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カーシェアとマイカー、30年の支出差は「800万~2100万円」+αの例も

特集
2020年9月17日 10時00分

清水香の「それって常識? 人生100年マネーの作り方」-第13回

試算の前提は以下の表に示しています。自家用車は日産自動車<7201>のコンパクトカーを購入し、7年に1度買い替えた場合。カーシェアの例はカレコ・カーシェアリングクラブのベーシックプランで、コンパクトカーを利用した場合で試算しました。

比較は2つの利用法を想定しました。1つは日々の買い物や家族の送迎などを、メーンとする日常利用。もう1つは、平日は乗らず、週末に日帰りのレジャー利用をメーンとする場合です。

日常利用では、1カ月に25日、1回あたり1時間・10km、
レジャー利用では、1カ月に4回、1回あたり24時間・200km

――の条件としました。

■自家用車とカーシェアのコスト比較

【前提】

自家用車 カーシェア
車種 日産 ノート Xグレード 契約 ベーシックプラン
価格 約155万円 月額基本料 980円
ローン返済額 1万9780円/月 * 利用するクルマ コンパクトカー
自動車税 2542円/月 利用料金体系
自賠責保険代 863円/月 ほぼ毎日の場合 時間+距離-割引料金
駐車場 3万円/月 ほぼ毎週末の場合 24時間パック-割引料金
車検代 2143円/月 **
任意保険料 換算せず

出所:カレコ・カーシェアリングクラブのウェブサイトのシミュレーション

注 *  頭金・ボーナス払いなし・3年ローン・金利4.475%。** グリーン化特例は考慮せず。*** 東京23区の平均額

【利用形態別】

利用形態 期間 ほぼ毎日(月25回) ほぼ毎週末(月4回)
距離 10km/回 200km/回
時間 1時間 24時間
マイカー  5万8100円
=保有コスト+ガソリン代(2731円)
 6万4100円
=保有コスト+ガソリン代(8740円)
年間  約70万円 約77万円
30年分  約2900万円  約2300万円
カー
シェアー
 2万1000円
 月会費980円+時間料金2万1000円
 +距離料金0円-割引980円
 4万2000円 *
 月会費980円+時間料金2万9200円
 +距離料金1万2800円-980円割引
年間  約25万円  約50万円
30年分  約750万円  約1500万円

出所:カレコ・カーシェアリングクラブのウェブサイトのシミュレーション

試算の結果は、いずれのパターンでも圧倒的にカーシェアがコスト安。30年の積算で考えるとその差は1000万円を軽く超えるケースもあります。マイカー所有をするかどうかは、100年マネーの構築にも大いに影響するのです。

表には、人により保険料差が大きい任意自動車保険を含めていませんが、これも計算に入れると差はさらに開きます。

たとえば一般車両保険がセットされた手厚い自動車保険の契約をする場合、22歳なら年約24万円、50歳では年10万円分がさらにアップします(セゾン自動車火災「おとなの自動車保険」で試算した場合)。

なお、自動車保険には等級別割引制度があり、翌年度以降の保険料が変動します。事故がなければ保険料は下がる一方、ひとたび事故を起こすと大幅な負担増にも。

自動車保険も含めた保有コストは、この場合年間80~100万円といったところ。ですが、毎日使おうと、週末ドライバーだろうと、コストはさほど変わりません。結局は保有コストが重いのです。そのうえ「バッテリーが上がるから」と用もなく乗れば、ますますコストアップしてしまいます。

スマホやパソコンから簡単に予約、時間延長、キャンセルなどが可能に

もちろん自家用車を持つ、持たないはコストだけで決められるものではありません。クルマが好きで実用性のみならず趣味の一環になっている人にとっては、費用以上の価値を感じるものです。

またカーシェアは都会では利用しやすいですが、地域によっては利用するのに時間と労力がかかる場所もあり、この場合は自家用車を持つほうが便利でしょう。

そうした点を踏まえて、都会に住み、コストを重視してカーシェアに切り替えるべきか検討する人に、使い方を簡単に説明します。

近隣にカーステーションがあれば、マイカーに近い使い方ができます。レンタカーと異なり自ら店頭に出向く必要がなく、Webでクルマの予約をして、時間になったらカーステーションに行き、交付されたICカードや「スイカ」などの交通系ICカード等を用いて解錠し、これで乗車できます。

自分の予約した時間以降の予約が入っていなければ、スマホの操作や電話などで利用時間の延長ができます。また運転前のキャンセルもスマホやパソコン、電話で行えます。

利用料金はクレジットカード等で後日精算。初期費用や月会費は事業者によりかかる場合とかからない場合があり、かかってもその分を利用料金として使えるところもあります。会員になるときは、ウェブサイトや郵送、説明会など、いくつかの方法で手続きできます。

保険料やガソリン代はすべて利用料金に含まれており、給油が必要なときは車内にあるカードを用いて無料で給油もできます。ルールは事業者によって異なりますが、概ねこのような流れで利用します。

筆者の利用例では、20回使って月6400円の料金のときも

もうおわかりと思いますが、私も利用者のひとりです。現在の仕事を始めた20年前に自家用車を手放してからは、クルマを持たない生活でした。が、子どもがケガを負い、学校や塾への送迎が必要に。

7年前にはすでに、現在のタイムズカーシェアのステーションが自宅から徒歩3分圏内に4カ所、5分圏内だとさらに5カ所もありました。これなら予約が取れないこともなかろうと即断、会員になりました。

当時の記録を見てみると、朝晩の送迎や通院など、20分程度の短時間でたびたび利用しています。8日間に20回ほど利用、利用料金は合計6400円と圧倒的な安さ。

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