話題株ピックアップ【夕刊】(1):フリー、アンジェス、ソニー

注目
2020年12月18日 15時14分

■フリー <4478>  10,540円  +570 円 (+5.7%)  本日終値

フリー<4478>は急伸。午後1時ごろ、インテック(富山県富山市)と、金融機関とスモールビジネスのデジタルトランスフォーメーション(DX)推進と金融機関が行うICTコンサルティング支援で協業を開始したと発表しており、これが好感された。フリーが提供する会計アプリ「クラウド会計ソフトfreee」とインテックが提供するCRM「F3(エフキューブ)」を連携させ、同じデジタルプラットフォーム上での利用を可能にすることで、金融機関はスモールビジネスの会計・財務情報をタイムリーに把握でき、より正確な仮説をもって提案・経営サポートが行えるようになるという。また、スモールビジネスも複数金融機関との取引の管理が容易となるとしている。更に、財務諸表など紙資料のデジタル化を図ることができ、金融機関との円滑なコミュニケーションの実現に貢献するとしている。

■BASE <4477>  10,360円  +470 円 (+4.8%)  本日終値

BASE<4477>が急伸。17日の取引終了後、Hamee<3134>が提供するクラウド型ECプラットフォーム「ネクストエンジン」とサービス連携し、拡張機能「ネクストエンジンApp」の提供を開始したと発表しており、これが好材料視された。Hameeの「ネクストエンジン」は、複数サイトの一元管理システム。BASE加盟店が「ネクストエンジンApp」を使うことにより、「BASE」と並行してモール型ECサイトなどで商品を販売した場合、「ネクストエンジン」での受注管理や在庫管理、商品登録などの一元管理ができるようになり、ネットショップ運営の業務効率化や販売促進を図ることができるようになるという。

■日本製鋼所 <5631>  3,000円  +123 円 (+4.3%)  本日終値

日本製鋼所<5631>が大幅反発し年初来高値を更新。SMBC日興証券が17日付で、投資評価「1」を継続し、目標株価を2800円から3800円へ引き上げたことが好材料視されているようだ。中国セパレータメーカー向けが前回予想時よりも期待案件が更に増加していることを織り込み、EVセパレータ用フィルム・シート装置の受注予想を、21年3月期で130億円から160億円へ、22年3月期で180億円から242億円へ、23年3月期で230億円から259億円に上方修正した。これに合わせて21年3月期営業利益予想を100億円から125億円へ、22年3月期を同163億円から212億円へ上方修正した。

■堀場製作所 <6856>  5,980円  +220 円 (+3.8%)  本日終値

堀場製作所<6856>が3日ぶりに大幅反発。同社はこの日、グループ会社の英ホリバMIRA社が、コネクテッド・自動運転車(CAV)の設計から実車検証までを包括的支援する開発エンジニアリング総合施設「ASSURED CAV」を21年3月に開設すると発表しており、これが好感された。同施設は、自動運転技術の実用化に向けて、公道で起こり得るさまざまな事象や環境を再現しており、ホリバMIRA社が保有する車両試験施設と有機的に機能させることで、車両の制御性能や安全性を評価・検証する試験を包括的に実施できる。自動車開発を長年支援してきたホリバMIRA社の車両開発エンジニアリングの提供と合わせることで、コネクテッド・自動運転技術の高度化やスマートモビリティ社会の実現をサポートするとしている。

■フィックスターズ <3687>  971円  +35 円 (+3.7%)  本日終値

フィックスターズ<3687>が大幅高で4日ぶりに反発。17日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を40万株(発行済み株数の1.21%)、または3億円としており、取得期間は20年12月18日から21年9月30日まで。株主への一層の利益還元と、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にするために実施するとしている。

■アンジェス <4563>  1,313円  +45 円 (+3.6%)  本日終値

アンジェス<4563>が大幅高。この日の寄り前、カナダのバソミューン・セラピューティクス社と共同開発している新型コロナウイルス感染症治療薬「AV-001」について、米国での第1相臨床試験での投与を開始したと発表しており、これが好材料視された。「AV-001」は、非臨床試験の結果から新型コロナウイルス感染症で入院した患者の生存率を改善し、入院期間を短縮する可能性が期待できるという。同社では、第1相臨床試験で安全性と忍容性を確認した後、中等度から重度の患者での有効性評価のための第2相臨床試験を行う予定。なお、20年12月期業績への影響は精査中としている。

■NECネッツエスアイ <1973>  1,841円  +59 円 (+3.3%)  本日終値

NECネッツエスアイ<1973>は反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が17日付で、投資評価を「ニュートラル」から「オーバーウエート」とし、目標株価を1800円から2100円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。企業のIT化需要の取り込みや通信インフラ(4G、5G向け)整備などより、21年3月期以降は連続最高営業利益更新を見込むが、直近の下落により、株価が割安な水準になったと指摘。また、ネットワークインフラ事業とエンジニアリング&サポートサービス事業の見通しを引き上げ、21年3月期の営業利益予想を185億円から195億円へ、22年3月期を同215億円から220億円へそれぞれ引き上げている。

■メニコン <7780>  6,370円  +150 円 (+2.4%)  本日終値

メニコン<7780>が4日ぶりに反発。同社は17日取引終了後に、医療用機械器具の販売などを手掛ける板橋貿易(東京都中央区)を子会社化すると発表。子会社化は、板橋貿易の中国子会社を通じた同国でのコタンタクトレンズや関連製品の更なる事業拡大などが目的。なお、取得価額は約35億6000万円(アドバイザリー費用などを含む)で、株式譲渡実行日は来年1月8日を予定している。

■ソニー <6758>  10,255円  +230 円 (+2.3%)  本日終値

ソニー<6758>が3日続伸、連日の新高値と気を吐いている。500円を超える上昇をみせ2000年10月以来、20年2カ月ぶりの高値をつけた。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大は巣ごもり消費の一角であるゲーム関連株を刺激しているが、そのなか世界でも高い競争力を誇る同社株や任天堂<7974>などが海外投資家に評価され、ファンド系資金とみられる実需買いをバネに株価水準を切り上げる展開にある。また、高速通信規格5Gの商用サービスが進展するなか、同社の看板商品のひとつで世界シェアの約半分を握るCMOSイメージセンサーも注目度が高く、5G対応スマートフォン向けで中期的な需要開拓が期待されている。

■富士フイルム <4901>  5,584円  +54 円 (+1.0%)  本日終値

富士フイルムホールディングス<4901>が全体軟調相場に抗して3日ぶり反発。同社は17日取引終了後、新型コロナウイルス感染症を判定する抗原検査キットについて、審査機関に製造販売承認を申請したことを発表、これが株価を刺激した。新型コロナウイルスの感染拡大が国内でも加速しているが、そうしたなか、抗原検査はPCR検査よりも精度は落ちるものの、簡単かつ迅速に検査できることで活用頻度が高まる公算が大きいとみられている。

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