話題株ピックアップ【夕刊】(3):アスカネット、インプレス、Kudan

注目
2021年3月9日 15時19分

■アスカネット <2438>  1,088円  +143 円 (+15.1%) 一時ストップ高   本日終値

アスカネット<2438>が反発。同社は8日取引終了後に、21年4月期第3四半期累計(20年5月~21年1月)の単独決算を発表。営業利益は前年同期比78.3%減の1億4000万円となったが、第2四半期累計時点の5600万円の赤字から黒字に浮上したことが好感されたもよう。第3四半期累計の売上高は同15.5%減の41億8900万円で着地。新型コロナウイルス感染拡大の影響で葬儀演出サービスやウェディング向け写真集の売り上げは苦戦したが、一方で空中結像を可能にする樹脂製ASKA3Dプレートの販売増でエアリアルイメージング事業は増収となった。通期業績予想については、売上高57億7500万円(前期比12.2%減)、営業利益2億円(同71.8%減)とする従来計画を据え置いている。また、同日には樹脂製ASKA3Dプレートの新サイズ(250ミリ×250ミリ)を開発し、4月1日から販売受付を開始すると発表しており、これも材料視されているようだ。

■インプレス <9479>  237円  +30 円 (+14.5%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

インプレスホールディングス<9479>が4日続伸と上値指向を強めている。同社は電子書籍やネット広告などデジタルコンテンツを展開するが、巣ごもり化で市場拡大が加速した電子コミックの配信事業で収益拡大の恩恵を享受している。21年3月期は2度の上方修正を行っており、直近修正時点で21年3月期営業利益は前期比5割増の6億5000万円を予想している。しかし、20年4~12月期営業利益は14億8900万円と既にこれを大幅に上回っている。株価が200円近辺という値ごろ感に加え、PBR0.8倍前後と指標面からも割安感があり、バリュー株としての側面も注目されている。

■Kudan <4425>  3,870円  +390 円 (+11.2%)  本日終値

Kudan<4425>が大幅反発。8日の取引終了後、組み込みシステムや画像処理などを手掛ける台湾ベコー社と共同で開発を進めている自律移動ロボット(AMR)について、プロトタイプである「VBoT」の一部を発表しており、これが好材料視されたようだ。「VBoT」は、ベコー社の人工知能(AI)及びロボット制御機能を兼ね備えた統合ソリューション「VHub ROSソリューション」と、Kudanのセンサー情報から周辺環境マッピングと自己位置認識を同時にリアルタイムで行う技術である「KdVisual」を組み合わせ、ベコー社のハードウェアをベースに開発。KdVisualの実装により、ロボットの自己位置推定の精度とパフォーマンスが大幅に向上するとともに、さまざまな環境下において優れたロバスト性(強靭性)が期待できるとしている。

■プロパティエージェント <3464>  1,860円  +169 円 (+10.0%)  本日終値  東証1部 上昇率6位

プロパティエージェント<3464>が大幅高で5日ぶりに反発。正午ごろ、運営する不動産投資型クラウドファンディングサービス「Rimple(リンプル)」において、Rimple’s Selection#11に、3億9189万円の応募があったと発表しており、これが好感された。これは募集金額3710万円(出資総額5300万円のうち優先出資70%分)に対して10.6倍となる。なお、抽選結果は、3月10日午後6時以降にメールで連絡するとしている。

■アイサンテクノロジー <4667>  1,730円  +142 円 (+8.9%)  本日終値

アイサンテクノロジー<4667>が後場一段高。午後2時ごろ、つくばスマートシティ協議会が2月27日から28日に行った、「スマート・コミュニティ・モビリティ」の実証実験に参加協力したと発表しており、これが好感された。今回行われた実証実験では、高齢者などの交通弱者の移動・外出の促進を図るため、自動運転車と低速型パーソナルモビリティ(電動車いす)を連携して住宅地から最終目的地までの移動を一気通貫で提供するユースケースにおいて、自動運転車の実環境での走行性能やパーソナルモビリティとの連携性、利用者の利便性や安全・安心性などについて検証するというもの。アイサンテクは、「高精度3Dマップ作成、および、自動運転走行の統括」の内容で参加協力したという。

