富田隆弥の【CHART CLUB】 「ナスダックの動向を注視」
◆日経平均株価は2月末に1202円安の2万8966円と急落した。月末に急落するのは昨年からよく見られることで、これまでは翌月になると切り返して上昇基調を維持してきた。そして、翌営業日の3月1日に697円高の2万9663円と大きく反発し、今回も同じパターンで上昇基調を維持するかに思われた。
◆だが、4日に再び628円安と崩れ、一時2万8711円まで下げる場面があった。日足チャートは25日移動平均線(4日時点2万9292円)やネックライン(2万9000円)を割り込み、これまでのパターンと少し異なる動きを見せている。調整アノマリーがある「3月」でもあり、少し様子見も必要と思われる。
◆米国のナスダック総合指数も気掛かりだ。日足チャートをみると、2月16日に史上最高値1万4175ポイントを付けたが、22日に25日移動平均線を割り込み、翌23日には一時1万3003ポイントまで下げた。その後、1万3600ポイント近辺に戻すものの、割り込んだ25日移動平均線が戻りの壁となり、3月3日には361ポイント安の1万2997ポイントと大きく下げるなど、チャートからは「調整入り」が漂う。
◆このところ、日経平均も米国株も値動きが荒くなってきた。ボラティリティ(変動率)の拡大に伴い、マネーの出入りも激しくなる。3月は日本のメジャーSQ(先物、オプションの清算日)が12日、米国のSQが19日に到来し、17日のFOMC、18~19日の日銀金融政策決定会合と重要イベントが続く。「お彼岸」まで慌ただしい相場が続く可能性があるが、4月新年度相場を踏まえるなら「どこで調整安値を打つか」が、ここからのポイントになるだろう。
(3月4日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース