前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
■ハピンズ <7577> 212円 (+50円、+30.9%) ストップ高
インテリア・生活雑貨の専門店を展開しているHAPiNS <7577> [JQ]がストップ高まで買われた。同社は12日午後0時30分頃に、21年3月期第2四半期累計(4-9月)の単独決算を発表。営業利益が前年同期比60.4%増の1億7700万円となったことが好感されたようだ。新型コロナウイルスの感染拡大による4月と5月の実店舗の臨時休業及び営業時間短縮などで全体の売上高は同28.0%減の32億1600万円にとどまったが、EC事業の売上高は大きく伸長。また、プライベートブランド商品の拡充やセール期での売価変更の抑制などで粗利益率が改善したことも利益を押し上げる要因となった。なお、21年3月期通期の業績予想については、新型コロナの影響が読みにくいとして未定としている。
■本州化 <4115> 1,583円 (+300円、+23.4%) ストップ高
本州化学工業 <4115> [東証2]がストップ高。11日の取引終了後、三井物産 <8031> と三井化学 <4183> が同社株に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表。TOB価格が11日終値を43%上回る1株1830円とあって、株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。TOBの開始は国内外の競争当局における手続きなどを経て21年5月頃を目指すという。TOBが成立した場合、同社株は上場廃止となる見通しだ。
■ベネフィJ <3934> 2,143円 (+400円、+23.0%) ストップ高
ベネフィットジャパン <3934> がストップ高。ここ上値を押さえていた75日移動平均線突破を意識させる動き。同社は対面営業による通信機器の販売を祖業とするが、近年は回線を借りて通信サービスを行うMVNO事業に傾注している。また、コミュニケーションロボットの販売も手掛ける。11日取引終了後に発表した20年4-9月期の決算は売上高が前年同期比23%増の46億2600万円と大幅な伸びを示し、営業利益も同7%増の6億6500万円と増益を確保しており、これを材料視する形で投資資金が流入した。MVNO事業は会員数の大幅増加などを背景にストック収入が拡大、コミュニケーションロボット事業も販売数が伸び全体業績に寄与した。
■MTG <7806> 1,760円 (+300円、+20.6%) ストップ高
MTG <7806> [東証M]がストップ高。11日の取引終了後、20年9月期の連結経常損益を従来予想の6億円の赤字から16億円の黒字(前の期は146億9800万円の赤字)に上方修正し、一転して黒字に急浮上する見通しとなったことが好感された。新型コロナウイルス感染拡大の影響で第4四半期も国内店舗の売り上げが低迷したが、一方で自宅でのトレーニングや美容習慣の需要増加を背景に、利益率の高いEC・通販事業の好調が継続したことが収益を押し上げた。また、プロフェッショナル事業では美容室における店舗販売が順調に推移した。更に、全社的な経費削減を進めたことも上振れに貢献した。
■SEMITEC <6626> 4,795円 (+700円、+17.1%) ストップ高
SEMITEC <6626> [JQ]がストップ高に買われ、年初来高値を更新した。11日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益を従来予想の14億3000万円(前期比26.9%増)から17億5000万円(同55.3%増)に上方修正し、2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが好感された。主力のセンサーが医療機器向けの好調継続や自動車関連の回復・主要ハイブリッド車種以外での採用により、販売が拡大する見込みになった。また、設備の更新などで生産性が向上することも利益拡大を後押しする。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の20円から30円(前期は20円)に大幅増額修正したことも評価材料となった。
■ASB機械 <6284> 5,040円 (+705円、+16.3%) ストップ高
東証1部の上昇率2位。日精エー・エス・ビー機械 <6284> がストップ高。11日の取引終了後に発表した20年9月期の連結決算で経常利益は前の期比11.4%増の46億6900万円に伸びて着地。続く21年9月期も前期比41.4%増の66億円に拡大する見通しを示しており、これを好材料視する買いが向かった。前期はゼロ・クーリングシステム搭載機の市場浸透に加え、安全で衛生的なプラスチック容器の需要の高まりを受け、欧米を中心にストレッチブロー成形機の引き合いが好調だった。今期は過去最高水準の受注残高を背景に、売上高360億円(前期比32.1%増)と大幅増収を見込んでいる。
■AIins <4488> 78,600円 (+10,000円、+14.6%) ストップ高
