【植木靖男の相場展望】 ─ 日米株価とも10月決戦か
「日米株価とも10月決戦か」
●株高へトランプ大統領が放つ大仕掛けの一手
日経平均株価は9月14日に2万3559円の戻り高値(終値ベース、以下同)をつけたものの、その後は気迷い商状に陥っている。とはいえ、大きく下げるわけではなく、一休止といったところ。
一方、TOPIXは日経平均よりもブレはなく、より優位な立場にあるようにみえる。このことは、今後の物色の方向性を考えるうえで見逃せない事実だ。
米国株はどうか。NYダウ平均はよく踏ん張っているが、ナスダック総合指数はこれ以上下げると、高値更新まで結構時間を要するとみざるを得ない。下げの中段の保ち合いなのかもしれない。
さて、日米株価の違いは何か。直近で言えば、NYダウは9月2日に2万9100ドルの戻り高値をつけている。だが、その後10日経過しても高値を更新していない。一方、日経平均は3日に2万3465円の戻り高値をつけたが、14日にはNYダウより一足早く、この高値を突破している。
これをみると、少なくとも直近では日経平均はNYダウよりしっかりしていると言えよう。もちろん、大勢では日本株は米国株に追随するのであるが、短期では日本株に分があるようだ。
さて、日本株を最終的には振り回す米国株だが、今後はどうみればよいのか。
米大統領選が迫る中、勝負の行方は混沌としているようだ。ここへきてトランプ大統領は選挙資金が枯渇しているとされる。彼のスポンサーは、いうまでもなくボーイング。だが、「737MAX」の2度に及ぶ墜落事故で資金を出す余裕はない。もう一人のスポンサーはサンズ・カジノ会長のシェルドン・アデルソンだ。これまた新型コロナウイルスの感染拡大でカジノに客は来ない。ラスベガスもマカオも閑古鳥が鳴いているとか。やはり資金を出すのは難しい。
そうした中、トランプ大統領が再選されるためには、とにかく株高が必至。おそらく10月に向けて大がかりな仕掛けをするはず、とみる関係者は多い。それはFRB(米連邦準備制度理事会)と結託して資金を一気に供給するというもの。FRB内部情報とやらが市場を席巻している。NYダウ3万ドル説の根拠だ。
●景気敏感、業界代表銘柄が台頭か
では、日本株はどうみたらよいのか。前回指摘したように、日柄からみて限界が近づいている。
とすれば、米国株価が10月にかけて急騰するなら、日本株も追随することになる。つまり、これまでの上昇相場が延長されることを意味する。最近ではこれほど長く延長することはなかった。今回はきわめて希である。
いずれにしても、日米株価とも10月決戦を迎えることになりそうだ。どこかで数日にわたる連騰があるはずとみたい。
さて、物色であるが、米国ではGAFAM(アルファベット=グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)の人気再燃が期待されるが、わが国ではTOPIXが徐々に日経平均に迫りつつある中、景気敏感株、具体的には業界を代表するような銘柄が台頭する気がする。
もっとも、短期的には個別の材料株物色となる可能性が高いとみる。
まず、丸和運輸機関 <9090>だ。アマゾンとの連携とともに次の利益成長を睨んだ新規事業に期待。次いで菅関連銘柄である、あすか製薬 <4514> に注目。不妊治療薬の将来性は大きい。また、ブイキューブ <3681> 。Web会議の成長は続く。株価はほどよく調整したようだ。
2020年9月18日 記
株探ニュース