話題株ピックアップ【夕刊】(1):NOK、日野自、フロンテオ
■NOK <7240> 1,228円 +139 円 (+12.8%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
NOK<7240>が大幅続伸。同社は21日取引終了後に、21年3月期通期の連結業績予想を修正。営業損益見通しは従来の228億円の赤字から、108億円の赤字(前期は120億2800万円の黒字)に上方修正した。売上高見通しは前期比15.4%減の5302億円(従来予想は4880億円)に引き上げた。中国などで自動車生産が復調してきたことに伴いシール事業の売り上げが回復傾向にあるほか、電子部品事業でもスマートフォン向けの販売が想定を上回って推移していることが主な要因だとしている。
■イーグル工業 <6486> 890円 +79 円 (+9.7%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
イーグル工業<6486>は大幅続伸。21日の取引終了後、21年3月期業績予想について、売上高を1234億円から1241億円(前期比12.7%減)へ、営業損益を18億円の赤字から11億円の黒字(同80.9%減)へ、最終損益を34億円の赤字から1億円の黒字(同96.6%減)へ上方修正したことが好感された。上期において、新型コロナウイルス感染症の影響で一般産業機械業界向け事業及び航空宇宙業界向け事業の減収幅が想定より拡大する見通しだが、自動車・建設機械業界向け事業は減収幅が抑えられる見通しであることが寄与する。また、プロダクトミックスや固定費の支出が抑止されたことなども利益を押し上げる。
■クオールHD <3034> 1,249円 +62 円 (+5.2%) 本日終値
調剤薬局大手のクオールホールディングス<3034>が大幅高。きょう昼ごろ、21年3月期上期(4~9月)の連結経常利益予想を従来の8億円(前年同期比77.9%減)から21億900万円(同41.7%減)へ大幅上方修正すると発表しており、これが好感された。保険薬局事業で7月以降に外来診療の受診控えの回復が徐々にみられたほか、コスト適正化プロジェクトが一定の成果を上げたことが寄与した。また、医療関連事業では専門領域MRの戦略的な配置などが進みCSO(営業支援)事業が好調に推移したことも業績上振れに貢献した。なお、通期の経常利益は従来予想の65億円(前期は80億2400万円)を据え置いている。
■日野自動車 <7205> 800円 +38 円 (+5.0%) 本日終値
日野自動車<7205>が大幅続伸。同社は21日、中国の電気自動車(EV)大手BYDと商用EV開発の新会社設立に向けて合弁契約を締結したと発表しており、これが好感された。新会社は2021年に中国国内での設立を予定しており、日野自とBYDがそれぞれ50%ずつ出資する。両社の強みを掛け合わせて商用EVおよび電動ユニットの開発を行い、主にアジア市場における顧客ニーズに最適な商品をスピーディーに実用化することを目指すとしており、まずは20年代前半に日野ブランド車の市場投入を計画しているとしている。
■FRONTEO <2158> 831円 +26 円 (+3.2%) 本日終値
FRONTEO<2158>が大幅続伸。前日は一時ストップ高に買われた後上げ幅を縮小し長い上ヒゲをつける形となったが、きょう改めて買い直されている。人工知能(AI)を活用したリーガルテック事業を主力とするが、最近ではこの高度な技術力を横展開しライフサイエンス分野への応用で新境地を開拓している。特に新型コロナや認知症分野でのAIを使った研究開発に期待が大きい。21日には日本マイクロソフトと高齢化社会における医療DXを目指した協業開始を発表したが、市場では「(マイクロソフトと連携して)患者の話す言葉からAIが認知症の有無を判定するシステムを開発するというのは、材料としても斬新」(中堅証券株式部長)という見方があり、断続的な買いを呼び込んでいる。10月中旬以降の株価調整局面でも信用買い残高は高止まりしていたが、日々の出来高流動性が高く、株式需給面でも重さがない。
■西松屋チェーン <7545> 1,676円 +50 円 (+3.1%) 本日終値
西松屋チェーン<7545>が全般軟調相場に逆行し上値指向を強めている。同社は子ども用アパレルの専門店だが、低価格戦略を前面に押し出し消費者ニーズを捉え、業績は絶好調に推移。新型コロナ感染拡大で収益環境に逆風が吹く小売セクターの勝ち組銘柄として、株価も年初来高値圏を走る異彩の強さを発揮している。21日取引終了後に発表した10月既存店売上高は前年同月比23.7%増と高成長を継続しており、これを手掛かりに改めて投資資金を誘導している。
■ジャフコ グループ <8595> 4,860円 +140 円 (+3.0%) 本日終値
ジャフコ グループ<8595>が大幅高で4日続伸。株価は2月10日以来となる5000円台を回復する場面もあった。前日の昼ごろに発表した21年3月期上期(4~9月)の連結決算で経常利益が前年同期比38.6%増の47億3000万円に拡大しており、これが引き続き材料視されたようだ。上期における投資先の新規株式公開(IPO)は国内、海外各1社であり、既上場投資先も含めた株式売却でキャピタルゲインが膨らんだという。なお、20年3月期通期の業績予想は引き続き未定としている。
■日本道路 <1884> 7,680円 +200 円 (+2.7%) 本日終値
日本道路<1884>が高い。同社はきょう午後1時30分頃に、21年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績予想を修正。営業利益見通しは前年同期比2.0倍の39億円(従来予想は21億円)に上方修正した。売上高見通しも同5.6%増の700億円(従来予想は670億円)に引き上げた。建設事業で工事消化が計画以上に進捗していることや、製造・販売事業で原材料が見込みよりも低価格で推移したことが主な要因だとしている。なお、通期業績予想については、新型コロナウイルスの影響が見極めにくいとして従来計画を据え置いている。
■ゼンリン <9474> 1,245円 +16 円 (+1.3%) 本日終値
ゼンリン<9474>が続伸。21日の取引終了後、21年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結経常損益を従来予想の19億円の赤字から12億4000万円の赤字(前年同期は6500万円の赤字)に上方修正し、赤字幅が縮小する見通しとなったことが材料視された。マーケティングソリューション関連の新規サービスに係る広告宣伝費が一部後倒しとなったことに加え、新型コロナウイルス禍における営業活動の制約で費用が減少したことなどが上振れの要因となった。なお、通期の経常利益は従来予想の17億円(前期は37億900万円)を据え置いている。
■三洋化成工業 <4471> 4,495円 -355 円 (-7.3%) 本日終値
三洋化成工業<4471>が急反落。21日の取引終了後、日本触媒<4114>との共同株式移転による経営統合を中止すると発表しており、これが嫌気されたようだ。両社は当初、20年10月1日付で経営統合を行うとしていたが、新型コロナウイルス感染拡大や原油及び石油製品相場の急落などにより、業績や事業環境の見通しが不透明になったことを踏まえ、21年4月1日に延期することを公表していた。しかし、その後も両社を取り巻く事業環境が悪化したことで、経営統合を中止することを決定したという。なお、通期業績予想への影響は精査中としている。
株探ニュース