前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年9月24日 5時20分

■ワタベ <4696>  396円 (+80円、+25.3%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。ワタベウェディング <4696> がストップ高。21日の複数のメディアで、政府が現在、少子化対策として行っている30万円を上限とする新婚世帯への費用補助について、21年度から最大60万円に倍増する方針を固めたと報じられており、ブライダル大手の同社にも恩恵を期待した買いが入ったようだ。

■鈴与シン <9360>  2,010円 (+400円、+24.8%) ストップ高

鈴与シンワート <9360> [東証2]がストップ高。同社はシステム開発会社でNTTデータ <9613> と協力して需要開拓を進めている。菅新政権ではデジタル行政の推進に積極的で、2021年秋までにデジタル庁の新設に取り組む構えが伝えられた。その際、業界最大手で元締め的な存在のNTTデータに商機が大きいとの見方も強く、NTTデータの2次請け開発を手掛ける鈴与シンワにも収益機会が高まるとの思惑が株価を押し上げた。また、同社は前週にビジネスチャットのAPI連携により、在宅勤務でも押印が可能なほか、ワークフロー処理の時間を大幅に短縮できる印鑑Bot「Biz-Oin(ビズ オーイン)」の提供を開始することを発表しており、これも引き続き株価の刺激材料となったもようだ。

■ビーグリー <3981>  2,027円 (+400円、+24.6%) ストップ高

東証1部の上昇率2位。ビーグリー <3981> がストップ高。同社は電子コミックなどを中心に電子書籍配信ビジネスを展開している。前週末18日取引終了後、総合出版社のぶんか社、海王社、新アポロ出版、文友舎、楽楽出版を傘下に持つNSSK-CC(東京都港区)の全株式を取得し、子会社化することを発表(取得価額は約53億円)しており、これによる業容拡大効果に期待した買いを呼び込む格好となった。

■ダントーHD <5337>  473円 (+80円、+20.4%) ストップ高

東証1部の上昇率3位。ダントーホールディングス <5337> がストップ高。23日の寄り前、米住宅金融子会社SREモーゲージ・アライアンス社が17日、アクソス銀行(カリフォルニア州)と月間1億ドルのクレジットライン契約を締結したと発表。これにより住宅ローン供給の総取扱金額の増加が可能となることから、これを好感した買いが入った。なお、同件が20年12月期業績に与える影響は軽微としている。

■東邦金 <5781>  915円 (+150円、+19.6%) ストップ高

東邦金属 <5781> [東証2]がストップ高。18日の取引終了後、同社と核融合科学研究所らの研究グループが、プラズマを利用した異種金属接合技術を新たに開発したと発表しており、これが好感された。今回開発に成功した新技術は、将来の核融合炉へ向けた開発研究の過程で生まれたもので、融点の高いタングステンと熱伝導性の高い銅合金など、性質の全く異なる金属の高品質な接合に成功したという。東邦金では交通・建設機器や、社会インフラを支える送電設備などに用いられる部品の性能向上など、産業分野への貢献を期待しているという。

■島忠 <8184>  3,380円 (+502円、+17.4%) ストップ高

東証1部の上昇率4位。島忠 <8184> がストップ高。ホームセンター大手のDCMホールディングス <3050> が、埼玉県などが地盤の島忠に対して株式公開買い付け(TOB)の検討を始めたとNHKや日本経済新聞など複数のメディアが報じたことを受け、同社株に買いが殺到した。18日夕方にTOBの検討を報じたNHKによると、DCMは島忠の50.1%を超える株式を取得して傘下に収める方向で最終調整を進めている、という。DCMの株価も18日取引終了後に業績予想の上方修正を発表したこともあり、23日は急伸した。

■Jテック・C <3446>  3,690円 (+475円、+14.8%)

ジェイテックコーポレーション <3446> [東証M]が続急騰。18日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、9月28日付で東証マザーズから東証1部へ市場変更されることになったと発表しており、TOPIX連動ファンドなどによる買い需要発生を先取りする形で買いが入った。同社は、国内外の研究・実験施設向けの高精度X線ナノ集光ミラーや自動細胞培養装置を開発・製造する研究開発型企業。21年6月期単独業績予想は売上高14億4300万円(前期比40.4%増)、経常利益2億3700万円(同7.0倍)を見込む。

■DCM <3050>  1,525円 (+178円、+13.2%)

