明日の株式相場に向けて=マザーズ変調、波乱相場への対処法

市況
2020年10月22日 17時03分

きょう(22日)の東京株式市場はリスク回避の売り圧力が顕在化し、日経平均株価が165円安の2万3474円と反落した。

朝方に2万3400円台まで下値に突っ込んだ後下げ渋る動きをみせたが、前場中ごろから売り直された。後場に入ると日銀のETF買いの思惑もあって再び下げ幅を縮小したものの買いは続かず、引け際に大口の売りを浴びた。新型コロナワクチン開発を巡る先行き不透明感が重荷となっているほか、やはりあすの日本時間午前中に行われる米大統領候補の公開討論が気がかりで、仕方がないというところ。前回の討論会のように株価が波乱含みとなることも十分考えられるため、それを警戒して持ち高を軽くする動きが反映されたようだ。結局、朝方突っ込んだ水準に逆戻りして大引けを迎えた。

日経平均の下げ幅自体は大したことはないが、投資マインドはかなり冷え込んでいる。ひとことで言えば中小型材料株の下げがきつい。マザーズ指数の下げがひと際目立っているが、これはバイオ関連株に売りが集中していることが影響している。アンジェス<4563>は一時4ケタ大台をちょうど半年ぶりに割り込んだ。そこから下げが加速しないところが、“普通の株”とは違う。しかし、高水準に積み上がった信用買い残を見る限り、追い証発生初期段階のこの場面で買い向かうのは分が悪い。

きょうはアンジェスだけではなく、バイオ関連全般に「これ以上リスクを取りたくないモード」の売りが波及した。こういう時、投げを誘発して下値で買い戻す空売りの仕掛けが下げを助長するケースが多い。これはゲーム関連株などにもよく見られるが、目先は外資系証券などが信用買いの膨らんだ当該銘柄の株券を調達して売りを仕掛ける、そういうタームに入っているようだ。ネット証券大手によると、マザーズ市場の信用評価損益率は前日時点でマイナス14.4%。総投げ状態になるのは、マザーズの場合は大体マイナス25%程度という。パニックにはまだ程遠いように見えるが、大統領選絡みで波乱があり得るとすれば、売り方は今が仕掛け好機だ。その裏返しで、安値を拾う逆張りを考えるのであれば今は時期尚早ということになる。

ここは焦って動かず、冷静に落ちてきたナイフが地面に刺さるタイミングを待つところ。持ち株を買い下がるナンピンは結果的に成功するかもしれないが、荒れている地合いではリスクに見合わない。それよりもキャッシュポジションを高めておくことが肝要で、波乱相場をチャンスに変えることができる。

あすのスケジュールでは、9月の全国消費者物価指数(CPI)。海外では10月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値。10月のユーロ圏PMI速報値など。なお、タイ市場は休場となる。なお、日本時間午前に米国大統領選の候補者2人による公開討論が行われる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2020年10月22日 20時19分

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