富田隆弥の【CHART CLUB】 「健全なスピード調整」
◆日経平均株価の勢いは11月17日ザラバ高値の2万6057円まで続き、その後にようやく一服入れた。10月30日安値の2万2948円から約2週間で13.5%(3109円)も上げ、サイコロジカルラインは10勝2敗、25日移動平均線かい離率は8%、短期RCI(9日、13日)が100~97%をつけるなど、日足のテクニカル指標が過熱を強めれば調整入りも仕方がない。
◆過熱に伴う反動で乱高下しやすいことや、新型コロナウイルスの感染拡大、米国トランプ大統領の選挙戦を巡る訴訟など気になる点もある。しかし、世界で金融緩和(カネ余りの地合い)が続くほか、クリスマス商戦(11月27日ブラックフライデー)が始まることもあり、ここでの調整は値幅調整でなく「スピード調整」にとどまり、12月に向けて再び上昇へ動き出すことも想定される。
◆日本株の裁定売り残(先物取引に係わる現物の売り残高)を見ると、11月第2週(9~13日)に2790億円も減少した。つまり、大量の買い戻しが日経平均を押し上げたと言えるが、その売り残がまだ1兆7589億円もあることから、12月11日のメジャーSQ(先物・オプションの清算日)にかけてさらに買い戻しが進む可能性もある。
◆12月になると師走のボーナスがあり、金融界はボーナスマネー獲得のための地合い作りに尽力することが想定される。そうした背景を踏まえると、日経平均の調整は10月30日を基点とした上げ幅の3分の1押しに当たる2万5000円前後がメドで、切り返すなら次は2万7000円台を目指すことも想定される。個別株はここから押し目買いが面白い。
(11月19日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース