないことを考えると株も期待が持てる。
飲食店自体にも目を向けると、イタリア料理に強いサイゼリヤ <7581> 、高級フランス料理レストラン経営のひらまつ <2764> がある。
ただ個人的には、まずは寿司屋に行きたいので、くら寿司 <2695> がある。カレー好きが行くと思われるのは壱番屋 <7630> なのでこれまた有望だ。飲食、食品以外では、住宅関連の住友林業 <1911> 、プロパティエージェント <3464> が魅力的だ。
以上を総合すると、なんのことはない。投資の常道、“国策に乗れ”になる。
2020年9月11日 記
株探ニュース