注目銘柄ダイジェスト(前場):JCRファーマ、ムラキ、ドリコムなど
富士通<6702>:16375円(+595円)
大幅反発。前日に第3四半期決算を発表、10-12月期営業利益は935億円で前年同期比85.5%増益、市場予想を300億円以上上回ったとみられる。採算の改善が大きく寄与する形になっている。通期予想は従来の2120億円から2370億円、前期比12.1%増に上方修正。構造改革などの追加費用を計上したうえでの上方修正となっているが、市場予想を100億円程度上振れ。想定以上の収益水準の高まりをポジティブ視する動きが優勢に。
アンリツ<6754>:2677円(-71円)
反落。前日に第3四半期決算を発表、10-12月期営業利益は42.1億円で前年同期比10.0%減と減益に転じている。市場予想も若干下振れたとみられる。一方、計測事業をけん引役に通期業績予想は従来の175億円から190億円、前期比9.1%増に上方修正している。年間配当金も31円から37円に引き上げている。上方修正見含めて大きなサプライズは乏しく、足元では決算期待も先行していたとみられ、短期的な出尽くし感が優勢の形に。
JCRファーマ<4552>:3750円(+635円)
大幅続伸。前日に第3四半期決算を発表、営業利益は39.5億円で前年同期比83.6%増益となった。10-12月期は26.4億円で同2.3倍と急拡大する形になっている。通期業績達成確度も高まる状況とみられる。足元では、アストラゼネカのワクチン原液の国内製造請負を手掛かりに株価が急伸、それに伴いショートポジションもたまっていたとみられ、好決算を受けての買い戻しの動きも活発化しているとみられる。
キヤノン<7751>:2343円(-133.5円)
大幅続落。前日に20年12月期の決算を発表、営業利益は1105億円で前期比36.7%減益、先に上方修正を発表しており、実績値にはサプライズなし。21年12月期は1585億円で同43.4%増益の見通し。市場予想は150億円程度上回っているが、同予想に前期業績の上方修正は反映されておらず、実際は2000億円程度の水準が期待されていたもよう。出尽くし感からの利食い売りが優勢となり、直近の株価急伸の反動が強まっているようだ。
東エレク<8035>:40750円(-1120円)
伸び悩んで続落。前日に10-12月期の決算を発表、営業利益は629億円で前年同期比2.8%減益となり、700億円程度の市場コンセンサスを下回った。一方、通期予想は従来の2810億円から3060億円、前期比29.0%増に上方修正、2900億円程度の市場予想を上回っており、決算トータルではポジティブと捉える動きが優勢のようだ。ただ、半導体関連の主力として期待感は相当程度織り込まれていたため、いったん出尽くし感が先行する形に。
ムラキ<7477>:980円(+150円)
ストップ高。21年3月期第3四半期累計(20年4-12月)の営業利益を前年同期比51.8%増の1.56億円と発表している。付加価値洗車を柱に一般洗車の需要が拡大していることを受けてサービスステーション向けの洗車関連商品が好調に推移した。告知看板やサイネージなどの受注が拡大したことも大幅増益につながった。据え置きの通期予想は前期比19.4%減の0.60億円と、第3四半期時点で既に上回っていることから上方修正への期待が先行する形に。
ドリコム<3793>:822円(+73円)
大幅に反発。21年3月期の営業利益予想を前期比207.9%増の19.00億円と発表している。既存ゲーム事業の不採算タイトルへの対応を中心に収益性を向上させるほか、現在のサービスポートフォリオを事業環境に適った形へと見直し、経営リソースの効率的な配分を図る。第3四半期累計(20年4-12月)は前年同期比217.3%増の16.83億円で着地した。ゲーム事業の利益が膨らみ、増益をけん引した。
ウェッズ<7551>:502円(+22円)
大幅に続伸。21年3月期の営業利益を従来予想の8.70億円から13.90億円(前期実績13.11億円)に上方修正している。新車販売の増加に加え、降雪の影響で冬用タイヤのホイール需要が拡大する中、自動車関連卸売事業で主力のアルミホイール販売などが順調に伸びた。期末配当は従来予想の8.00円から10.00円(前期末実績15.00円)に増額修正した。年間配当は20.00円(従来予想18.00円、前期実績25.00円)となる。
《ST》