■蛇の目ミシン工業 <6445>  873円  +57 円 (+7.0%)  本日終値

蛇の目ミシン工業<6445>が大幅高で3日続伸。巣ごもり需要を捉え家庭用ミシンの販売が好調、業績は絶好調に推移しており、21年3月期業績予想は期中2度にわたる上方修正を経て、営業利益段階で前期比4.1倍の48億円を見込む。好業績を背景に年間配当も期初見通しから増額して25円(期末一括配当)を計画するが、それにもかかわらずPER5倍未満でPBRは0.6倍前後と割安感が際立つ。バリュー株への資金シフトが鮮明となるなか、期末配当狙いの買いも交え、同社株に対する足もとの評価が急上昇している。

■トレファク <3093>  932円  +54 円 (+6.2%)  本日終値

トレジャー・ファクトリー<3093>が大幅反発。8日の取引終了後に発表した2月度の月次売上概況(単体)で、既存店売上高が前年同月比0.6%増となり、前年より営業日が1日少なかったにもかかわらず4カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。気温の上昇などから衣料の販売が復調したほか、ブランド品が好調に転じた。また、家具、スポーツ・アウトドア用品、ホビ―用品なども引き続き好調に推移した。なお、全店売上高は同4.1%増だった。

■富士ソSB <6188>  453円  +25 円 (+5.8%)  本日終値

富士ソフトサービスビューロ<6188>が3日ぶりに反発。同社は8日、大阪市から淀川区役所保険年金窓口業務などを受託したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。受託した内容は、窓口対応や申請書入力、各種報告書の作成、運営管理、その他付随する業務となっている。

■トーホー <8142>  1,922円  +104 円 (+5.7%)  本日終値

トーホー<8142>が大幅続伸。8日の取引終了後、集計中の21年1月期の連結業績について、売上高が1850億円から1860億円(前の期比19.6%減)へ、営業損益が39億円の赤字から32億円の赤字(前の期14億3300万円の黒字)へ、最終損益を41億円の赤字から36億円の赤字(同4億7400万円の黒字)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高が概ね計画通りだったことに加えて、商談・研修のオンライン化、アプリの有効活用による各種経費の見直しなど、収益構造改革による損益分岐点の引き下げを推し進めたことが奏功したという。

■帝国電機製作所 <6333>  1,281円  +64 円 (+5.3%)  本日終値

帝国電機製作所<6333>が大幅高で4日ぶりに反発。8日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を80万株(発行済み株数の4.06%)、または8億円としており、取得期間は21年3月9日から22年3月8日まで。資本効率の向上を通じた株主への利益還元を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることが目的としている。

■光陽社 <7946>  866円  0 円 (0.0%) ストップ高   本日終値

光陽社<7946>がストップ高。8日の取引終了後、MBOの一環として、犬養岬太社長が代表取締役を務めるKKが(東京都中央区)が同社株に対してTOBを実施すると発表しており、TOB価格935円にサヤ寄せする格好となった。時価総額に関する上場廃止基準の抵触で株主に不利益が生じる恐れがあり、合理的な価格で株主に株式を売却する機会を提供することが重要と判断したほか、非公開化により、強固な事業基盤の確立を図るのが狙い。買付予定数は82万2918株(下限47万7412株、上限設定なし)、買付期間は3月9日から4月19日までとしている。TOB成立後、光陽社は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は、同社株式を3月8日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

●ストップ高銘柄

イグニス <3689>  2,742円  +500 円 (+22.3%) ストップ高   本日終値

倉庫精練 <3578>  600円  +100 円 (+20.0%) ストップ高   本日終値

など、4銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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