東証1部の上昇率9位。DCMホールディングス <3050> が6連騰。18日の取引終了後、21年2月期の連結業績予想について、売上高を4381億円から4620億円(前期比5.6%増)へ、営業利益を210億円から301億円(同44.5%増)へ、純利益を130億円から195億円(同41.5%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要や在宅勤務の拡大など生活様式の変化に伴い、園芸用品、DIY用品などが売り上げを伸ばしたほか、猛暑の影響で季節商品も好調だった。また、19日付日本経済新聞朝刊で「島忠に対し株式公開買い付け(TOB)の検討を始めたことが18日、分かった」と報道したことも好材料視されたようだ。報道に対して会社側は、「当社の発表に基づくものではない。島忠も含め他社との提携・さまざまなM&Aの可能性を検討しているが、決定しているものはない」とコメントしている。

■ITbook <1447>  915円 (+102円、+12.6%)

ITbookホールディングス <1447> [東証M]が急騰。菅新首相はデジタル行政の加速を政策として掲げており、来年秋までに「デジタル庁」が新設される見通しが伝わった。また、菅氏は行政デジタル化のカギを握るのはマイナンバーカードとの認識を示しており、マイナンバーカード活用に関するコンサルティングで実績の高い同社株に改めてマーケットの注目が集まった。

■ケアネット <2150>  3,030円 (+289円、+10.5%)

ケアネット <2150> [東証M]が続急騰し、8月27日につけた年初来高値3120円の奪回を目前に捉えた。前週末18日も12%以上の上昇をみせており、ここにきて一気に人気が加速した。医療向け情報サイト「ケアネット・ドットコム」を運営しており、医師会員数は増勢一途にある。製薬メーカーの営業支援業務のほか動画配信による講演や医師向け教育コンテンツなど幅広く展開し、業界の需要を捉えている。前19年12月期まで4期連続で増収・大幅営業増益を継続。20年12月期営業利益は前期比3%増の6億2400万円を見込むが保守的とみられ、進捗率から大幅な上振れが有望視されている。

■ストライク <6196>  5,460円 (+450円、+9.0%)

ストライク <6196> が7連騰。18日の取引終了後、集計中の20年8月期単独業績について、売上高が62億7500万円から69億1600万円(前の期比36.2%増)へ、営業利益が22億3700万円から29億8100万円(同58.1%増)へ、最終利益が16億6700万円から22億200万円(同64.1%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。事業承継ニーズを中心にM&A市場が順調に拡大するなか、案件成約組数は134組と当初計画の143組を下回ったものの、大型案件(報酬総額が1億円以上となる案件)の成約が16組と当初計画の4組を大きく上回ったことから成約案件単価が上昇し売上高・利益を押し上げた。また、対面セミナー中止による広告宣伝費の減少なども利益上振れに寄与した。また、業績上振れに伴い、従来17円50銭を予定していた期末一括配当を24円に引き上げるとあわせて発表した。

■サイボウズ <4776>  3,510円 (+250円、+7.7%)

サイボウズ <4776> が大幅高で4連騰。テクニカル的にも戻り高値を次々と払拭し、7月14日の上場来高値3640円奪回も視野に入れる局面にある。中小企業を中心にグループウェアを提供し業務効率化を支援、パッケージソフトとクラウドサービスを2本柱に収益成長路線をまい進する。24日にマザーズ市場に新規上場するトヨクモ <4058> [東証M]の大株主(第2位)でもあり、同銘柄上場に伴う一部株式売り出しで20年12月期第3四半期に投資有価証券売却益を特別利益として3億9800万円を計上する見込み。また、法人向けクラウドサービスで実績の高いトヨクモは上場後のセカンダリーでも人気化が予想されており、サイボウズが保有する残りの株式についても含み益拡大にマーケットの視線が集まりそうだ。

■アクモス <6888>  567円 (+39円、+7.4%)

アクモス <6888> [JQ]が続急伸。菅新首相はデジタル行政に取り組む姿勢を明示するなか、マイナンバーカードの活用が重要との認識を示しており、関連銘柄に改めて物色の矛先が向いた。同社はM&A戦略を駆使したベンチャー企業連合を形成、幅広くITソリューション事業を手掛けるが、自治体へのICTサービス提供でも強みを持ち、マイナンバー制度に対応するためのクラウドサービスを展開するなど同分野での実績も高い。また、ここ医療ICT関連の有力株に位置づけられるソフトマックス <3671> [東証M]が急騰するなど、コロナ禍にあってヘルステック周辺株に買いが向かった。医療システム開発に強いアクモスはその出遅れ銘柄としてもマーケットの視線が向いた。

※23日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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