話題株ピックアップ【夕刊】(1):ルネサス、任天堂、メルカリ

注目
2020年12月17日 15時18分

■かんぽ生命保険 <7181>  2,081円  +190 円 (+10.1%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

かんぽ生命保険<7181>が続急騰。株価は前日比12.0%高の2119円まで上値を伸ばし、約11カ月ぶりに年初来高値を更新した。時事通信がきょう9時30分ごろ、「日本郵政傘下のかんぽ生命保険が、月内にも3000億円規模の自社株買いを実施する方針を固めたことが17日、分かった」と報じており、これを材料視する買いが入った。記事によると、自社株買いには親会社の日本郵政<6178>が応じるという。同社の出資比率を5割以下に引き下げることで、かんぽ生命は経営の自由度を高めて収益力を強化するのが狙いのようだ。なお、日本郵政株も大幅高に買われた。

■アルプス物流 <9055>  851円  +56 円 (+7.0%) 一時ストップ高   本日終値

アルプス物流<9055>が急伸。16日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益を従来予想の31億円から37億円(前期比4.8%減)に上方修正すると発表しており、これを好感する買いが入った。電子部品業界の市況回復や新規案件の受注獲得などで、電子部品物流事業の貨物取扱量が想定以上に伸びるほか、外出自粛や在宅勤務の広がりを背景とする宅配ビジネスの好調も業績を押し上げる。

■ルネサス <6723>  1,100円  +71 円 (+6.9%)  本日終値

ルネサスエレクトロニクス<6723>が一時8%の上昇で1112円まで上値を伸ばし、年初来高値を更新した。同社は車載用を主力とする半導体大手メーカーだが、世界的な半導体市場の拡大に加え、米国や中国などでの新車販売台数の回復も追い風となっている。16日には中国自動車メーカー大手である中国第一汽車集団と吉林省長春市に共同研究拠点を設けたことを発表しており、電気自動車(EV)などをはじめ技術開発で協業する体制にあることから、業容拡大期待が高まった。

■任天堂 <7974>  67,600円  +4,190 円 (+6.6%)  本日終値

任天堂<7974>が商い急増のなか値を飛ばし、4000円あまりの急伸をみせマーケットの視線が集中した。新型コロナウイルスの感染再拡大で巣ごもり消費関連に改めて物色資金が向かっており、レジャー分野ではその代表格である同社株が存在感を強めている。市場関係者によると「中国でのニンテンドースイッチの販売が好調を極めており、ここでも独り勝ちの様相となってきた。スイッチの販売台数は今期末までに400万台を販売するとの試算も出ており、中国のゲーム市場を席捲していることで、アジア系のファンド資金が同社株に注目している」(国内ネット証券大手)という。株式需給も良く、信用買い残の整理がここ急速に進んでいることを見ても分かるように、個人投資家は総じて利益確定の動きを優先させており、海外投資家の実需買いが株高の背景にある。

■JIG-SAW <3914>  9,320円  +550 円 (+6.3%)  本日終値

JIG-SAW<3914>が続急伸。きょう9時ごろ、ソニーセミコンダクタソリューションズ(神奈川県厚木市)と共同のIoTサービスに関する業務提携契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。今回の提携では、ソニーセミコンダクタソリューションズのIoT向けボードコンピュータ「SPRESENSE」及び通信モジュールと、JIGSAWのIoTエンジン「neqto:」を組み合わせて、同社のクラウド側ソフトウェアをSPRESENSE及び通信モジュールに適合させるために改良し、共同のIoTシステムを構築するという。また、同システムの製造機器・産業機器・通信機器などのメーカー向け販売でも協力する方針としている。

■メルカリ <4385>  4,465円  +225 円 (+5.3%)  本日終値

東証マザーズ指数は3日ぶり反発、今月7日に大陰線をつけ中長期波動の分水嶺である75日移動平均線を下回ったが、その後も同移動平均線を下回っての推移が続いており、市場関係者の間でもその動向が注目された。きょうはメルカリ<4385>やフリー<4478>、AI inside<4488>、マネーフォワード<3994>などのマザーズ時価総額上位の銘柄が買われており、全体相場を支えた。今週以降はマザーズ市場を中心にIPOラッシュがあるため、IPO銘柄のセカンダリーに資金が吸収され、全体指数は換金売りで軟化するという見方もあるが、きょうは個別株物色意欲が旺盛で市場のセンチメントも改善した。

■キーエンス <6861>  55,220円  +2,780 円 (+5.3%)  本日終値

キーエンス<6861>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は16日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」を継続するとともに、目標株価を4万7000円から5万8000円に引き上げた。国内と海外での事業拡大による成長というストーリーは維持しており、21年3月期は新型コロナの影響で業績は踊り場となる見通しだが、22年3月期からは再び過去最高の営業利益更新局面に回帰するとみている。特に、同社の一人当たり売上高は第1四半期(4~6月)を底に回復に転じており、モメンタムも改善していると指摘している。

■三菱マテリアル <5711>  2,285円  +89 円 (+4.1%)  本日終値

三菱マテリアル<5711>が大幅高で3日続伸。16日の取引終了後、21年3月期連結業績予想について、売上高を1兆4200億円から1兆4500億円(前期比4.4%減)へ、営業利益を収支均衡から80億円の黒字(同78.9%減)へ、最終損益を200億円の赤字から収支均衡(前期728億5000万円の赤字)へ上方修正しており、これが好感された。上期業績が計画を上回ったことに加えて、銅加工品、電子材料及び超硬製品の販売の増加、金属価格の上昇などによる増収が寄与するほか、鉱山からの受取配当金の増加が見込まれることなどが要因としている。また、政策保有株式の縮減を進めることから特別利益が増加し、最終損益段階で赤字が解消される見込みという。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高7255億6800万円(前年同期比3.1%減)、営業利益68億9000万円(同59.4%減)、最終損益191億5000万円の赤字(前年同期45億1100万円の黒字)だった。

■SBIホールディングス <8473>  2,971円  +106 円 (+3.7%)  本日終値

SBIホールディングス<8473>、セレス<3696>、マネックスグループ<8698>のほか、GMOフィナンシャルホールディングス<7177>やフィスコ<3807>、リミックスポイント<3825>など仮想通貨関連に位置づけられる銘柄が買われた。足もとビットコイン価格は2万ドル大台に乗せ、仮想通貨バブルに沸いた2017年の水準を上回ってきた。世界的な過剰流動性を背景に株式をはじめとするリスク資産へ資金が向かうなか、ビットコインにもこうした流れが波及したようだ。また今年に入り、大手企業や機関投資家などがビットコインを保有していることが相次ぎ伝わっており、これも注目度の上昇につながったとみられる。

■ソニー <6758>  10,025円  +260 円 (+2.7%)  本日終値

ソニー<6758>が続伸、一時290円高の1万55円とついに1万円大台乗せを果たし、年初来高値更新となった。時価は2001年5月以来、19年7カ月ぶりの高値圏に浮上した。イメージセンサーの将来性に期待が大きいほか、新型コロナウイルスの感染再拡大を背景に巣ごもり消費需要が高まりをみせるなか、PS5を中心とするゲーム関連事業の収益貢献が見込める。今年4月には子会社ソニーAIを設立しているが、直近16日にはソニーAIが既存事業領域の「ゲーム」と「イメージ&センシング」事業に加え、新規探索領域「ガストロノミー」を研究開発の旗艦テーマに設定し、「ガストロノミー・フラグシップ・プロジェクト」を始動させたことを発表している。

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