来週の株式相場に向けて=今春最大のヤマ場「中銀ウイーク」に突入
来週の株式相場は、米国と日本の金融政策の行方を注視することになる。日経平均株価の予想レンジは2万9400~3万200円。3万円奪回なるかが焦点となる。
この週の日経平均株価は前週に比べ853円(3.0%)高と3週ぶりに上昇。週末にかけ値を上げ2万9700円台に乗せ25日移動平均線(2万9490円前後)も上回ってきた。来週は、何といっても16~17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と18~19日の日銀金融政策決定会合に関心は集中する。FOMCでは金融政策は据え置きの見通しだが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言や政策金利見通し(ドットチャート)などが関心を集め、米長期金利がどう反応するかがポイントだ。
11日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では、国債などの資産買い入れペースを加速することが決められ、その結果、金利上昇への過度な警戒感は和らいだ。「米長期金利の上昇は徐々に市場に織り込まれつつある」(市場関係者)との声もある。足もとの日米株価の上昇はFOMCを経て市場が落ち着きを取り戻すことを先取りしているようにみえる。
日銀会合では金融政策の点検結果が公表される。長期国債の変動幅拡大があるかに加え、株式市場ではETF買い入れ方針の変更が公表されるかが高い関心を集めている。来週の「中銀ウイーク」は今春相場の大きなヤマ場であり、ここを無難に乗り切れば3月下旬にかけて株式市場の一段の上昇が見込める。その場合、長期金利上昇で波乱状態にあった高PERのハイテク株などに見直し買いが入ることが期待される。
来週は、国内では15日に1月機械受注が発表され、週後半にかけて21日に期限を迎える首都圏1都3県の緊急事態宣言解除の是非を政府は判断することになる。個別企業では、15日に神戸物産<3038>とパーク24<4666>の決算が発表される。 更に3月IPOが始まり、16日にウイングアーク1st<4432>が東証1部に、ヒューマンクリエイションホールディングス<7361>が東証マザーズに新規上場する。18日にi‐plug<4177>、19日にはココナラ<4176>とT.S.I<7362>がともに東証マザーズに上場する。(岡里英幸)