話題株ピックアップ【夕刊】(1):高島屋、JAL、ファストリ
■高島屋 <8233> 1,104円 +52 円 (+4.9%) 本日終値
高島屋<8233>は大幅続伸。23日付の日本経済新聞朝刊で「顧客の資産形成をサポートし、投資信託や保険など金融商品を仲介するサービスを拡充する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、21年度中に大阪市や横浜市の店舗に窓口を広げるという。金融事業の営業利益を早期に19年度の2倍にあたる100億円に増やす方針としており、業績への貢献が期待されている。また、政府は10都府県に出している緊急事態宣言について、首都圏以外の6府県については先行解除する方向で調整に入ったと複数のメディアで報じられており、百貨店各社には経済正常化に伴うリベンジ消費への期待も高まっているようだ。
■東亜建設工業 <1885> 2,272円 +102 円 (+4.7%) 本日終値
東亜建設工業<1885>が大幅続伸し、昨年来高値を更新した。22日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を130万株(発行済み株数の6.63%)、または20億円としており、取得期間は2月24日から9月22日まで。株主還元の充実と資本効率の向上を図ることが目的としている。
■IHI <7013> 1,986円 +87 円 (+4.6%) 本日終値
IHI<7013>が大幅高で4日ぶりに反発。22日の取引終了後、東京都江東区に保有する賃貸用不動産の底地(信託受益権)を譲渡すると発表しており、これが好材料視された。今回譲渡するのはそれぞれ8350坪と2220坪の工場跡地などで、譲渡に伴い固定資産売却益約213億円を21年3月期に特別利益として計上する予定。なお、21年3月期業績予想には織り込み済みとしている。
■ラウンドワン <4680> 1,159円 +49 円 (+4.4%) 本日終値
ラウンドワン<4680>が大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が22日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を1500円から1600円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では足もとの株価は、今期は業績不振(同証券の最終損失予想152億円)だが、悪材料出尽くし感から上昇トレンドを強めていると指摘。その背景には、米国事業の減損損失17億円の第3四半期計上から今期の減損損失計上の上限が見えてきたことや、新型コロナワクチン接種による新型肺炎感染症拡大の収束期待、来期からの収益急回復期待があるとしている。また、今後の注目点は来期以降の収益改善ペースで、株価には依然アップサイドがあるとしている。
■ソースネクスト <4344> 351円 +14 円 (+4.2%) 本日終値
ソースネクスト<4344>は後場一段高。午後0時30分ごろ、昨年7月から販売している会議室用webカメラ「Meeting Owl Pro(ミーティングオウル プロ)」の累計出荷台数が、2月23日時点で1万台を突破したと発表しており、これが好材料視された。同製品は、360度カメラとエコーキャンセリングマイク、スピーカーを搭載した会議室用webカメラで、カメラが部屋全体を映し出すとともに、人工知能(AI)が声や動きを広範囲で認識し、発言者に自動フォーカスするのが特徴。オフィスに出社する社員とテレワークの社員が混在する環境や取引先とのweb会議などで、臨場感あふれる音声とカメラワークで会議を活性化させる商品として人気化しているようだ。
■日本航空 <9201> 2,503円 +87 円 (+3.6%) 本日終値
日本航空<9201> とANAホールディングス<9202>の空運2社の株価上昇が異彩を放っている。欧米に続き日本でも米ファイザー製のワクチン接種が始まっており、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかるとの見方から、景気敏感株への買い戻しを後押ししている。特に収益の落ち込み度合いが大きく、外資系など機関投資家の空売り対象となっていた空運セクターはその傾向が強い。きょうは全体相場がグロース株中心に利食われ軟調推移を余儀なくされるなか、両銘柄ともショートカバーを交えた大口の買いが継続している。
■コクヨ <7984> 1,470円 +47 円 (+3.3%) 本日終値
コクヨ<7984>が大幅続伸。22日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。上限を350万株(発行済み株数の2.96%)、または50億円を上限としており、取得期間は21年3月1日から22年2月28日まで。資本効率をより意識した経営を推進していくことの一環として実施する。
■ブレインパッド <3655> 5,220円 +140 円 (+2.8%) 本日終値
ブレインパッド<3655>の戻り足が鮮明だ。きょうは全般地合い悪のなか370円高の5450円まで上昇し3連騰、3営業日合計で800円以上も水準を切り上げている。人工知能(AI)を活用したデータ分析を強みに顧客企業の経営を支援するコンサルティングを展開する。今21年6月期はコロナ禍にあって収益案件の開始が遅れるなどの逆風に見舞われたが、足もとでは受注活動が再び活発化しており、つれて業績改善傾向が強まっている。今期はトップラインが従来見通しの67億円~72億円から68億5000万円~72億円(前期比8.7%増)に上方修正、営業利益は人材投資に伴うコスト反映で大幅減益見通しは変わらないものの3億円~5億円から5億5000万円~7億5000万円(同29.3%減)に増額している。株式需給面では買い残の整理が進み、直近信用倍率は0.98倍と1倍を下回るほか、貸株調達による空売りの買い戻しなども寄与して上昇基調に拍車がかかっている。
■因幡電機産業 <9934> 2,607円 +57 円 (+2.2%) 本日終値
因幡電機産業<9934>が反発。22日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。上限を65万株(発行済み株数の1.16%)、または15億円としており、取得期間は2月24日から3月24日まで。株主に対する利益還元を図ることが目的としている。
■ファーストリテイリング <9983> 107,000円 +2,100 円 (+2.0%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が一時3550円高の10万8450円まで買われる展開となり、全般地合い悪のなかで最高値更新となった。全体相場は米国株市場を引き継いで主力輸出株中心にリスク回避の売り圧力が強いが、同社株は東証1部売買代金上位の銘柄の中で独歩高の様相をみせている。高値では日経平均を1銘柄で120円以上押し上げている状況だ。ファンドの組み入れに伴う実需の買いではなく指数絡みのインデックス買いで、品薄感を背景とした株高局面が続いている。東証信用倍率は直近データで0.23倍と売り長で、日証金では逆日歩がつく状況が続いており、売り方の買い戻しによる踏み上げ相場的な要素が依然として強い。
株探ニュース