ヨシコン Research Memo(1):総合街づくり企業

特集
2021年3月4日 15時01分

■要約

ヨシコン<5280>は、グループビジョンに「総合街づくり企業 ヨシコン」を掲げ、本社(静岡県静岡市)のある静岡県を中心に、マンション分譲や商業・工業・物流施設誘致などの不動産関連事業、及びコンクリート製品製造・販売のマテリアル事業を展開している。

1. コンクリート製品企業から不動産企業に変革

創業~株式公開時のコンクリート製品企業から不動産企業に変革した。現在のセグメント区分は、レジデンス事業(マンション分譲・卸売)、不動産開発事業(宅地造成・分譲、商業・工業・物流施設誘致、不動産証券化)、賃貸・管理等事業(収益不動産賃貸、マンション管理、設計・工事請負)、マテリアル事業(建築・土木用コンクリート製品製造・販売)、その他(缶飲料製造など)としている。売上、利益とも不動産関連事業が柱となっている。

2. 2021年3月期第3四半期累計は減収減益だが計画水準

2021年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比31.1%増の8,878百万円、営業利益が同52.3%減の296百万円、経常利益が同8.6%減の877百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同17.4%減の586百万円だった。分譲宅地や商工業施設用地の引き渡しが順調だったが、期初時点で分譲マンションの在庫が少なく、前年同期にあった食品メーカー工場の大型請負工事の反動も影響して減収減益となった。ただし、大型物件の引き渡しが第4四半期に集中するため、第3四半期累計としてはおおむね計画水準だった。

3. 2021年3月期通期は上方修正して大幅増収増益予想

2021年3月期通期の連結業績予想は上方修正して、売上高が前期比11.4%増の19,500百万円、営業利益が同119.8%増の1,600百万円、経常利益が同83.7%増の2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同35.6%増の1,410百万円としている。静岡県内での大型商業施設用地、1棟卸売分譲マンション、分譲用地などの成約が順調に進み、商工業施設用地の成約が進展したため、期初計画を上方修正して大幅増収増益予想としている。なお大型物件の引き渡しは第4四半期に集中する。

4. 「総合街づくり企業」を目指す

同社は、グループビジョンに「総合街づくり企業 ヨシコン」を掲げ、重点戦略として不動産ストックビジネスの拡大、将来の成長エンジンである新コアビジネスの発掘、生活関連サービス分野などへの事業領域拡大などを推進している。将来の成長エンジンである新コアビジネスの発掘に関しては、不動産証券化事業への取り組みを本格化するため、2018年4月に東海道リート・マネジメント(株)を設立、2021年2月に東海道リート投資法人を設立した。不動産関連事業が主力のため物件引き渡しによって収益が変動する可能性があり、マテリアル事業の収益性改善も当面の課題となるが、地盤とする静岡県は開発余地が大きい。中期的に収益拡大を期待したい。

5. 2021年3月期配当予想は上方修正して10期連続増配

2021年3月期の配当予想は上方修正して、2020年3月期比2円増配の年間47円(期末一括)としている。10期連続増配となる。

■Key Points

・グループビジョン「総合街づくり企業 ヨシコン」

・コンクリート製品企業から不動産企業に変革

・2021年3月期は上方修正して大幅増収増益・10期連続増配予想

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《NB》

提供:フィスコ

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