明日の株式相場に向けて=25日線を陰線で下回る、世界同時株安を警戒
きょう(24日)の東京株式市場は、リスクオフ環境が続くなか日経平均株価が下値を試す展開を強いられた。それでも前場は売り一巡後下げ渋る動きをみせたが、後場に入るとアジア株安や下落基調の続く米株価指数先物を横目に売り直される展開を余儀なくされた。結局、日経平均は前日終値を258円下回る2万3087円と続落。25日移動平均線を陰線で下回ってきたことで、目先警戒局面に入ったともいえる。
欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大しており経済活動が制限されることへの懸念や、米国では大統領選を前に財政の大盤振る舞いをしたいトランプ大統領と共和党の間で経済政策の折り合いがつかず、欧米をはじめとする世界景気の先行きに対する不透明感が改めて株価の重荷となっている。東京市場では9月末を控え、これまでは配当権利取りの動きが下値を支えたほか、菅新政権への期待もあって相対的に強さを発揮してきた。しかし、仮に欧米やアジアが全面的に株価水準を切り下げる世界同時株安の様相を呈した場合、日経平均やTOPIXの一段の調整は不可避となる。きょうは東証1部全体の8割近い銘柄が下落、マザーズ市場も3日ぶりに反落するなど、中小型株の一角も利食い急ぎの動きが顕在化した。ただ、個別株ベースでは、行政のデジタル化推進を御旗に掲げた物色の流れが形成されていることに着目。システム開発やITソリューション関連株の一角が全体相場に逆行する動きをみせており、この流れはあす以降の相場にも反映されそうだ。
あすのスケジュールでは、7月の毎月勤労統計確報、8月の外食売上高、8月の全国スーパー売上高などが発表される。また、マザーズ市場にI-ne<4933>、東証2部にSTIフードホールディングス<2932>が新規上場する。海外では8月の米耐久財受注額などが注目される。