AI inside <4488> [東証M]が1万円高はストップ高となる7万8600円に買われた。同社は、人工知能技術を用いた光学式文字読み取り装置サービスを手掛ける。11日の取引終了後、21年3月期通期の単独業績予想について、売上高を35億7700万円から44億7100万円(前期比2.8倍)へ、営業利益を10億3500万円から18億6000万円(同4.3倍)へ大幅に上方修正すると発表しており、これが好感された。第1四半期に引き続き、代理店による「DX Suite Lite」OEM版の新規開拓が大きく伸張していることや、顧客のDX化に対する意欲が旺盛で給付金などの申請書や各種帳票の読み取りが推進されたことにより、「DX Suite」クラウド版の獲得件数や従量型売り上げが堅調に推移していることなどが業績押し上げに貢献するという。なお、同時に発表した21年3月期上期(4-9月)の決算は、売上高19億4800万円(前年同期比3.2倍)、営業利益10億1100万円(同5.6倍)だった。
■東京精 <7729> 4,270円 (+420円、+10.9%)
東証1部の上昇率5位。東京精密 <7729> が続急騰し、一時11日比12.7%高の4340円に買われた。11日の取引終了後、従来未開示としていた21年3月期の連結業績予想について、売上高920億円(前期比4.6%増)、営業利益132億円(同7.5%増)、純利益100億円(同39.7%増)と増収増益を見込み、年間配当予想は同8円増の84円を予定していることが好感された。主力の半導体製造装置は、5G関連の中国現地メーカー需要や電子部品需要が持続し業績を押し上げる見通し。また、需要が拡大基調にある半導体、NEV(新エネルギー車)、医療分野向けの計測器の販売増加も寄与するという。なお、第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高451億1200万円(前年同期比7.4%増)、営業利益62億8200万円(同12.4%増)、純利益46億7700万円(同9.8%増)だった。同時に、80万株(発行済み株数の1.9%)、または30億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は20年11月12日から21年3月31日までで、株主還元の充実及び資本効率の向上を図ることを目的としている。
■グレイス <6541> 6,120円 (+580円、+10.5%)
東証1部の上昇率6位。グレイステクノロジー <6541> が急反騰。11日の取引終了後に発表した21年3月期上期(4-9月)の非連結決算は、売上高9億1100万円(前年同期比6.9%増)、経常利益4億9500万円(同27.2%増)と2ケタ増益を達成しており、これが好材料視された。マニュアルをクラウド上で管理・制作するe-manualの導入促進とコンサルティング案件の獲得を進めたことで、MMS事業の収益が拡大したことが寄与した。同時に、編集・制作に強みを持つ老舗マニュアル制作会社であるHOTARUの全株式を取得し子会社することを明らかにした。これにより21年3月期第3四半期から連結決算へ移行する予定とし、業績への影響は現在精査中としている。
■エラン <6099> 2,795円 (+220円、+8.5%)
東証1部の上昇率10位。エラン <6099> が続急伸。同社は12日午後0時30分頃に、12月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表。投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性を高めることが主な目的だとしている。また、同時に発表した20年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結決算も好材料視されたもよう。売上高は前年同期比19.6%増の188億5400万円、営業利益は同36.2%増の15億3600万円で着地した。介護医療関連事業の主力サービス「CS(ケア・サポート)セット」が順調に拡大したことなどが寄与した。また、期末一括配当計画を従来から1円増額の12円(前期実績は9円)とすることも発表している。なお、20年12月期通期の連結業績予想は、売上高250億円(前期比16.2%増)、営業利益18億円(同20.6%増)と従来計画を据え置いている。
■フリー <4478> 8,500円 (+630円、+8.0%)
フリー <4478> [東証M]が急反発。同社は11日大引け後に決算を発表。21年6月期第1四半期(7-9月)の連結経常損益は2.6億円の赤字(前年同期は4.8億円の赤字)に赤字幅が縮小した。
■松田産業 <7456> 1,700円 (+111円、+7.0%)
松田産業 <7456> が続急伸。同社は11日取引終了後に、21年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比9.9%増の1116億7700万円、営業利益は同14.3%増の36億6900万円で着地した。新型コロナウイルス感染症の影響で食品関連事業は苦戦したものの、主力の貴金属関連事業がリサイクル取扱量の増加や貴金属相場の上昇を背景に伸びたことが寄与した。あわせて、21年3月期通期の連結業績予想を上方修正。売上高見通しは前期比4.3%増の2200億円(従来予想は2060億円)、営業利益見通しは同0.9%増の63億円(従来予想は55億円)に引き上げた。
