話題株ピックアップ【夕刊】(2):ウエストHD、ヘリオス、JAL
■ウエストHD <1407> 4,760円 +15 円 (+0.3%) 本日終値
ウエストホールディングス<1407>は5日移動平均線を足場に上昇トレンドを継続。世界的に脱炭素社会に向けた動きが加速するなか、菅政権でも2050年に温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げ、民間企業もこれに前向きに取り組む構えにある。今月20日に就任が予定されるバイデン次期米大統領も再生可能エネルギーなど環境インフラへの巨額投資を表明しており、株式市場でもこれが有力テーマとなり関連銘柄に波状的に物色の矛先が向いている。そのなか同社は再生可能エネルギーを主力事業とし、メガソーラー工事を全国展開していることから成長期待の高い有力株として物色人気が継続している。足もとの業績も好調で21年8月期はトップラインが前期比3割増と急拡大見通しにあり、営業利益も13%増益と2ケタの利益成長を見込む。
■ヘリオス <4593> 1,826円 -141 円 (-7.2%) 本日終値
ヘリオス<4593>が続落。この日の寄り前、日本国内で進めている体性幹細胞再生医療製品「HLCM051」を用いた脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした治験について、治験対象となる患者の組み入れペースが予想より低下していると発表しており、これが嫌気された。新型コロナウイルス感染症の第3波による急速な感染再拡大の影響を受けて、治験実施病院では医療資源が新型コロナウイルス感染症治療に配分されていることが要因。きょう時点で両治験の患者組み入れは完了しておらず、20年12月期中の完了を目指していたが、患者組み入れの進捗は9割超にとどまっているという。
■日本航空 <9201> 1,926円 -69 円 (-3.5%) 本日終値
日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>が揃って下値模索の展開。国内でも新型コロナウイルスの感染拡大が加速するなか、菅首相が1都3県に緊急事態宣言を検討していると一部メディアを通じ伝わったことで、全体相場は経済活動への影響を懸念して売り圧力が顕在化している。世界的にも感染拡大に歯止めがかからず、入国規制などで空運業界は更にダメージを受けるとの思惑から売りターゲットとなった。
■JR東日本 <9020> 6,648円 -237 円 (-3.4%) 本日終値
JR東日本<9020>やJR西日本<9021>をはじめとする鉄道各社の下げがきつい。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことを受けて、複数のメディアで、菅義偉首相が1都3県に対して緊急事態宣言を検討としていると報じられており、人の移動に更に制限がかかるとの警戒感から売られたようだ。また、GoToトラベルについても、1月11日までとする停止期間が再度延長になる可能性が高いとの見方が強まっており、業績回復に時間がかかるとの懸念も台頭している。
■アシックス <7936> 1,917円 -63 円 (-3.2%) 本日終値
アシックス<7936>が続落。午前9時ごろ、20年12月期業績に賃貸借契約解約損及び減損損失合わせて約23億円を特別損失として計上すると発表しており、これが嫌気された。北米子会社の旗艦店を閉店することで、同地域の収益改善を図るのが狙い。なお、20年12月期業績予想への影響はないとしている。
■不二精機 <6400> 1,485円 +242 円 (+19.5%) 一時ストップ高 本日終値
不二精機<6400>一時ストップ高。新型コロナウイルス感染拡大は世界的に歯止めがかからない状況にある。国内でも事態が深刻化するなか、政府が東京都をはじめとする1都3県に緊急事態宣言を発令する方向で調整に入ったことが複数のメディアを通じて伝わった。これを受けて日経平均株価は朝高後に一転リスク回避の売りに押される展開となったが、コロナ対策関連株には物色の矛先が向かう格好となった。ワクチンの普及が待たれるなか、射出成型用精密金型メーカーとして医療機器向けで商品競争力の高い同社は、注射器向け金型の需要を捉えるとの思惑が人気化の背景にある。もっとも、PERなどから妥当な説明がつきにくく、足もとはモメンタム重視の短期資金による需給相場の様相が強まっている。信用規制対象となっているが、投資資金の勢いに衰えはみられない。
■オンデック <7360> 6,200円 +1,000 円 (+19.2%) ストップ高 本日終値
12月29日に新規上場したオンデック<7360>や12月23日に新規上場したENECHANGE<4169>がストップ高に買われたほか、ココペリ<4167>、ヤプリ<4168>、ウェルスナビ<7342>など直近IPO銘柄に高いものが目立つ。東証1部の大型株の軟調が目立つなか、上値にしこりがなく、値動きの軽い直近IPO株に資金が流入しているようだ。
■日本アビオニクス <6946> 2,653円 +303 円 (+12.9%) 本日終値
日本アビオニクス<6946>が後場一段高。同社はきょう、ヘルスケア事業推進室を新設したと発表。全社横断で同事業の創出に注力するとしており、期待感が高まるかたちとなったようだ。同社は航空宇宙・防衛事業と、そこで培った高精度・高品質・高信頼というコア技術を基盤に、民需事業として赤外線サーモグラフィ事業と接合機器事業を展開しており、コロナ禍においては赤外線サーモグラフィ事業で発熱者スクリーニング用サーモカメラ、接合機器事業ではマスク製造用接合機器を提供している。ヘルスケア事業推進室を新設し、技術力・製品開発力を結集することで、ヘルスケア及び医療機器市場への製品やソリューションの展開を加速するとしている。
■オークファン <3674> 2,094円 +191 円 (+10.0%) 本日終値
オークファン<3674>は急反発。同社はきょう、内閣府が運営する「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」に入会し、会員として活動を始めると発表しており、これが好感されたようだ。同プラットフォームは、SDGs(持続可能な開発目標)の国内実施を促進し、より一層の地方創生につなげることを目的に、広範なステークホルダーとのパートナーシップを深める官民連携の場として内閣府が設置したもの。同社では、このプラットフォームの一員として、今後もSDGs達成と社会貢献に寄与していくとしている。
株探ニュース