話題株ピックアップ【夕刊】(1):フェローテク、アダストリア、SUMCO
■フェローテク <6890> 1,394円 +63 円 (+4.7%) 本日終値
フェローテックホールディングス<6890>が6連騰、連日の年初来高値更新が続いているが、きょうまで6連続陽線となっており、これは後場にファンド系資金の実需買いが入っているとの観測もある。コロナ禍で世界的に企業がテレワーク導入を加速させたことからパソコンやサーバーなど通信関連機器の需要が増大し、これを背景に半導体市場が拡大基調を強めている。つれて半導体製造装置需要も増勢にあり、真空シールなど設備関連の部品で高い商品競争力を持つ同社の収益拡大への期待が高まっている。きょうは5%を超える上げで1400円台に乗せた。年初来高値更新とともに19年4月の高値1351円も上回り、18年9月以来約2年3か月ぶりの高値圏に浮上した。
■アダストリア <2685> 1,848円 +74 円 (+4.2%) 本日終値
アダストリア<2685>が3日続伸。2日の取引終了後に発表した11月度の月次売上高は、既存店売上高は前年同月比8.1%減と2カ月ぶりに前年実績を下回ったが、想定内との見方が強い。中旬以降の気温が高めに推移したことに加え、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響で客数が減少したことが響き、冬物商品の販売が弱含んだ。なお、全店売上高は同7.6%減だった。
■五洋建設 <1893> 836円 +33 円 (+4.1%) 本日終値
五洋建設<1893>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が2日付で同社の投資判断「オーバーウエート(強気)」を据え置き、目標株価を800円から970円に引き上げたことが材料視された。リポートでは、国内建設、海外の売上高拡大による業績拡大の見方に変更はないと強調。また、洋上風力ビジネスも着実に進捗していると評価し、洋上風力案件が業績に寄与することはESG銘柄としての注目度の高まりにつながるとも指摘している。
■宇部興産 <4208> 1,906円 +74 円 (+4.0%) 本日終値
宇部興産<4208>が3日続伸。同社は2日、宇部ケミカル工場(山口県宇部市)内にポリイミド原料モノマー工場を増設すると発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。工場増設は、液晶テレビ向け回路基板やスマートフォン向け有機ELディスプレー、ハイブリッド車、電気自動車(EV)などの電装品市場拡大に対応するため。稼働は23年度下期を予定し、生産能力は現状の60%アップになるという。
■DyDo <2590> 5,560円 +200 円 (+3.7%) 本日終値
ダイドーグループホールディングス<2590>が4日ぶりに反発。きょう10時ごろ、テレビアニメ「鬼滅の刃」とのコラボ商品の販売計画を1500万本上乗せすると発表しており、業績への貢献を期待する買いが向かったようだ。販売計画を上乗せするのは「ダイドーブレンド ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」「ダイドーブレンド 絶品微糖」「ダイドーブレンド 絶品カフェオレ」の3商品。「鬼滅の刃」とのコラボでは、10月5日に計28種類の鬼滅の刃デザインパッケージを発売し、約3週間で累計販売本数5000万本を販売した。今回、販売好調を受けて販売計画の上乗せに踏み切った。
■エービーシー・マート <2670> 5,760円 +180 円 (+3.2%) 本日終値
エービーシー・マート<2670>は大幅反発。2日の取引終了後に発表した11月度概況で、既存店売上高は前年同月比5.4%減と2カ月ぶりに前年実績を下回ったものの、アク抜け感から買われたようだ。前年に比べて日曜日が1日多い曜日並びだったほか、オンラインはブラックフライデーセールの効果もあり好調だったが、新型コロナウイルスの第3波の影響により感染拡大地域で集客が減少した。なお、全店売上高は同4.1%減だった。
■SUMCO <3436> 2,371円 +68 円 (+3.0%) 本日終値
SUMCO<3436>が異彩の上昇トレンドを形成。株価はついに15連騰となった。しかも11月2日以降きょうまでの1カ月間で、下落した日は何と2日間しかない。シリコンウエハーでは信越化学工業<4063>と双璧の存在で、半導体関連の出遅れとして一気に水準訂正の動きが進んでいるが、「この背景には海外ファンドのポートフォリオ組み込みによる継続的な実需買いが観測されている」(準大手証券ストラテジスト)という。新値街道を走っているものの2018年1月の高値3345円からみても依然として上値余地が大きい。なお、信越化は前日に上場来高値をつけるなど株価面で大きく先行している。SUMCOの最高値は07年7月につけた6730円。
■日本瓦斯 <8174> 5,410円 +150 円 (+2.9%) 本日終値
日本瓦斯<8174>が反発。SMBC日興証券が2日付で同社の投資判断「1(強気)」を据え置き、目標株価を前回の5500円から6800円に増額したことが材料視された。リポートでは、LPガスと電力での顧客獲得は新型コロナウイルス下でも順調に推移していると評価。また、プラットフォーム事業では参加、導入の意向を示しているガス事業者が出てきており、21年3月期下期から22年3月期にかけて収益貢献が始まるとみている。
■平和不動産 <8803> 3,575円 +80 円 (+2.3%) 本日終値
平和不動産<8803>が鮮烈な上げ足をみせ、約10カ月ぶりに年初来高値を更新した。政府・与党は海外からの金融機関や金融分野の専門人材を集める国際金融都市の実現に前向きに取り組む姿勢をみせており、税制上の優遇措置などを設けこれを呼び水とする構えをみせている。そうしたなか、同社は東京都が実施する「金融系外国企業・人材に対する一時的オフィス提供事業」の認定オフィス事業者に選定されている。「国際金融都市・東京」構想実現への急先鋒としてマーケットで注目が集まった。同社株にとどまらず、東京ドーム<9681>のホワイトナイトとして脚光を浴びた三井不動産<8801>の影響もあって、不動産株には思惑が広がりやすい。
■サカイ引越センター <9039> 5,290円 +100 円 (+1.9%) 本日終値
サカイ引越センター<9039>が反発。きょう午前11時に発表した11月度の売上高(速報)は前年同月比3.1%増となり、2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されたようだ。主力の関東地区が2.1%増となったほか、北海道から沖縄まですべての地域で前年比プラスを達成した。
株探ニュース