来週の株式相場に向けて=ドコモTOB還流資金が相場下支えも
今週は17日に日経平均株価が1991年以来、29年ぶりに2万6000円を回復した。しかし、米大統領選後は株式相場が急騰し過熱感も強まっていただけに、週末にかけての調整は当然の一服となった格好だ。
来週は23日が東京市場は勤労感謝の日、26日はニューヨーク市場が感謝祭で休場となる。日米市場が休場を挟む状態となり、様子見姿勢が強まるなか2万5000円台を固める展開が予想される。日経平均株価の予想レンジは2万5100~2万5700円。
市場では、新型コロナウイルス感染拡大への警戒感が再び強まっている。ただ、「新型コロナにより、今春のような相場急落が起こる懸念は少ないのでは」(市場関係者)との見方がある。状況が悪化した場合、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)による一段の緩和策が見込めることや、新型コロナワクチンの開発も進んでいることも春先とは異なる点だ。加えて、医療体制に関しても今春の経験が生かされるとみられている。
来週はイベント的には目立ったものはあまりないが、市場からは「NTTドコモ<9437>の株式公開買付(TOB)に応じた資金の市場への還流が見込めそうだ」(アナリスト)との見方が出ている。ドコモTOB資金の市場への還流規模はパッシブ運用に関するものだけでも、7000億円とも1兆円規模ともいわれる。24日以降はドコモ資金が相場の下支え役となり、時価総額上位銘柄への還流が期待できそうだ。
相場のテーマとしては、依然としてイーレックス<9517>など「環境」関連株や、ディスコ<6146>など「半導体」関連株などが注目されそうだ。海外では23日に米11月総合購買担当者景気指数(PMI)が発表される。また25日には米7~9月期国内総生産(GDP)が公表され、11月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公開される。27日は、感謝祭翌日に米小売り各社が大型セールを行う「ブラックフライデー」となる。国内では、25日にMITホールディングス<4016>、26日にジオコード<7357>がともにジャスダックに、27日にはクリーマ<4017>が東証マザーズに新規上場する。(岡里英幸)