話題株ピックアップ【夕刊】(2):塩野義、ローツェ、郵船
■塩野義製薬 <4507> 5,579円 +140 円 (+2.6%) 本日終値
塩野義製薬<4507>はカイ気配スタートで大幅高。同社は感染症薬などを主力とし、米国をはじめ積極的な海外展開でも知られる。16日取引終了後、新型コロナウイルス感染症に対する予防ワクチンの第1/2相臨床試験を開始したことを発表した。これは国内ではアンジェス<4563>に次ぐ2例目ということもあって、今後の展開に期待する買いが集中する格好となった。
■ローツェ <6323> 5,730円 +120 円 (+2.1%) 本日終値
ローツェ<6323>が4日ぶりに反発。東海東京調査センターは16日、同社株のレーティングを新規「アウトパフォーム」でカバレッジを開始した。目標株価は8500円とした。同社は、半導体やフラットパネルディスプレー(FPD)関連の搬送装置を手掛けている。主要顧客である台湾のTSMCの設備投資拡大や米アプライドマテリアルズの半導体製造装置の販売好調を背景として、大気用ウエハ搬送装置の引き合いが増加していると判断。21年2月期の連結営業利益は85億円(会社計画82億7300万円)、22年2月期は同105億円、23年2月期は同123億8300万円と拡大すると予想している。
■東京センチュリー <8439> 7,650円 +150 円 (+2.0%) 本日終値
東京センチュリー<8439>が続伸し、新値追いとなった。同社及び京セラ<6971>グループの京セラコミュニケーションシステムはきょう、川崎重工業<7012>と脱炭素社会の実現に向けた産業用自家発電サポートサービスの契約を締結したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。産業用自家発電サポートサービスは、太陽光発電設備の導入に必要な初期投資及び維持管理のための手間やコストをサービス事業者が負担し、顧客は初期投資ゼロで太陽光発電システムを導入することができる第三者所有モデルのサービス。今回の契約により、2050年に二酸化炭素(CO2)フリーを目指す川重の西神工場の屋根に東京センチュリーが太陽光発電設備を設置し、京セラコミュニケーションシステムが運営・保守を担うという。
■日本郵船 <9101> 2,360円 +43 円 (+1.9%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>など大手を中心に海運株に買いが集まった。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は今月9日を境に上昇歩調を続け、前日時点で1296まで上昇、10月下旬以来の1300台乗せを目前としている。新型コロナワクチンの普及により世界景気が改善傾向を示せば、グローバル物流の影響を受ける海運セクターにも追い風となる。市場では「ばら積み船だけでなくコンテナ運賃も上昇傾向にあるほか、特に最近は中国から米国向けの荷動きが活発となっており、(海運セクターは)収益環境の改善が意識されている。また、きょうは野村証券が海運大手3社についてレーティング据え置きながら目標株価の大幅引き上げを行っており、これもポジティブ視された」(準大手証券ストラテジスト)としている。
■アイレックス <6944> 1,959円 +400 円 (+25.7%) ストップ高 本日終値
アイレックス<6944>がストップ高。16日取引終了後、親会社のTCSカンパニーズがTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指すと発表。TOB価格が前日終値を34.7%上回る1株2100円とあって、株価はこれにサヤ寄せする形で気配値を切り上げた。買付期間は12月17日から21年2月8日までとし、TOBが成立した場合、同社株は上場廃止となる見通しだ。なお、TCSカンパニーズは同じく上場子会社のアンドール<4640>、テクノ・セブン<6852>に対してもTOBを通じて完全子会社化するとしており、いずれの株価もストップ高に買われた。
■シーズメン <3083> 405円 +80 円 (+24.6%) ストップ高 本日終値
シーズメン<3083>がストップ高に買われた。16日取引終了後、スピックインターナショナル(東京都目黒区)の全株式をTSIホールディングス<3608>から取得し子会社化すると発表しており、これを好感する買いが入った。スピックインターナショナルは「トルネードマート」「ハイストリート」などのメンズブランドを展開するTSIHD傘下のアパレルメーカー。スピックインターナショナルが所有するブランド、自社商品企画能力、都市部ファッションビル中心の販売チャネルを取り込み、今後の成長につなげる構えだ。株式譲渡実行日は21年3月1日とし、取得価額は非開示としている。
■ALiNK <7077> 2,575円 +500 円 (+24.1%) ストップ高 本日終値
ALiNKインターネット<7077>がストップ高。株価は一時前日比24.1%高の2575円まで上昇した。16日の取引終了後、気象庁ホームページのウェブ広告掲載の再開に向けて準備を進めると発表しており、これを好材料視する買いが入った。気象庁ホームページへのウェブ広告掲載は、同庁の定めた運用方針に基づいて実施していたが、一部広告掲載基準に沿わない広告が確認され、同庁要請のもと9月16日から一時停止している。今回、一時停止に係る調査結果、及び今後の対策を取りまとめた。同様の広告が掲載されないよう対策を施した上で、21年1月上旬に再開する予定としている。
■フォーシーズ <3726> 516円 +80 円 (+18.4%) ストップ高 本日終値
フォーシーズホールディングス<3726>がストップ高。同社は16日取引終了後に、子会社のHACCPジャパンが亜塩素酸水「クロラス除菌ウォーター」の希釈液を製造するための工場を開設したと発表。これが材料視されたようだ。HCCPジャパンは三慶(大阪市)が開発した「クロラス除菌ウォーター」を販売展開しており、新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあるなか除菌ニーズに対応するため工場を開設した。HCCPジャパンはこれまで古河産業(東京都港区)を中心とした各取引先により販売実績を作ってきたが、このほどNSFエンゲージメント(東京都品川区)と売買基本契約を締結。新たに開設した工場からNSFエンゲージメントにクロラス酸水製剤を供給するとしている。
株探ニュース