富田隆弥の【CHART CLUB】 「3月を控えて慎重姿勢」

市況
2021年2月20日 10時00分

日経平均株価は2月15日に「3万円」の大台を取り戻し、16日には30年半ぶりの水準を3万714円に伸ばした。チャート的には過熱警戒感が募るが、「もうはまだなり」の展開が続く。金融緩和と財政出動を背景にした金融相場は強く、市場関係者の間にはさまざまな要因を並べて「バブルではない」「まだ上がる」といった論調が目立つ。だが、「もうはまだなり」という言葉が出てくること自体、「まだはもうなり」が近づいていることの証でもある。

◆過熱を示すテクニカル指標が増えてきた。騰落レシオやRCI(順位相関指数)のほかに、サイコロジカルラインの9勝3敗75%(16日時点)、200日移動平均線のプラス乖離26%(同16日)、信用残評価損率の-8.0%(同12日)なども加わる。

◆日経平均の月足チャートはナベ底波動を描いて30年前の水準を一気に取り戻す流れだが、直近の大きく腰を伸ばす上昇ぶりは「仕上げ局面」を感じさせる。週足チャートは、昨年3月のコロナショックで2万4100円近辺から1万6358円まで約7700円下げたが、その倍返しとなる3万1800円水準に近づいてきた。

◆前回も触れた如く「そろそろ一服」というイメージは抱いておきたい。金融相場だけに大きな調整は想定しづらいが、3月は彼岸に向けて調整アノマリー(経験則)があるだけに、少々厳しい調整になる可能性もある。チャート分析を生業(なりわい)とする者としては慎重な対応を提言したいところだ。

(2月18日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.