■デジタルHD <2389> 1,536円 (+88円、+6.1%)
デジタルホールディングス <2389> が続急伸。同社は11日大引け後に決算を発表。20年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結経常損益は37.7億円の黒字(前年同期は3.7億円の赤字)に浮上して着地した。
■日リーテック <1938> 2,603円 (+146円、+5.9%)
日本リーテック <1938> が急反発。同社は11日大引け後に決算を発表。21年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比58.5%増の16.2億円に拡大し、通期計画の42.7億円に対する進捗率は5年平均の19.3%を上回る38.1%に達した。
■アマダ <6113> 1,028円 (+51円、+5.2%)
アマダ <6113> が大幅高で3日続伸。11日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を2250億円から2330億円(前期比27.2%減)へ、営業利益を60億円から120億円(同65.4%減)へ、純利益を30億円から60億円(同74.3%減)へ上方修正したことが好感された。上期において販売が想定を上回ったことや、経費削減が順調に進んでいることが要因としている。また、下期は上期に対して操業度や販売価格が改善するとしている。なお、第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高1135億1900万円(前年同期比26.7%減)、営業利益154億3300万円(同19.5%減)、純利益112億2200万円(同15.9%減)だった。
■EMシステム <4820> 840円 (+41円、+5.1%)
イーエムシステムズ <4820> が急反発。同社は11日大引け後に決算を発表。20年12月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比9.7%減の11.5億円に減り、通期計画の15.5億円に対する進捗率は74.4%となった。
■任天堂 <7974> 53,900円 (+2,220円、+4.3%)
任天堂 <7974> が大商いで5日ぶり大幅反発に転じた。売買代金はソフトバンクグループ <9984> に次いで2位。前日11日までは米ナスダック市場の下げに反映されるバリュー株買い・グロース株売りの流れのなか下値模索を余儀なくされていたが、前日のナスダック指数急反発で流れが変わった。また、同社株の前日までの下げについても「収益成長期待が剥落したわけではなく、クリスマス商戦を控えニンテンドースイッチ関連の売り上げが期待できるなか、目先値ごろ感からの買い戻しを誘った」(中堅証券ストラテジスト)という。ソニー <6758> の「プレイステーション5」がライバル視されたが、顧客層が異なるとの見方で“スイッチ離れ”にはつながらないとの見方が強い。
■協エクシオ <1951> 2,775円 (+109円、+4.1%)
協和エクシオ <1951> が大幅続伸。11日の取引終了後、175万株(発行済み株数の1.56%)、または30億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。取得期間は20年11月12日から21年3月31日までで、機動的な資本政策の遂行及び資本効率の向上を通じて株主利益の向上を図るためとしている。同時に発表した第2四半期累計(4-9月)連結決算は、売上高2248億6500万円(前年同期比5.9%増)、営業利益112億200万円(同4.0%増)、純利益74億5400万円(同18.8%増)だった。主力の通信キャリア事業で、NTTグループのアクセス分野において在宅勤務の増加などにより光開通工事が受注高・完成工事高ともに堅調に推移したほか、4Gエリア拡大や高密度化工事とあわせ5G無線基地局工事の受注も増加し好調に推移し増益を確保した。なお、21年3月期通期業績予想は、売上高5250億円(前期比0.1%増)、営業利益320億円(同2.9%増)、純利益211億円(同35.2%増)の従来見通しを据え置いている。
■大日精 <4116> 2,361円 (+61円、+2.7%)
大日精化工業 <4116> が4日続伸。11日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益を従来予想の12億円(前期比78.5%減)から24億円(同57.0%減)へ上方修正すると発表しており、これを好感する買いが入った。主要取引先である車両業界向けや情報・電子業界向けの販売回復が続く見通し。固定費を中心とした経費支出の抑制を継続することも利益上振れの要因となる。なお、同時に発表した上期(4-9月)の同利益は前年同期比61.4%減の13億800万円だった。
■やまびこ <6250> 1,386円 (+33円、+2.4%)
