話題株ピックアップ【夕刊】(2):住友化、イリソ電子、三菱UFJ
■住友化学 <4005> 561円 +13 円 (+2.4%) 本日終値
住友化学<4005>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し目標株価を850円から1000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。新たに公表された医薬品セグメントにおけるファイザーからの契約一時金6億5000万ドルの収益計上方針(一部のコストを差し引いた後、6年間にわたり繰延収益計上)を踏まえ、同証券では21年3月期のコア営業利益予想を1860億円から1430億円へ減額したが、一方で22年3月期は同1910億円から2300億円へ上方修正した。また、石油化学製品市況上昇のメリットが最も大きい企業として注目しているという。
■イリソ電子工業 <6908> 5,290円 +110 円 (+2.1%) 本日終値
イリソ電子工業<6908>が反発、一時300円高の5480円まで上値を伸ばし2月3日につけた5430円を払拭、約1カ月ぶりに昨年来高値更新となった。電子機器用コネクターを生産し、車載用を主力としている。コネクターは世界的な自動車販売の好調が追い風となっているほか、電気自動車(EV)向けにパワー系コネクターの需要旺盛で収益を押し上げている。21年3月期業績は営業利益が従来予想の27億円から32億5000万円(前期比30%減)に大幅増額している。22年3月期営業利益については回復が加速し、「19年3月期実績の60億円(今期予想比85%増)前後への大幅な伸びが見込まれる」(中堅証券アナリスト)という見方も出ている。
■アドヴァン <7463> 1,036円 +20 円 (+2.0%) 本日終値
アドヴァン<7463>が6日ぶりに反発。8日の取引終了後、14円を予定していた期末配当を15円に引き上げると発表しており、これが好感された。年間配当は29円と前期実績に対しては1円の増配になる予定で、3期連続の増配となる。
■三菱UFJ <8306> 591.7円 +10.7 円 (+1.8%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク各社がいずれも買い優勢の展開。そのなか三菱UFJは連日の昨年来高値更新と気を吐いている。米国では景気回復期待を背景に米10年債利回りの上昇傾向が顕著となっており、前日は再び1.6%台に浮上する場面があった。これを受けてゴールドマン・サックス、JPモルガンなど大手金融株が軒並み上昇し、全体相場に寄与した。米国事業を展開するメガバンクは運用利ザヤの拡大が見込まれ、この流れに追随している。また、3月期末を控えメガバンクの配当利回りの高さも注目され、配当権利取りの動きも株高を後押ししている。
■エス・エム・エス <2175> 3,210円 +10 円 (+0.3%) 本日終値
エス・エム・エス<2175>は5日ぶり反発。8日の取引終了後、従来未定としていた21年3月期の期末一括配当を9円50銭にすると発表しており、これが好感された。なお、前期実績に対しては1円の増配となる予定だ。
■東京エレクトロン <8035> 40,880円 -130 円 (-0.3%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置メーカーや、SUMCO<3436>など半導体素材関連が総じて下値模索の展開。世界的な半導体の需給逼迫が収益機会を高めるとの見方は強いものの、ここにきて米長期金利上昇によるグロース株売りの圧力に抗えない状況が続いている。前日の米国株市場ではアプライドマテリアルズやエヌビディアといった半導体セクターの主力株が軒並み大幅安に売り込まれ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は5.4%安と急落した。この流れが東京市場にも波及する形で同関連株への利益確定を急ぐ動きが加速している。指標株に位置づけられる東エレクはきょうで6日続落となり4万円大台割れも視界に入ってきた。
■大黒屋ホールディングス <6993> 54円 +26 円 (+92.9%) 本日終値
大黒屋ホールディングス<6993>が急伸。8日の取引終了後、中国中信集団(CITICグループ)との合弁会社を解散し、単独で中古ブランド品事業を行う子会社を上海に設立すると発表しており、これが好感された。同社の持つリソースを中国子会社に集約し、アリババグループにおける越境ECで高級品販売電子商取引のプラットフォームである魅力恵(MEI.com)の責任者である劉丹氏を経営陣として迎えることにより、中国における更なる事業基盤の拡大を目指すという。なお、21年3月期業績への影響は軽微としている。
■ワタベウェディング <4696> 396円 +80 円 (+25.3%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
ワタベウェディング<4696>がストップ高。この日の寄り前に開示された3月25日開催予定の定時株主総会招集通知で、ZOZO<3092>の創業者である前澤友作氏の保有割合が0.94%を占め第8位の株主となっていることが判明。これが好材料視されたようだ。
■安永 <7271> 1,377円 +188 円 (+15.8%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率2位
安永<7271>が急反騰。きょう付けの日刊工業新聞で、「トヨタ自動車と共同で、燃料電池車(FCV)のFCスタックを構成するセルの電極接合シート(MEGA)を独自のアルゴリズムで画像を解析し、検査速度を7倍にする検査ユニットを開発した」と報じられており、これが好材料視された。今回開発された技術により、検査精度が向上し、測定時間の長さや過剰判定による材料ロスが減ることで、歩留まり率を100%に近づけることに成功したという。
株探ニュース