話題株ピックアップ【夕刊】(3):ナトコ、ダイハツデ、エイケン工業

注目
2021年3月4日 15時22分

■ナトコ <4627>  1,463円  +153 円 (+11.7%) 一時ストップ高   本日終値

ナトコ<4627>が急騰。3日の取引終了後に発表した21年10月期第1四半期(20年11月~21年1月)の連結決算で経常利益が前年同期比70.3%増の5億6200万円に拡大しており、これを好感する買いが入った。建材用塗料で高耐久商材や内装建材向け抗ウイルス塗料の販売が伸びたほか、テレワークの拡大を背景にモバイル製品向けコーティング剤の需要が旺盛だった。また、生産性の向上や経費削減なども利益拡大に貢献した。併せて、上期の同利益予想を従来の6億1500万円(前年同期比0.2%増)から9億4000万円(同53.1%増)へ大幅上方修正し、14期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しとなった。なお、通期の経常利益は従来予想の16億4000万円(前期は15億円)を据え置いている。

■ダイハツディーゼル <6023>  541円  +45 円 (+9.1%)  本日終値

ダイハツディーゼル<6023>は全体下げ相場のなかで異彩の上昇波を形成、きょうで9連騰となった。船舶用発電エンジンを手掛けるが、コージェネレーション分野のノウハウも高く、脱炭素に向けた取り組みも積極的だ。同社は早くから地球環境問題を経営上の最重要課題の一つに掲げるなどESG重視の姿勢を前面に押し出している。ここ世界的にESG関連銘柄への注目度が高まっており、世界的にも先進国の中央銀行はグリーン債購入などESGを意識した動きを鮮明化させている。日本ではトヨタ自動車<7203>がESG債を最大5000億円発行すると発表するなどで話題を呼んでいる。そうした流れのなかで、同社株はPBR0.4倍前後と超割安圏に放置されていることもあり継続的な買いを呼び込んでいる。

■エイケン工業 <7265>  2,819円  +104 円 (+3.8%)  本日終値

エイケン工業<7265>はしっかり。3日の取引終了後、第1四半期(20年11月~21年1月)単独決算を発表しており、売上高15億9900万円(前年同期比9.7%増)、営業利益1億4200万円(同52.5%増)、純利益1億800万円(同56.0%増)と大幅な増益となったことが好感された。付加価値の高い大型車用フィルターや高性能オイルフィルター、プレス部品の拡販に注力したことが奏功した。また、生産量の増加に伴い生産効率が向上し売上総利益率が向上したことや、旅費交通費などの販管費が減少したことも寄与した。なお、21年10月期通期業績予想は、売上高60億円(前期比11.4%増)、営業利益4億2200万円(同70.0%増)、純利益3億800万円(同36.0%増)の従来見通しを据え置いている。また、2万5000株(発行済み株数の2.45%)、6787万5000円を上限とする自社株を今朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表しており、これも好材料視された。株主への利益還元及び経営環境の変化に対応した機動的な資本政策をするためとしている。

■モロゾフ <2217>  5,730円  +120 円 (+2.1%)  本日終値

モロゾフ<2217>が続伸。同社は3日取引終了後、21年1月期業績予想の上方修正と配当の増額を発表したことが好感された。売上高は255億円から256億7000万円(前の期比13.1%減)に見直したほか、営業利益は5億3000万円から7億5000万円(同55.2%減)、純利益は2億円から3億5000万円(同68.0%減)に修正した。1月のインターネットや宅配ルートでのバレンタイン商品の販売が想定以上に堅調に推移したことで売上高は想定をやや上回った。また、利益面では増収効果に加え販売人件費や経費が想定を下回ったことが寄与した。年間配当は従来予想の40円から60円(前の期比40円減)に増額することも明らかにした。

■農業総合研究所 <3541>  592円  +12 円 (+2.1%)  本日終値

農業総合研究所<3541>は続伸。3日の取引終了後、資本・業務提携先であるJR東日本<9020>のインフラを活用し、新しい農産物流通プラットフォームの共同運用を開始すると発表しており、これが好感された。同提携事業を通じて、主に関東・甲信エリアの農産物の販路拡大と生産者の収入源増を目指すとともに、鮮度の高い農産物の提供を可能にするとしている。第1弾として千葉・茨城・長野エリアの駅周辺施設を活用した農産物集荷場を整備し、生産者の出荷の利便性を高めるとともに、列車による農産物の輸送を通じて、流通時間の短縮を図る実証実験を行う。また、JRE MALL(ECサイト)内に農産物販売ショップ「農家の直売所」も出店し、収穫から最短で翌日に農産物を届ける。なお、同件による21年8月期の業績に与える影響は軽微としている。

■大成温調 <1904>  2,070円  +17 円 (+0.8%)  本日終値

大成温調<1904>が4日続伸。3日の取引終了後、東京証券取引所が同社株を4日売買分から貸借銘柄に選定すると発表しており、株式流動性の向上による売買活発化を期待する買いが先行した。また、日本証券金融も4日約定分から貸借銘柄に追加すると発表している。

■アルファクス <3814>  845円  -180 円 (-17.6%)  本日終値

アルファクス・フード・システム<3814>が急落。3日の取引終了後、辛澤氏及びマッコーリー・バンクを引受先とする71万9400株の第三者割当増資を実施すると発表。発行済株式数に対する希薄化率は28.62%となり、需給悪化を懸念する売りが向かった。なお、調達する約7億5745万円(差引手取概算額)はシステム開発費用や事業運転資金などに充てるという。

■ヴィアHD <7918>  229円  -16 円 (-6.5%)  本日終値  東証1部 下落率10位

ヴィア・ホールディングス<7918>が急反落。3日の取引終了後、経営状況や財務状況の悪化などを踏まえ、株主優待制度を一部変更すると発表しており、これが嫌気された。21年3月末から適用する新制度では、株主割引券の贈呈回数を年2回から年1回(3月のみ)に減らし、金額を現行の年間1万円~10万円相当から2500円~1万円相当へ大幅に減額する。また、割引内容についても会計1000円ごとに250円割引(現行は500円割引)に変更するという。

■日本アジアグループ <3751>  1,079円  -4 円 (-0.4%)  本日終値

日本アジアグループ<3751>は7日続落。旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスは3日取引終了後、同社に対する株式公開買い付け(TOB)を撤回すると発表した。シティは日本アジアGに対して1株1210円で今月22日までを買付期間としてTOBを実施していた。しかし、日本アジアGは1日に300円の特別配当を実施することを発表。この配当により多額の資金が流出するほか、シティは同配当を受け取ることができないことなどを理由にTOBは撤回された。ただ、株価はTOB撤回を意識して2日には急落していただけに、この日の下げは限定的となっている。

●ストップ高銘柄

日本銀行 <8301>  54,000円  +7,000 円 (+14.9%) ストップ高   本日終値

など、4銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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