欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米FRBの長期緩和方針が下押しも

通貨
2020年12月1日 17時25分

1日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想したい。新型コロナウイルスのワクチン開発が好感され、円売りが主要通貨を押し上げる見通し。ただ、米金融当局者によるハト派姿勢が嫌気され、ドル買いは縮小しそうだ。

前日はユーロ・ドルの値動きが注目されたが、9月同様、1.20ドル台の定着に失敗したことでドル買いに振れた。また、シカゴ購買部協会景気指数など予想外に低調となった米経済指標を手がかりにNY株式市場で月末の利益確定売りが強まり、リスクオフの買いがドルの上昇を支援した。ただ、本日アジア市場は一転してリスク選好ムードが広がっている。ワクチンの早期実用化への期待感から欧米やアジアの株価指数が強含み、安全通貨売りの流れ。ドルは下落基調だが、対円では104円半ばに水準を切り上げた。

この後の海外市場では、欧米の経済指標や金融当局者の発言が材料視される。ラガルド欧州中銀(ECB)総裁が講演で来週の理事会での追加緩和に言及すれば、引き続きユーロを下押ししドルは小幅に押し上げられる見通し。ただ、ISM製造業景気指数は上昇一服が見込まれ、回復の鈍化が意識されやすい。また、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言などで当局者からハト派姿勢が示されれば、ドル買いを抑制しよう。欧米株高で円売りは継続しても、リスクオンの売りがドルの一段の上昇を阻止しそうだ。

【今日の欧米市場の予定】

・17:55 独・11月失業率(予想:6.3%、10月:6.2%)

・17:55 独・11月製造業PMI改定値(予想:57.9、速報値:57.9)

・18:00 ユーロ圏・11月製造業PMI改定値(予想:53.6、速報値:53.6)

・18:30 英・11月製造業PMI改定値(予想:55.2、速報値:55.2)

・19:00 ユーロ圏・11月消費者物価指数速報値(前年比予想:-0.2%、10月:-0.3%)

・22:30 カナダ・7-9月期GDP(前期比年率予想:+47.7%、4-6月期:-38.7%)

・23:45 米・11月製造業PMI改定値(予想:56.7、速報値:56.7)

・24:00 米・11月ISM製造業景況指数(予想:58.0、10月:59.3)

・24:00 米・10月建設支出(前月比予想:+0.8%、9月:+0.3%)

・24:00 パウエル米FRB議長証言(上院銀行委員会)

・02:00 ブレイナード米FRB理事オンライン討論会出席(地域再投資法関連)

・02:00 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁講演(大西洋協議会関連)

・03:15 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁オンライン討論会出席(経済見通し関連)

・05:00 エバンス米シカゴ連銀総裁開会あいさつ(地域フォーラム)

《FA》

提供:フィスコ

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