やまびこ <6250> が続伸し、年初来高値を更新。11日の取引終了後、20年12月期の連結経常利益を従来予想の61億円から85億円(前期比43.7%増)へ上方修正し、4期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが好材料視された。新型コロナウイルス感染症の拡大で在宅時間が増加するなか、北米や国内で刈払機などの小型屋外作業機械の販売が伸びることが収益を大きく押し上げる。好調な業績を踏まえ、期末一括配当を従来計画の35円から40円(前期は35円)に増額修正したことも好感された。
■ハーモニック <6324> 7,620円 (+180円、+2.4%)
ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [JQ]が大幅続伸し年初来高値を更新。同社が11日取引終了後に発表した第2四半期累計(4-9月)の連結最終損益は1億1500万円の黒字(従来予想は5億5000万円の赤字)となったことが好感された。主にアジア市場で産業用ロボットを中心に第2四半期の受注高が想定を上回った。また、コスト削減の効果で一般管理費が想定を下回った。21年3月通期の同損益は4億5000万円の赤字(前期は8億3200万円の赤字)の見通し。今期配当は前期と同水準の20円を計画している。
■ソリトン <3040> 2,058円 (+41円、+2.0%)
ソリトンシステムズ <3040> が3日ぶりに反発。岩井コスモ証券は11日、同社株の目標株価を2200円から2450円に引き上げた。投資判断の「A」は継続した。同社はITセキュリティに関する高い技術力を持つ。第3四半期累計(1-9月)の連結営業利益は前年同期比80.9%増の12億9300万円と好調。テレワーク向けなど収益率の高い自社製品が好調でGIGAスクール構想向けの需要も出ている。20年12月期の同利益は15億円(前期比38.7%増)の予想だが、同証券では17億5000万円への増額修正を見込んでいる。
■メルカリ <4385> 4,290円 (+80円、+1.9%)
東証マザーズ指数が続伸、リバウンド局面入りの様相をみせている。マザーズ上場企業のなかで断トツの時価総額を誇るメルカリ <4385> [東証M]が続伸歩調にあるほか、時価総額上位のフリー <4478> [東証M]、JMDC <4483> [東証M]、AI inside <4488> [東証M]、BASE <4477> [東証M]、マネーフォワード <3994> [東証M]、メドレー <4480> [東証M]などが軒並み高く、地合いの好転を示唆している。マザーズ指数は今週10日に80ポイントあまりの急落に見舞われ、1200台を割り込み75日移動平均線に接触したが、前日(11日)は18ポイント高で引けており、下降トレンド転換の一歩手前で踏みとどまり切り返していた。米ナスダック市場との連動性が指摘され、前日はナスダック総合指数が急反発に転じたこともあって、マザーズ市場も主力銘柄中心に買い戻しの動きを後押する格好となった。
■エフピコ <7947> 4,355円 (+80円、+1.9%)
エフピコ <7947> が続伸。岩井コスモ証券は11日、同社株の投資判断を「B+」から「A」へ引き上げた。目標株価は4300円から4800円に見直した。同社は食品容器の最大手で、オリジナル製品の開発とリサイクル化への取り組みで高い実績を持つ。巣ごもり消費が追い風となり、同社は先月30日に21年3月期の連結営業利益を167億円から175億円(前期比12.9%増)に上方修正した。ただ、同証券では業績見通しはなお保守的として178億円への再増額を予想。22年3月期の同利益は193億円を見込んでいる。
■野村総研 <4307> 3,435円 (+55円、+1.6%)
野村総合研究所 <4307> が続伸し新高値。大和証券では11日、同社株の投資判断を「2(アウトパフォーム)」から「1(買い)」に引き上げた。目標株価は3200円から4100円に見直した。同社は先月28日に第2四半期(4-9月)決算を発表したが、その結果は想定通りでサプライズは小さいとしている。ただ、内外受注の好転に加え、優れたデジタルトランスフォーメーション(DX)・アジャイル開発ノウハウと関連知財の確立が確認され、中長期的視点から強いポジティブ、と評価。顧客経営モデル自体を根本からデジタル変革可能な「真のDX力」が同社の競争優位をさらに強化し、今後5~10年にわたる高成長・採算性向上をもたらす、とみている。
■ソニー <6758> 9,160円 (+120円、+1.3%)
ソニー <6758> が続伸、5日移動平均線を上回り再び上値追い態勢にある。年末商戦を前に、12日12日は家庭用ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」の国内発売日であり、マーケットの注目度が高まった。市場では「現時点では生産が足りていないため、いきなり販売が伸びて収益への寄与が意識されるという段階にはない。ただ、当日予約受付は既に終わっているものの、今後段階的に出荷数を増やすにつれて話題性も次第に高まりそうだ」(ネット証券アナリスト)としている。株価は前週末6日に9300円の年初来高値をつけた後いったん調整を挟んだが、12日は一時9200円台まで買われ、高値奪回が改めて意識される状況にある。
※12日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース