【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ お宝銘柄が春を待つ「アフターコロナ関連」
「お宝銘柄が春を待つ『アフターコロナ関連』」
●決算またぎを避けるべき意外な条件とは
高配当取り狙いの投資家たちの間で圧倒的な人気のJT <2914> の急落。2月10日に起きた7%を超える下落には、同社株を保有していない私も正直驚いた。
前日の9日までこの株にしては絶好の動きだったからだ。しかし、同日引け後に明らかになった同社の21年12月期決算予想はショッキングなものだった。
肝心の営業利益が22.6%減、純利益も同じく22.6%減の予想。売上高が0.6%減と伸びないうえに、不動産の売却益も減少するというのがその理由だが、高配当利回り期待を担保してくれるはずの配当が154円から130円に減少。上場来初の減配であり、これが投資家にとって衝撃的だったに違いない。
そのため、ネット上では失望の悲鳴が上がっていたが、私にいわせるとこの種のショック安は簡単に回避できる。それも特に工夫もなしに機械的に、だ。それは……と、もったいぶるようなことではない。「な~んだ、そんなことか」というやり方になる。
決算またぎをしない。これになる。私は株式投資で着実に利益を上げるには、特別な株才は必要ないという考えだ。損を少なくすることに徹すればよいのであり、決算発表前に持ち株を売っておく。こうするだけで損失を回避できるし、その分利益が増えやすくなる。
私は決算発表となったら単純に売ってしまうことにしているが、特にそれが欠かせないのが、次のような銘柄だ。(1)株価が順調に上昇している、(2)決算も引き続き良さそうだ――こんな銘柄は、通常は手放す気になどならないだろう。しかし、実際はこんな銘柄こそ決算またぎをしない方がよいのだ。期待通りの決算が発表されても、あれこれ理由をつけて大抵は一気に売られてしまう銘柄が多いからだ。
幸い、決算発表はすでにピークを超えたものの、JTだけでなく、決算発表をきっかけに売り込まれて急落、せっかくの利益をたちまち吹っ飛ばす人が多いため、あえて決算またぎはしないということを提言したい。一時的に売っておこう、というだけのことなのだから…。しばらくして、株価が落ち着いたらまた買い直せばよい。
●人々の渇望をバネに復活するアフターコロナ銘柄
ということで、決算発表についての記述が長くなってしまったが、ここでは引き続き アフターコロナ銘柄に注力したい。すでに、これまでも取り上げてきたが、まだまだ魅力的な銘柄がある。
そこで、まずはカカクコム <2371> になる。価格比較サイトの運営で知られるが、投資対象としてのポイントは、グルメサイト「食べログ」になる。いまは多くの飲食店が営業時間の短縮で苦境にあるが、梅や桜の開花に合わせて人出は増加し、飲食店の利用者も増えることは間違いない。株価もそれとともにさらなる高値が見込める。
若い人は、いや若くなくても、ファンになっているアーティストのコンサートやライブに行きたくなるだろう。この点を考えると、エイベックス <7860> も高値圏ながら期待が持てる。
わが家の妻もそうだが、休んでいたスポーツジムに通いたがっている人は多い(私は運動嫌いなので、その気にはなれないが)。スポーツジムでは、女性専用のカーブスホールディングス <7085> でよい。
釣り好きの人は当然、得意の釣り場に出かける日が待ち遠しく、いまから 釣り具の手入れや新たな道具の購入を考えているに違いない。そこで、釣り具世界首位のグローブライド <7990> を。
コロナの感染拡大でマスクの着用が一気に広がったことで、 化粧品業界も大苦戦に陥った。しかし、女性たちの化粧品需要がまったくなくなるということは考えられず、まずは目の周辺から始まり、秋ごろには従来通りに戻ると見込めることから、資生堂 <4911> に投資しておきたい。
夢を追う一部の人たちが、春風とともに出かけたくなるのは競馬場。ということで、東京都競馬 <9672> も忘れてはなるまい。
最後にREITの中から大江戸温泉リート投資法人 <3472> [東証R]を。
2021年2月12日 記
株探ニュース